城南コベッツ鵠沼海岸教室

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2023.12.07

スマホ社会の今、若者は動画やゲームの画面に熱中し、用事は絵文字を含む超短文メールで済ます。時間を割いて他人と会って話すのは「タイパが悪い」と主張する。
このような世相を反映した内容の「日本人なのに何故か日本語が通じない」「年配者なら知っている言葉を若者は知らない。だからコミュニケーションが成立しない」という記事の一部を紹介します。

世代が大きく離れた者同士が実際に交わしたこんな会話があります。
①上司(年配者)と部下(若者)の会話
上司:「出張お疲れ様。一日延びたから足が出たんじゃないか」
部下:「はい、急遽取った宿の布団が小さく、足先が出てよく眠れませんでした」

②大至急の原稿仕事をこなしたライター(年上)が廉価の支払書を若い編集者に渡された時の会話
ライター:「あのう、もう少し色をつけていただけると嬉しいのですが」
編集者:「白い紙ではダメですか」

何ともおかしなチグハグさが生じています。
①の「足が出る」は、「予算をオーバーする」という意味。
②の「色をつける」は、「金額を上乗せするなどをして、相手に感謝や誠意を示す」という意味。
かつてなら当然のように通じた日本語(慣用句)が、空回りすることが多くなっています。
日本語は物事をズバリ言い表さずに、婉曲に言おうとする特徴があります。
特に少し言いづらかったり、言葉を少し和らげたりしたい時は、その傾向が見られるようです。
たとえば次のように
●「どうにも首が回らない」⇒お金がなくて困っている、という窮状をあからさまに言えずに。
●「たまたま耳に挟んだもので」⇒聞こうとしていたわけでなく、ふと聞いてしまった言い訳として。
しかし、スマホの短いメール文字だけで要件を済ます昨今、ただでさえ文字数が増える言い方を若者たちがするはずがなく、またこうした言葉に接したことがない若者が多く存在しています。

語彙数を身の回りから削ぎ落していくと、生きるための説明力や相手に対する理解力などが劣っていきます。
「国語の重要性と、若者に日本語が通じない現象(1)」にも記しましたが、文部科学省の提言にあるように「国語は個人が社会の中で生きていく上で欠かすことのできない役割」を担っています。国語力を磨き、人間としてあるいは日本人としての根幹に関わる重要なものとして身に付けたいものです。