東船橋教室のメッセージ
「1あたりの量」を捕まえれば、比例の文章題は驚くほど楽になる
2026.01.30
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「比例の問題は公式に当てはめるだけ」
もしそう考えているとしたら、それは非常にもったいないことです。
比例の本質は、公式 y = ax を覚えることではなく、
「1あたりの量(変化のルール)」を正しく見抜くこと
にあります。
ここを意識できているかどうかで、文章題の難易度は劇的に変わります。
【問題例】
3秒間に 120m 進むとき、同じ速さで進むと 5秒間では何m 進みますか。
この問題を、ただ「120 ÷ 3 × 5 = 200」という算数の解き方だけで終わらせず、
数学的な「比例の構造」として捉え直してみましょう。
なぜ「式は知っている」のに、解けないのか?
多くの学生が比例の文章題でつまずく原因は、計算力不足ではありません。
実は、以下の2つのステップを飛ばして、いきなり数字をいじり始めてしまうことにあります。
-
「何と何」が比例しているか把握していない: 問題文の中にある複数の数字のうち、どれとどれが連動して動いているのかが見えていない。
-
変数の「正体」を定義していない: x や y という文字が、具体的に「時間」なのか「道のり」なのか「重さ」なのかを決めずに計算を始めてしまう。
その結果、あてずっぽうに数字を掛けたり割ったりして、「なんとなく」で答えを出してしまうのです。
これでは少し問題のひねりが加わっただけで、すぐに立ち往生してしまいます。
差がつく「1あたりの量」の考え方
①変数 x , y をはっきりさせる
計算の前に、まず言葉で定義します。
- x:時間(秒)
- y:進む道のり(m)
「時間が経てば経つほど、道のりも増えていく」
という関係性が確認できれば、
ここで初めて
「これは比例の関係だから、 y = ax という設計図が使えるな」
と確信が持てます。
②比例定数 a を「1あたりの量」と捉える
比例の式にある a(比例定数)は、単なる数字ではありません。
今回の問題でいえば、「1秒あたりに進む道のり(=速さ)」を意味しています。
「3秒で 120m」という条件から、この「1あたりの量」をあぶり出します。
a = 120 ÷ 3 = 40
この「a = 40」こそが、この問題における絶対的なルール、
つまり「1秒につき 40m ずつ増える」という法則なのです。
③ルールを適用して計算する
ルール( y = 40x )が決まれば、あとは変数 x に好きな数字を入れるだけです。
今回は「5秒間」を知りたいので、x = 5 を代入します。
y = 40 × 5 = 200
答えは 200m となります。
「1あたりの量」を意識するメリット
なぜ、わざわざ「1あたりの量(比例定数)」を経由して考える必要があるのでしょうか?
それには2つの大きな理由があります。
1:複雑な問題でも迷わなくなる
例えば、「500円で 300g の肉を買ったとき、800g ではいくらか?」といった、
少し数字が複雑な問題。
「1g あたり何円か(500 ÷ 300)」
あるいは
「1円あたり何g か(300 ÷ 500)」
という「1あたりの量」を意識することで、何を何で割ればいいのかという混乱を防ぐことが
できます。
2:理科や日常生活への応用が効く
比例の考え方は、数学だけの世界ではありません。
- 理科の「密度(1cm³ あたりの質量)」
- 社会の「人口密度(1km² あたりの人数)」
- 料理の「1人あたりの材料分量」
これらはすべて比例の関係です。
数学で「1あたりの量」を意識する訓練をしておくと、他の教科や実生活でのデータの見方が
ガラリと変わります。
比例をマスターするための思考の順序
比例の文章題を解くときの「3ステップ」を体に染み込ませましょう。
- 「何と何」が比例しているか言葉にする(例:リンゴの数と、合計代金は比例する)
- 「1あたりの量(比例定数)」を求める(例:1個あたりの値段を出す)
- 求めたルール(式)に、知りたい数字を当てはめる
まとめ:比例は「関係を解き明かすカギ」
比例とは、単に x が2倍になれば y も2倍になる、というだけの現象ではありません。
それは、バラバラに見える「時間」や「道のり」という情報を、「1あたりの量(速さ)」という
共通のルールでつなぎ合わせる作業です。
- 公式を使う前に:x と y が何を表しているのか、その「正体」を掴む。
- 計算する前に:「1あたり(1秒、1g、1個など)どれぐらいか」を考える。
この視点を持つだけで、数字の羅列だった文章題は、筋道の通った論理的なパズルへと変わります。
「1あたりの量」を意識して、比例を完全に攻略しましょう。






