北小金教室のメッセージ
デジタル併願制って?|個別指導の塾 城南コベッツ北小金教室
2025.06.12
高校入試のデジタル併願制
4月下旬に石破総理が「公立高校入試における単願制度の見直しの検討」を指示し、文科省の阿部大臣が「デジタル併願制のメリット、課題について整理検討する」と発表しました。なんだか突然出てきて、ふわっと消えてしまいそうな話です。※別に石破総理が発案したわけではない
★デジタル併願制とは
簡単に言うと、現在公立高校は一人1校しか受験できない単願制だが、「試験は1回で、複数の公立高校に志望順位をつけて出願できる」併願制受験のこと(大学入学共通テストに近いイメージ)。
試験の点数等で合格ラインをクリアしている学校のなかで、最も志望順位の高い学校(のみ)に合格となる。選別は「受入保留アルゴリズム」という経済学のマッチング理論で瞬時に合格校が決定する(コンピューターが行うので、ここに人は介在しない)。
※すでに公立併願制を実施している兵庫・愛知とは方式が異なる
メリットは
・受験生の進学機会の拡大(公立受験のハードルが下がる)
・不合格者の私立流出(特に上位校)を防ぎ、最終的に定員割れの学校に配分されることになる(2次募集が減少する)
・入試制度の公平性と透明性の向上(学力検査優位なので)
・出願時のヒューマンエラーがあってもダメージが少ない(かも)
・一発勝負ではないので受験生の心理的負担の軽減(これは大きい)
・入試業務の効率化で職員の負担が軽減されるはず
・学力検査優位なので公立上位校のレベルが維持される
...など
デメリットは
・優先順位があるとはいえ自動的な割り振りなので、不本意入学になることもある
・学力優位になるので高校の序列化が一層進む
・公立上位校以外は2番手からレベルがUPしてしまう(上から学力上位者が降りてくるので)
・各高校の内申点の扱いに対する公平性の担保
・進路選択を通じた生徒の成長機会を失う(単願時のような志望校を決断する努力や意味がなくなる)
・高校受験が比較的にイージーになり、中学校や学習塾の向上心へ指導が困難になる
・私立高校の併願者の歩留率が低下し、単願者を多くとるしかなくなる
・私立高校の多様な教育機会や選択肢が失われる恐れがある
・学習塾はそこまで必要性がなくなるかも( ;∀;)
導入するためには
・高校の学校設定検査内容を統一する必要性がある(特に実技)
・試験の採点基準の統一(記述解答の部分点の基準など)
・志望校は何校まで指定可能にするのか(併願制実施の兵庫と愛知は2校まで)⇒無制限にしても結果は変わらないと思うが・・・
・第1志望者をどの程度優先させるのか
・導入に抵抗する私立高校への対応(不人気校は淘汰される?)
...など
このデジタル併願制を検討しているのは「デジタル行財政改革会議」の、「デジタル行財政改革戦略チーム」です。そのメンバーに熊谷俊人 千葉県知事が参加しているので、ひょっとしたら千葉県は導入に手を挙げるのかも。令和9年度から導入のウワサが。。。。。