中学生連立方程式はどう解く?小数を含む式や文章題もチェック

連立方程式の解き方が分からなくて、悩んでいる中学生は多いのではないでしょうか。一見すると難しく思える連立方程式も、2つの解法と計算の手順を覚えるだけで解きやすくなります。本記事では、連立方程式の定義や計算方法を詳しく解説します。分数・小数が含まれる問題や文章題も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

連立方程式の計算に使う「2つの解法」

連立方程式は、左辺と右辺が「=」でつり合っている方程式の仲間です。以下の例のように、「2種類以上の文字が入った方程式を、複数組み合わせている」のが特徴です。

【連立方程式の例】
x+y=5
x−y=3

連立方程式の計算には、「加減法」か「代入法」を使います。それぞれの特徴と、計算方法を確認しましょう。

足し算・引き算で片方の文字を消す「加減法」

「加減法」には、加法(足し算)と減法(引き算)の2種類があります。2つの方程式を計算し、「x=」または「y=」の形にする方法です。

【加法の場合】
「x+y=5」と「x−y=3」の連立方程式の場合は、「y」に注目します。「y」と「−y」なので、両者を足す(加法)とyが消えてxだけが残ります。

x+y=5…(1)
x−y=3…(2)

(1)+(2)

(x+y)+(x-y)=5+3
2x=8
x=4

xが4と分かったので、(1)または(2)の方程式に「x=4」を代入してyの値を求めます。(1)に代入すると「4+y=5」となり、「y=1」です。よって、答えは「x=4」「y=1」となります。

【減法の場合】
一方、「x+y=6」と「x+3y=16」のように、加法ではいずれの文字も消えない場合は減法(引き算)で計算します。減法の際には、「引く側の方程式の正負が変わる」点に注意しましょう。

x+y=6…(1)
x+3y=16…(2)

(1)−(2)

x+y=6
−(x+3y=16)

x+y=6
−x−3y=−16
-2y=-10
y=5

yが5と分かったので、加法と同じように(1)または(2)の方程式に「y=5」を代入します。(1)に代入すると「x+5=6」で、「x=1」になります。よって、答えは「x=1」「y=5」です。

なお、連立方程式で求めたxとyの値は、(1)と(2)の両方で成立します。答えを求めた後にそれぞれの方程式にxとyの値を代入して、左辺と右辺がつり合うかを確認しましょう。

片方の式を変形する「代入法」

「代入法」は、片方の方程式を「x=」か「y=」の形に変形するのが特徴です。変形した式をもう片方の式に当てはめて、1つの文字を消します。以下の連立方程式を使って、代入法の解き方を解説します。

【連立方程式の例】
x+2y=7…(1)
x+y=−2…(2)

(1)を変形し、yの値を求める方法を考えてみましょう。
(1)を「x=」に変形すると、「x=−2y+7」になります。この「x=−2y+7」を(2)に代入し、yの値を求めます。

【代入後の式】
(−2y+7)+y=−2
-y=-9

計算すると、「y=9」になります。yの値を求めた後の流れは、加減法と同じです。(1)または(2)に「y=9」を代入して求められるxの値は−11なので、答えは「x=−11」「y=9」です。

パターン別!連立方程式の例題と解説

連立方程式の問題は基本的に、解き方が決まっています。よく出題されるパターンの例題を使い、解法のポイントと計算の流れを説明します。

係数が異なる場合

【問題例】
次の連立方程式を解きなさい。

2x+3y=10…(1)
x−2y=5…(2)

〈解説〉
係数が異なる場合には、「最小公倍数」で統一するのがポイントです。係数とは、2xの「2」、3yの「3」など文字にかけられる数字を指し、1の場合は省略する決まりです。
(1)のyが正の数、(2)のyが負の数になっているので、「加減法」を使ってyを消します。yの係数が3と−2なので、最小公倍数は6です。yの係数を6にするために、(1)を2倍、(2)を3倍します。

(1)×2…2(2x+3y=10)
(2)×3…3(x−2y=5)

それぞれ計算すると、

4x+6y=20
3x−6y=15

になり、両者を足すと「7x=35」です。両辺を7で割って「x=5」になります。
「x=5」を(1)に代入して求められるyの値は0です。よって答えは、「x=5」「y=0」です。

小数が含まれている場合

【問題例1】
次の連立方程式を解きなさい。

0.2x+0.3y=0.7…(1)
0.3x−0.2y=0.4…(2)

〈解説〉
係数が小数の場合は、整数に直して計算しましょう。この場合は(1)と(2)をそれぞれ10倍することで、整数に直せます。

2x+3y=7…(3)
3x−2y=4…(4)

整数に直した後は、最小公倍数を見つけてどちらかの文字を消します。加減法でyを消す場合には、(3)を2倍に、(4)を3倍します。

(3)×2…2(2x+3y=7)
(4)×3…3(3x−2y=4)

それぞれ計算すると、

4x+6y=14
9x−6y=12

になり、両者を足すと「13x=26」です。両辺を13で割って「x=2」になります。
「x=2」を(3)に代入すると、yの値は1だと分かります。よって答えは、「x=2」「y=1」です。

文章題の場合

【問題例】
1枚100円のクッキーと、1枚150円のチョコレートを合わせて8枚買ったところ、代金は950円でした。購入したクッキーとチョコレートの枚数を、それぞれ求めなさい。

〈解説〉
文章題では「問われている数を文字で表す」のがポイントです。この場合は、購入したクッキーの枚数をx、チョコレートの枚数をyと表します。

次に、xとyを使って式を立てます。「クッキーとチョコレートを合わせて8枚買った」「代金は950円でした」という問題文から、2つの方程式が作れます。

x+y=8(枚数の関係式)…(1)
100x+150y=950(代金の関係式)…(2)

この場合は、(1)を「x=8−y」に変形し、(2)に当てはめる代入法がスムーズでしょう。代入後の式は「100(8−y)+150y=950」で、計算すると「y=3」になります。yの値を(1)に代入すると、「x=5」だと分かります。よって、「(購入した)クッキーは5枚、チョコレートは3枚」です。

既習学習の振り返りで、連立方程式の計算を楽に

中学2年生で学習する「連立方程式」は、3年生の「二次方程式」につながる重要な単元です。方程式に限らず、数学は積み重ねの教科なので、既習事項の振り返りが成績アップにつながります。

個別指導塾の「城南コベッツ」では、学習の理解度に合わせて授業を進めてもらえます。中学1年生の内容はもちろん、小学校のかけ算や割り算、分数・小数などの復習も可能です。数学に苦手意識がある人は、ぜひ「城南コベッツ」の無料学習相談を受けてみてください。

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