2026.03.25
今日は、皆さんもよく知っているであろう、「酸素」についての話を紹介します。
皆さんは、酸素について何かご存知でしょうか?中学2年生の理科では、酸素は大気中の約21 %を占める気体で、ものを燃やすのを助けるはたらきがある、さびを引き起こす物質である、等といったことを学習します。よく学習している生徒は、大根おろしにオキシドール(過酸化水素水)を加えることで生成できる、ということも覚えているかも知れません。
では、酸素は、いつ頃、そしてどのようにして発見されたかご存知でしょうか。
この話に大きく関わってくるのが、ジョゼフ・プリーストリ、アントワーヌ・ラヴォアジェという2人の科学者です。
実は中世まで、空気というものは単一の物質であるという説が主流で、混合物であるとは考えられていませんでした。1774年6月頃、空気に強い関心を抱いていたプリーストリは、ある実験を行います。それが、「酸化水銀を熱で分解し、酸素を取り出す」という実験です。現代の化学式で表すなら、以下のようになります。
2Ag2O → 4Ag + O2
そして、得られた空気がものの燃焼を活発にするはたらきを持つことなどから、プリーストリは「何やら新しい気体が見つかったぞ」と考えます。しかし、この時点で彼は、「空気から何かが外れた状態だな」と考え、空気が混合物であるとは考えませんでした(難しく言うと、プリーストリは生涯にわたってフロギストン説を信じていました)。まあ当時は、空気はこれ以上分解できないものだと信じられていましたし、無理はありません。
この気体を新しい元素だと考えたのが、ラヴォアジェです。彼はプリーストリから実験の情報を受け取り、「空気から何かが外れた状態だな」という考えを改め、「空気が何かの混合物で、それが分解されたんだ」と考えて論理を構築しました。さらにこのことを証明するため、様々な実験を行い、酸素という気体が確かに実在することを示しました。具体的には超精密な秤を用いて、反応前後の気体の質量を計測し、「酸素が無いと実験の説明がつかないよ!」と主張したのです。しかし当時の科学者には、酸素の存在はあまり受け入れられませんでした。後々の科学者の数多の実験によって、だんだんと酸素の存在が当たり前になっていったのです。
皆さんが授業で習うことは、さも昔から当たり前だったように思われるかもしれません。しかし、酸素ひとつ取っても、見つかったのはつい300年前のことです。日本はまだ江戸時代真っ只中。そう考えると意外と最近じゃないでしょうか?
このように、疑問をひとつ掘り下げると、とても面白い科学のストーリーが広がっています。皆さんも身近にある「当たり前」について何か調べてみてはいかがでしょうか。きっと面白いストーリーがありますよ。
※実際の酸素の発見過程には、より多くの科学者が関係しています。興味を持った方は是非調べてみてください。
[参考]
河野 俊哉, プリーストリ:「酸素の発見」と燃焼の本質
_pdf (jst.go.jp)
吉田 晃, ラヴォワジエ:燃焼現象の解明と酸素の本質
_pdf (jst.go.jp)
城南コベッツ国立西教室






