反町教室のメッセージ
数学のはなし(その9) ユークリッド
2022.01.06
こんにちは。城南コベッツ反町教室・東前です。
今回は数学者の「ユークリッド」について書いてみたいと思います。
大学で数学を勉強すると、ユークリッド幾何学という言葉に必ず出会います。高校では「ユークリッドの互除法」が出てきます。2つの自然数の最大公約数を求めるやり方ですね。
私たちは「ユークリッド」と呼んでいますが、これは英語で書かれた時の読み方です。ギリシャ語の読み方では「エウクレイデス」となります。古代エジプトの数学者であり、天文学者です。アレクサンドリアで数学を教えていました。紀元前330年頃から紀元前275年頃に生きていた方ですが、生まれた年も亡くなった年もはっきりしていません。
ユークリッドは数学史上最も優れた著作の1つである、いわゆる「ユークリッド原論」の著者です(著作物の名称としては「原論」が正確です)。この著作がどれくらい優れていたかというと、19世紀末から20世紀初頭まで数学の教科書として使わていたんです。2000年以上も教科書であり続けるぐらい凄かったんです。
原論に素晴らしい発見がいっぱい書いてあったことが凄さの原因かというと、そうではありません。原論に書かれているのは、ユークリッド以前に数学者の成果なんです。ユークリッドはそれらをまとめました。なんだ、編集しただけでえらいのか...いや、そうではありません。ユークリッドはそれらの成果を厳密に数学的に証明したんです。
中学になると数学に証明問題が出てきます。図形の合同の証明だったり、相似の証明だったり、倍数の証明だったり。高校生になると、背理法や数学的帰納法がでてきたりして、苦手な人が多いですね。
でも、数学って証明して正しいから使えるわけです。正しいものの組み合わせで数学は成立しています。なので、証明は大事なんです。そんなことを2000年以上前にユークリッドは厳密にやったわけですね。
原論に幾何学が多く書かれいてたことからユークリッドは「幾何学の父」と呼ばれています。そして、幾何学自体が「ユークリッド幾何学」と呼ばれたりします。しかし、19世紀になると「非ユークリッド幾何学」が発見されます。幾何学はいろいろな体系が可能なことがわかり、ユークリッド幾何学に不足している公理があることがわかります。ユークリッドにも考え不足があったということですね。
それでも、名前を消されるわけではなく、別の体系が「非ユークリッド」幾何学と呼ばれるくらい、ユークリッドは素晴らしいということですね。
ちなみに、原論には幾何学以外も記述されていて、ユークリッドの互除法も出てきます。計算がちょっとややこしいやつですね。2000年以上前の発見が21世紀の高校生を苦しめています(笑)。
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今回は数学者の「ユークリッド」について書いてみたいと思います。
大学で数学を勉強すると、ユークリッド幾何学という言葉に必ず出会います。高校では「ユークリッドの互除法」が出てきます。2つの自然数の最大公約数を求めるやり方ですね。
私たちは「ユークリッド」と呼んでいますが、これは英語で書かれた時の読み方です。ギリシャ語の読み方では「エウクレイデス」となります。古代エジプトの数学者であり、天文学者です。アレクサンドリアで数学を教えていました。紀元前330年頃から紀元前275年頃に生きていた方ですが、生まれた年も亡くなった年もはっきりしていません。
ユークリッドは数学史上最も優れた著作の1つである、いわゆる「ユークリッド原論」の著者です(著作物の名称としては「原論」が正確です)。この著作がどれくらい優れていたかというと、19世紀末から20世紀初頭まで数学の教科書として使わていたんです。2000年以上も教科書であり続けるぐらい凄かったんです。
原論に素晴らしい発見がいっぱい書いてあったことが凄さの原因かというと、そうではありません。原論に書かれているのは、ユークリッド以前に数学者の成果なんです。ユークリッドはそれらをまとめました。なんだ、編集しただけでえらいのか...いや、そうではありません。ユークリッドはそれらの成果を厳密に数学的に証明したんです。
中学になると数学に証明問題が出てきます。図形の合同の証明だったり、相似の証明だったり、倍数の証明だったり。高校生になると、背理法や数学的帰納法がでてきたりして、苦手な人が多いですね。
でも、数学って証明して正しいから使えるわけです。正しいものの組み合わせで数学は成立しています。なので、証明は大事なんです。そんなことを2000年以上前にユークリッドは厳密にやったわけですね。
原論に幾何学が多く書かれいてたことからユークリッドは「幾何学の父」と呼ばれています。そして、幾何学自体が「ユークリッド幾何学」と呼ばれたりします。しかし、19世紀になると「非ユークリッド幾何学」が発見されます。幾何学はいろいろな体系が可能なことがわかり、ユークリッド幾何学に不足している公理があることがわかります。ユークリッドにも考え不足があったということですね。
それでも、名前を消されるわけではなく、別の体系が「非ユークリッド」幾何学と呼ばれるくらい、ユークリッドは素晴らしいということですね。
ちなみに、原論には幾何学以外も記述されていて、ユークリッドの互除法も出てきます。計算がちょっとややこしいやつですね。2000年以上前の発見が21世紀の高校生を苦しめています(笑)。
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