こんにちは。
『令和7年度学力検査問題社会の解説』を行います!
分析の前にまずは!
「今回の入試に絶対でる」と確信していた問題(分野)がありました。
生徒にも入試前にここは出る!と宣言したところ、、、、
「出題されました!」(内心ほっとしました・・・。)
まずはその問題を解説!
大問4の問3
『普通選挙法』が選択肢問題で出題されました!
治安維持法か普通選挙法(もしくは加藤高明内閣)
どちらかは絶対に出ると思っていました。
なぜか、わかりますか?
そうです!
この2つの法律は『1925年』に制定、公布されました。
今年はちょうど『100周年』にあたります。
その関連で狙われるだろうと考えていました。
〇〇周年が狙われるのは、正直「大学受験」の方が圧倒的に多いですが、
高校受験でも強く意識してほしいです。
「たった1問じゃないですか!」
「そもそも選択問題で、今回は選びやすいから関係ない!」
という意見が聞こえてきそうです。
気持ちはわかります。
ただ、「1925年」に関する語句を覚えるだけでは、
それは歴史の勉強としては非効率です。
実際には、問3に出てくる「政党政治の発達」に関する表を
きちんと説明できるように、
流れを説明できるようにするのが「歴史の勉強」で、
高得点を獲得する一つの手段です。
前後の流れがどうだったかをしっかり理解することが大切です。
これが「歴史の勉強」のおもしろさだと思います!
では大問1からの解説です!
長くなるのでさらっと内容を解説します。
(内容の間違いや誤字がありましたらすいません)
大問1 世界地理
問1 大陸名(南アメリカ大陸)
→「主要な国名とその位置」「海洋名」も合わせて覚えておきましょう。
(案外忘れがちです。)
問2 気候と暮らし
→カードⅠの気候が「地中海性気候」とわかれば難しくないですね。
問3 サウジアラビアの人口に関する記述
→「問題文の読み取り」に注意。何を書けばいいか必ずチェックすること。
・「出かせぎ労働者」という語句を使う
(使うだけではなくこれに関連したことを書く)
・グラフ1:外国人人口がどのように変化しているか
(増加している)
・グラフ2:読み取れることを書く
(南アジアなどの周辺地域からの出稼ぎが多い。)
以上をまとめるだけです。
難しそうですが、読み取りができればそれで文章が作れます。
問4 資料の読み取り
→生徒には「サービス問題」と話します。
社会の知識が必要ありません!
時間をかけて見直し、絶対に正解してほしい問題です。
ただし、算数の計算が必要になることもあります。
大問2 日本地理
問1 知識問題(扇状地)
→「川が山間部から盆地」「果樹栽培」とセットで理解、
もちろん三角州についても同様に。
問2 雨温図
→基本的な雨温図の問題です。
丁寧に地図に場所が記載されていますので解きやすかったですね。
他にも「北海道」「瀬戸内」「南西諸島」の雨温図も確認しておきましょう。
回は出題されていませんが、
大問1で雨温図が出題されるときは世界の雨温図です。
問3 資料の読み取り
→こちらは世界地理バージョンと違ってある程度の知識が必要になってきます。
教科書や資料集に掲載されているこういった資料には目を通しておくことが大切です。
このような出荷額関係の資料が出たときは、
「各項目の1位(もしくは最下位)」にチェックをいれましょう。
ある程度予想できます。
特に「印刷業→東京」「米(a)は新潟」である程度絞れてしまいます。
問4 資料の読み取りと会話文
→Qは知識問題です(近畿地方にある県を答える)
歴史でも出題されますが、
都道府県と県庁所在地、その場所に関しては必ず覚えましょう。
(国名同様、忘れがちです)
→Rは、資料の読み取りです。
愛知県が近畿地方ではないことがわかれば記述できます。
問5 地形図
→最近よく出題される写真を見て、場所を探す問題です。
・②の文章で説明されている地図記号さえわかればすぐに解答できます。
地形図はこの他に「方角」「地図上の1cmは何m」「等高線の読み取り」を
基本として学習しましょう。
大問3 歴史(江戸時代まで)
問1 資料問題
→一見難しそうですが、知識がなくとも正解できそうです。
「高句麗が邪魔をする」
「激励してください」とあるので選択肢を絞れます。
教科書に掲載されている資料は、普段から意識して読んでおきましょう。
問2 記述問題
→「三世一身法」「墾田永年私財法」の内容がわかれば基本的には記述できます。
どちらの法律がわからなくても実は記述できます。
資料2だと「やる気が起きない」資料3だと「やる気が起きる」のはなぜかと
聞かれているので、2つの法律の違いを見つけて記述して下さい。
問3 時代の正誤問題
→Ⅰ~Vの時代が何時代か、必ず確認して下さい。
歴史の勉強では、
特に江戸時代までは
「①何時代に(時代の順番も言えるように)②誰がいて③何をしたのか」を
最初に理解して下さい。おおまかで構いません。
これを覚えたあとに細かい出来事を肉付けしていきましょう。
ここでは平安時代とわかれば、
選択肢はすぐに見分けることができます。
また、勉強するときは他の選択肢が「何時代」なのかも必ず言えるようにして下さい。
問4 文化史
→これも問3と同じ考え方です。
「①何時代に(時代の順番も言えるように)②何文化があって③文化の特徴④代表人物と作品」を
おおざっぱに学習して下さい。
そしてできれば教科書や資料集で作品は見ておきましょう。
問5 世界史
→勉強が不足になりがちな単元でありますし、
そこまで多く出題されないですが、覚える量が多いところです。
(私は大好きなので、ぜひたくさん出題してほしいです。)
基本事項をしっかりと演習しましょう。
