中学生素因数分解ってどんなもの?基本の手順と練習問題を解説
中学1年生で学習する「素因数分解」に、頭を悩ませている方は多いのではないでしょうか。出題パターンの決まっている素因数分解は、基本の手順を押さえるだけで点数アップが期待できる単元です。
この記事では、素因数分解の定義から答えを出す手順などを解説します。練習問題も紹介するので、学習にお役立てください。
素因数分解は、自然数を「素数のかけ算で表す」こと

素因数分解は、ある自然数を素数のかけ算で表すことです。自然数は「1・2・3」など、ものを数えるときに使う数です。正の整数のため、小数や分数は含まれません。
「素数」とは、2・3・5・7・11・13のように、「1とその数自身でしか割り切れない数」を指します。なお、1と0は素数に含まれない点に注意しましょう。
例えば「6」は、1と6(その数自身)以外に2・3でも割り切れるため、素数とはいえません。
ここからは「8」を例に、素因数分解の基本的な流れを解説します。
割り切れる素数を見つけ「割り切れなくなるまで」割る
割れる素数を探す際は、小さい順に試していくのがポイントです。1を除いた最も小さな素数は「2」なので、2で割り切れるかを考えます。8は2で割り切れるため、8の横に「2」を、下には「8÷2」の答えの「4」を書きます。
2)8
4
素因数分解の際にも、割り算の筆算と同じように、数字の左横に「丿」を書きます。なお、「=」を示す直線は数字の下に引きましょう。
「4」は2で割り切れるため、4の横に「2」を、下には「4÷2」の答えの「2」を書きます。
2)8
2)4
2
2は素数のため、これ以上は割り切れません。
「素数のかけ算」や「指数」で表す
割り切れるまで割った後には、素数をかけ算で表します。「8」を素因数分解すると、「2×2×2」と表せます。
なお「8」のように同じ素数が複数回登場する数では、「指数」を使う点も覚えておきましょう。指数とは、同じ数を複数回かけ合わせる計算を、シンプルに表すための記号です。「2×2×2」は「2を3回かけている」ため、「2³(2の3乗)」と表します。2の右上に小さく書かれた数字(この場合は3)が、指数です。
よって、「8」を素因数分解すると「2³」になります。
素因数分解の練習問題と解説

素因数分解の基本的な流れは「割り切れる素数を見つける」「割り切れなくなるまで割る」「素数のかけ算や指数で表す」の3段階です。ここからは、2けた・3けた・4けたの数(正の数)を使って、素因数分解の流れを解説します。
2けたの数の場合
【問題例】
18を素因数分解しなさい。
〈解説〉
1番小さな素数の「2」で割れるかを検討します。「18」は偶数(2の倍数)なため、2で割り切ることが可能です。偶数の場合は「2」から、奇数の場合は「3」から試すとスムーズでしょう。
18の横に「2」を、下には「18÷2」の答えの「9」を書きます。
2)18
9
「9」は「2」では割り切れないため、次に大きい素数「3」で割り切れるかを考えます。「3」なら割り切れるため、「9」の横に「3」を、下には「9÷3」の答えの「3」を書きます。
2)18
3)9
3
これ以上は割り切れないため、「2×3×3」と表せます。ただ「3」が2回かけられているので、指数を使って「2×3²」と表現できます。
よって、答えは「2×3²」です。
3けたの数の場合
【問題例】
252を素因数分解しなさい。
〈解説〉
「252」は偶数なので、252の横に「2」を、下に「252÷2」の答えの「126」を書きます。
2)252
126
「126」も偶数なため、126の横に「2」を、下には「126÷2」の答えの「63」を書きます。
2)252
2)126
63
「63」は奇数なので、「3」で割り切れるかを試してみましょう。「3」で割り切れるため、63の横に「3」を、下には「63÷3」の答えの「21」を書きます。
2)252
2)126
3)63
21
「21」は3の倍数なので、21の横に「3」を、下には「21÷3」の答えの「7」を書きます。
2)252
2)126
3)63
3)21
7
これ以上は割り切れないため、「2×2×3×3×7」と表します。「2」と「3」が2回ずつかけられているので、それぞれに指数を使った「2²×3²×7」が答えです。
4けたの数の場合
【問題例】
1281を素因数分解しなさい。
〈解説〉
数が大きくなっても、考え方は同じです。「1281」は奇数なので、「3」で割り切れるかを考えます。「3」で割り切れるため、1281の横に「3」を、下には「1281÷3」の答えの「427」を書きます。
3)1281
427
「427」は「3」では割り切れないので、次に大きな素数「5」を試します。「5」でも割り切れないため、その次に大きな素数「7」を検討します。「7」で割り切れるので、427の横に「7」を、下には「427÷7」の答えの「61」を書きます。
3)1281
7)427
61
「61」はその数(61)か「1」でしか割り切れないため、素数といえます。
よって答えは、「3×7×61」です。
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