中学生技術系のエキスパートを養成する高等専門学校について紹介します。

中学校を卒業してからは、一般的な高校に進学する以外に、高等専門学校を選ぶという進路もあります。高等専門学校は高専とも呼ばれ、全国にある58校で約6万人が学んでいます。総合的な学習の場である高校とは異なり、実践的な技術者を養成する高等教育機関です。

一般的な高校と比べると圧倒的に数が少ないため、中学生の進路としては少数派になるでしょう。しかし、大学と同レベルの知識が身につく上、卒業者に対する求人倍率は10~20倍になるなど、将来を考えると非常に有利な選択肢です。今回の記事では、高等専門学校の特徴と進路などについて解説します。

高等専門学校とはどんな学校?

高等専門学校は国公立54校と私立4校の合計58校あり、埼玉・神奈川・山梨・滋賀・佐賀を除く42の都道府県に1~2校の割合で設置されています。日本の学校教育の中では、大学と同じく高等教育に分類されます。

高等専門学校の仕組み

高等専門学校の入学対象者は、高校と同様に中学校を卒業している生徒です。工業系を中心とした技術者を養成するための学校であり、入学すると一般科目と専門科目をバランス良く履修します。専門科目では、自身も研究者である教授・准教授などの教員から実験・実習・実技といった実践的な指導を受けることができます。
本科の修業年数は高校よりも2年長い5年間ですが、商船学科だけは5年6ヵ月となっています。

本科を修了して卒業すると、「準学士」を称することができ、さらに2年間の専攻科を修了すれば4年制大学卒業者と同等の「学士」の学位取得が可能です。

卒業者の進路は、大まかに進学(専攻科進学もしくは大学3年次編入)が4割、就職が6割となっています。就職希望者の就職率はほぼ100%で、極めて高い水準を誇ります。

高等専門学校の特色

高等専門学校とは、社会の即戦力となる技術者を養成する教育機関です。機械・材料系や電気・電子系などの工業系のほか、商船系などの学科の中から自分が学びたいコースを選ぶことができます。ただし、学校ごとに設置学科は異なりますので、志望系統の学科の有無は確認が必要です。

高等専門学校は技術立国日本を支える目的で設立されたため、実験や実習により技術的な能力とスキルを身につけることができます。
また、全国高等専門学校連合会主催で行われる「ロボットコンテスト」や「プログラミングコンテスト」など、全国的にも有名な大会を通じて学んだ成果を発表する機会もあります。

学生が社会で自立した技術者となることを目指す高等専門学校の卒業研究はレベルが高く、中には各種学会で通用するような内容のものも見られます。総じて教育水準が高い高等専門学校は、高校から大学の内容を一貫して学べるハイレベルな教育機関だと言えるでしょう。

一般的な高校との違い

一般的な高校は、中学校での教育をベースに、さらに高度な普通教育として英語や数学などの一般教科を学ぶ場です。それに対して高等専門学校では、一般教科と共に技術系の専門教科を学び、しかもその専門教科の割合は学年が上がるごとに増えていくところに特徴があります。また、大学と同様に単位制であることも高校とは異なります。

さらに学校外での活動が多いことも、高等専門学校の特徴です。地域企業や地方公共団体と連携していることも多いため、インターンシップや工場実習などを通じて、実際の現場で実践的な教育を受けることができるのです。

高等専門学校からの進路(入学後・卒業後の進路について)

高等専門学校とは高校と大学を合わせたような教育機関であり、入学してからは独特な仕組みで教育課程が進められます。そのため、卒業後の進路も高校とは違います。ここで、高等専門学校に入学してからの流れを、大きく2つに分けてまとめてみましょう。

高等専門学校入学後の進路

まず高等専門学校に入学する場合ですが、入学資格は高校受験と同じく、中学校卒業もしくはそれと同等の学力を認められた生徒です。
入試は毎年2月に本試験と追試験が実施され、高校入試と同じ5教科で合格者が選抜されます。

入学後は、1年次から一般科目と専門科目を組み合わせたカリキュラムに従って学習します。
一般科目は1~3年次で全体の80%を履修し、4~5年次では専門科目を中心に履修します。また、専門科目は学校ごとに違いがありますが、本科の修業期間内にバランスよく履修できるようになっています。

高等専門学校卒業後の進路

高等専門学校を卒業すると、その後の進路は大きく3つに分かれます。
1つめは専攻科に進学して、2年間さらに専門的な教育を受けることです。専攻科を修了すると、大学卒業と同じく学士の学位を得ることができます。
2つめの進路は、大学3年次に編入学することです。国公立大学を中心に、少なくない大学が高等専門学校の卒業見込み者を対象とした編入学の定員を設けています。
そして最後の1つが、それまでの教育の成果を活かして就職することです。高等専門学校の卒業者は、工業・技術系企業で高く評価されており、多くの求人が寄せられます。就職希望者の就職率は、毎年ほぼ100%です。

まとめ

将来エンジニアなどとして活躍する目標がある場合、高等専門学校への進学は最適な選択になるでしょう。しかし、まだ進路が決まっていない中学生にとっては、選択肢に幅のある一般の高校進学のほうが、将来の可能性を広げられるかもしれません。

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