反町教室のメッセージ
数学のはなし(その5) 和算
2021.12.08
こんにちは。城南コベッツ反町教室・東前です。
ちょっと間があきましたが、今日は数学のおはなしです。今回は「和算」についてです。
和算ってきくと、和の算数だから足し算のように見えますが、「江戸時代の日本の数学」を表すことが一般的です。明治になって西洋から入ってきた数学を「洋算」といって、それと日本の数学と区別した表現が「和算」です。
日本の数学というと、「関孝和」が多分一番有名なように思います。私の記憶では、高校までの教科書に出てきたのは、関孝和だけだったように思います。
関孝和は1700年ごろの方です。生年は明らかになっていませんが、1708年になくなりました。では、それ以前に日本に数学がなかったかというと、もうちろん、そんなことはありません。
万葉集の句に「二八十一」と表記して「にくく」と読むものがあります。「二」は「に」ですが、「八十一」を「くく」と読ませています。つまり「9×9=81(くくはちじゅういち)」ということですね。すでに「九九」が日本に広まっていた証拠です。
和算は中国の影響を受けています。中国には漢(紀元前206年~西暦220年)の時代にすでに数学書がありました。それには、比例や反比例、ピタゴラスの定理などが書かれています。日本は7世紀以降に遣隋使や遣唐使を送ります。それによって、中国の文化が日本に入ってきましたが、数学もその中にあったようです。
701年に制定された「大宝律令」には「算博士」や「算師」と呼ばれる官職が決められていました。「算博士」は律令制の大学寮の官人で、算術の教授をつかさどる人でした。「算師」は律令制において計数を管理する(入ってくる税とその支出を計算する)官職でした。「算博士」は「算師」の先生でもありました。
実はその後、数学が日本でどのように発展したのかについては、記録が少ないようです。江戸時代にはそろばんもありましたが、いつ日本に伝わったかについては、記録がありません。そして、江戸時代に和算は飛躍的に発展します。
江戸時代のお話については内容が多いので、次回にしたいと思います。
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ちょっと間があきましたが、今日は数学のおはなしです。今回は「和算」についてです。
和算ってきくと、和の算数だから足し算のように見えますが、「江戸時代の日本の数学」を表すことが一般的です。明治になって西洋から入ってきた数学を「洋算」といって、それと日本の数学と区別した表現が「和算」です。
日本の数学というと、「関孝和」が多分一番有名なように思います。私の記憶では、高校までの教科書に出てきたのは、関孝和だけだったように思います。
関孝和は1700年ごろの方です。生年は明らかになっていませんが、1708年になくなりました。では、それ以前に日本に数学がなかったかというと、もうちろん、そんなことはありません。
万葉集の句に「二八十一」と表記して「にくく」と読むものがあります。「二」は「に」ですが、「八十一」を「くく」と読ませています。つまり「9×9=81(くくはちじゅういち)」ということですね。すでに「九九」が日本に広まっていた証拠です。
和算は中国の影響を受けています。中国には漢(紀元前206年~西暦220年)の時代にすでに数学書がありました。それには、比例や反比例、ピタゴラスの定理などが書かれています。日本は7世紀以降に遣隋使や遣唐使を送ります。それによって、中国の文化が日本に入ってきましたが、数学もその中にあったようです。
701年に制定された「大宝律令」には「算博士」や「算師」と呼ばれる官職が決められていました。「算博士」は律令制の大学寮の官人で、算術の教授をつかさどる人でした。「算師」は律令制において計数を管理する(入ってくる税とその支出を計算する)官職でした。「算博士」は「算師」の先生でもありました。
実はその後、数学が日本でどのように発展したのかについては、記録が少ないようです。江戸時代にはそろばんもありましたが、いつ日本に伝わったかについては、記録がありません。そして、江戸時代に和算は飛躍的に発展します。
江戸時代のお話については内容が多いので、次回にしたいと思います。
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