その際に大切にしてほしいのが、
「どこの国で」「何世紀ころ」「そのとき日本は何時代か」を必ず確認して下さい。
日本史との絡みで出題されやすいです。
大問4 歴史(明治時代以降)
問1 文化史
→明治以降の文化はなかなか勉強しにくいですが、
出題される人物は限りがあります。
特徴として時事問題に関連する人物は出題されやすいと思います。
例えばお札に掲載された人物などです
。ちなみに大河ドラマに関してもその関連人物や出来事は理解しておきましょう。
問2 戦争と条約、場所に関する問題
→「江戸時代まで」は「人物」が主役になりますが、
「江戸末期以降」は「国・地域」が主役になります。
おおまかな流れとしては「戦争」に着目します。
「戦争」「条約」「戦争の影響」に関してまずはしっかりとまとめてみてください。
そこに細かく出来事を肉付けしていきましょう。
問4 資料の読み取り
→どちらかと言えば、知識を要する資料問題です。
方針は立てやすい問題だとは思います。
「世界恐慌」という語句が必須ですが、
大問の最初の表には「1929年」という記載があるため、
失業率が上がった原因として捉えることができます。
問題は資料2をどう使うかです。
「ニューディール」という言葉をそのまま使用しても構いませんが、
それが何なのかを知識として入れておく必要があります。
キーワードは「公共事業」です。
この問題とは関係はありませんが、
「ブロック経済」に関しても内容まで説明できるようにしておきましょう。
問5 経済史
→戦後経済についての選択問題です。
経済史は苦手にする生徒も多いかと思いますが、
基本語句やキーワードに着目すれば、消去法で選択もできます。
ア:富岡製糸場の時点で誤り。
イ:財閥の時点で誤り。
ウ:鉄道の開通なので誤り。
(新橋―横浜ではないので、一瞬焦りますが、
戦後にならないと神戸までつながらないのか?と考えると誤りだとわかります。)
大問5 公民
問1 条文穴埋め問題
→特に難しいことはないですが、
条文に入る語句はできるだけ「条文記載のまま記述」しましょう。
つまり漢字であれば漢字で書けるように練習して下さい。
問2 衆議院の優越
→なんと正解が3つありますので、少し不安になる問題です。
衆議院の優越に関しては、その流れがよく出題されます。
「なぜ衆議院が優越するのか」
「どんなときに優越するのか」
「その方法」はセットで答えられるようにしましょう。
また、公民では「数字」がよくでてきます。
紛らわしいですが、出てきた数字は確実に覚えましょう。
問3 民事裁判
→民事裁判と刑事裁判の違いを理解しているかが問われます。
確実に「ア」が正解だと自信をもって言えますので、
変に悩んでしまうと疑心暗鬼になりそうです。
細かいところまで違いをしっかりと理解しましょう。
それ以外にも控訴や上告での裁判の流れに違いが存在します。
問4 地方自治
→地方自治に関する基本をおさえることはもちろんですが、
「法」とは何かということまで問われている問題です。
「語句」を覚えることはもちろん、
その中身もしっかり理解したいです。
問5 価格の決まり方
→資料の読み取りに感じますが、
価格決定に関する基本がわかっていれば、
「天候不順」という要素から、
「供給量の減少と価格上昇」がすぐに判断できると思います。
それがわかればグラフもすぐに判別できます。
問6 日本銀行のしくみ
→これは基本問題です。
問7 貧困問題
→世界の主要課題に興味をもつようにしましょう。
いわゆる時事問題などはよく狙われます。
ただし今回の問題は基本語句です。
【トピック】公民に関して
学校によっては、入試直前まで教科書内容を実施したり、
そもそもかなり省略して実施することもあります。
(歴史と比べていきなりスピードが上がることも。)
学校によりますが、
北辰テストの公民範囲に追いつかないこともあります。
受験に際しては、
先に教科書を読み込んだりしておくなど対策をし(特に黒字の語句)
特に高得点を取りたい場合には演習も先取りしておくようにした方が有利です。
基本的な内容が問われやすいので難しく考えずに取り組んでみてください。
大問6 テーマ・融合問題
問1 時代把握
→それぞれの選択肢が何時代なのかを把握していれば難しくはありません。
問2 経済・環境問題
→公民の経済分野なイメージもありますが、
地理分野の基本語句です。
地理分野での「世界の国々の特徴(〇〇州)」
「日本の各地方の特徴(〇〇地方)」は
受験期にはあまりふれないことも多い印象があります。
それでも基本語句はしっかり学習しておきましょう。
問3 労働問題
→適切な文章はどれかに関しての選択問題です。
「非正規雇用」が何かがわかれば恐れる問題ではありません。
ただ公民に出てくるカタカナ用語は、
問題で見るたびに自分のものにして下さい。
また例も挙げられるようにしておくとさらに理解が深まります。
問4 資源管理の資料・記述問題
→文章が長いため「大変!」となりそうですが、
きちんと文章を読めば、特に選択問題は1つしか選べません。
漁獲量に関して述べていますので、選択肢は限られます。
また記述も同様です。
ここまで読んでいただきありがとうございます!
いかがでしたでしょうか。
「基本」という語句をあえてたくさん使用しました。
そうです。社会は「基本」さえつかめたら高得点が狙えます!
今回は解説に重きをおいたので、
勉強方法などはまた別の機会に述べたいと思いますが、
やればやるだけ得点できる教科だと思います。
そしてぜひ楽しみながら勉強してほしいです。
コベッツでも社会の授業を実施しています。
お困りの際はぜひお気軽にご相談下さい!