城南コベッツ都賀駅前教室

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2022.02.15

城南コベッツ都賀駅前教室です。

千葉県公立高校入試の志願変更前倍率が昨日発表されました。

今日はその倍率のうち1学区4学区の学校を見ていきましょう。

県千葉千葉東市立千葉幕張総合など上位~中堅校は倍率が1.7~1.5倍と前年より少し高めに出ています。

千葉西検見川千葉南千葉女子あたりも1.3~1.2倍程度とまずまずです。

一方で、千葉北磯辺今年定員が40人増加(数年前減ったものが元に戻った)したことにより1.1倍程度が続きます。

ただし、若松は1.21倍周辺のレベル帯の学校に比べると多少人が集中しています。

また、この地域で受ける人が多い第四学区も、佐倉は普通科1.63倍と変わらずの人気、理数が1.90倍昨年の1.4~1.5倍に比べ更に増加、成田国際は1月時点での1.8倍が少し落ち着き1.6倍と、昨年の志願変更前の1.18倍から再び人気が集中し始めた様子です。

四街道昨年の1.0倍から今年は1.3倍と狙う生徒さんが増えました。

四街道北今年定員が40人増えましたが1.12倍1月時点より少し人が増えました。

これらのことから、上位~中堅校以上は全体的に昨年より増加傾向、中堅~安全校は一部定員が増加したことにより緩和されながらもやはり人気どころは定員割れはあまり見られない状況となりました。

後は17、18日の志願変更により多少増減して志願者が最終決定24、25日試験本番となります。

上位~中堅校は多少動きが見られるはずです。

特に上位~中堅の丁度下くらいの学校は中堅校から生徒さんが流れてくるでしょう。

中堅~安全校は倍率が高めの学校から低めの学校へ変更の動きはあります。

自分の学校と近い偏差値の学校を見て、自分の志望校は人が流れてくる(増える)学校か流れる(減る)学校か見極めて判断しましょう。

しかし、志願変更は必ず出てきますが、ここまで学習してきた自分を信じて、残り10日を切った今、最後まで諦めず総仕上げに取り組みましょう!

2022.02.10

城南コベッツ都賀駅前教室です。

いよいよ千葉県公立入試まで残すところ2週間となりました。

この時期ともなると過去問を繰り返し解いて仕上げる段階ですが、ともすればおよそ問題の傾向も見えてきていることかと思います。
そうでなくとも、かなり頻繁に出される問題数年おきに出る問題全く見ない問題の区別は出来るはずです。

数学は大問1、2の配点が例年1問5点と大きいので、今は大問3や4の応用問題を追うより、落としたくない大問1,2に出てくる問題(特に統計、作図など)を正確に解けるよう詰める、などのセオリーはありますが、同様に最後の大詰めの鉄板があります。

理科、社会を詰めましょう。
理科社会は覚える箇所が多い分、英語や数学に比べ当日覚えていたいなかった、の左右で結果が動きやすいです。

更に、理科社会は理科:大問9、社会:大問7で構成されています。

うち、理科社会共に大問1は総合問題(小問集合)、
理科:化学分野2題、物理分野2題、生物分野2題、地学分野2題
社会:地理分野2題(世界地理、日本地理)、歴史分野(前近代史、近現代史)、公民(政治分野、経済分野)
となっています。

理科や社会は中学3年間で学習する内容が多岐に亘る分、一分野(化学や物理、世界地理や近現代史など)の内容が5種類ほどある中から1,2題出題されるということは、他の教科に比べ傾向を練って出題予想がしやすいということでもあります。

今日は社会と理科の問題傾向を見て予想を立てていきましょう。

まず社会は地理の地形図雨温図はかなり頻出の問題のため、確実に取れるように準備しましょう。
特に雨温図は世界地理、日本地理どちらの分野でも出題できる形式なので、世界地理ならば主要な気候区分(冷帯、寒帯、熱帯など)の特色と主要な地域(国)を把握し、地図上で示された地域がどの気候区分に属しているかを答えられるように、また国名も一緒に覚えられるとより良いです。
日本地理ならば、特に日本海側太平洋側、または地方ごとに特色のある都道府県の雨温図のデータを見てここは〇〇だ、と答えられるよう知識を入れておく必要があります。
データやグラフ問題も主要な地域の名産品興業資源を押さえて解けるようにしましょう。
経度緯度時差の問題も可能性は高いです。時差計算が苦手な生徒は今のうちに復習を。
ここ数年の大雨や自然災害に関連した問題も要注意です。

歴史では鎌倉時代の仏教、近代史では出来事が起こった順番に並べたり、ある出来事と出来事の間に起こったことを選択肢から選ぶ問題など、時系列の整理も重要です。
特に日清戦争第一次世界大戦のような戦争のきっかけとなった事件、または終結後の流れなどが時系列で問われたとき、正しい順番で答えられるよう整理しておきましょう。

公民は国会の仕組み、三権分立国会内閣裁判所それぞれが持つ権限などはここ数年出題されていないことからそろそろ出題されるかもしれません。

理科は、大前提として実験と観察に関連した問題が出題されています。
観察と実験で使われるもの、結果生じるもの、実験の注意点(なぜそのように実験、観察するのかの理由)は答えられるようにしておかなければなりません。
理科は4分野として
化学:気体の発生と性質、水溶液、物質の状態と状態変化、化学反応式、化学変化と物質の質量、水溶液とイオン、酸アルカリとイオン
物理:光、音、力と圧力、電流、磁界、運動の規則性(力のつり合い、速さ)、力学的エネルギー
生物:植物の体のつくりとはたらき、生物と細胞、動物の体のつくりとはたらき、動物の種類と進化、生物の成長と増え方、遺伝の規則性と遺伝子
地学:火山、地震、地層の重なりと広がり、気象観察・雲や霧の発生、天気の変化と日本の気象、天体の動きと地球の自転と交点、太陽系と恒星

とそれぞれ単元が分かれています。
このうちの各2題が出題されています。
そして、「去年出たから今年は出ないだろう」「ここ数年出ていないから今年はこれが出るだろう」という予想が付けやすいのが理科です。
ただし、2年連続出題されることもあるので去年出た単元が確実に今年出ないとも言い切れません。

去年(令和3年度)出題されたものが、
化学:水溶液(ミョウバン)、燃焼(酸化銅、マグネシウム)
物理:陰極線と磁界、仕事(浮力と仕事)
生物:植物の蒸散、自然界の繋がり(微生物)
地学:地層と火成岩、気象観察
これらの内容でした。

ここから予想を立てると、例えば
化学はイオン化学反応式気体や物質の状態変化が、
物理は電流力学的エネルギー
生物は動物(特に人間)のからだのつくりとはたらき、
地学は地震天文
などの出題の可能性があります。

あくまで予想は一例にすぎませんが、傾向を読んで予想を立てることが出題傾向の理解に繋がるので、解いた上でこれが出そうだ!とか考えて、今の自分に足りない部分を意識するのも大事です。
もちろん、新傾向が突然出る可能性もあるので、対応力は幅広く持ちましょう!


明日は教室で確認テスト!
受験生の子も早い時間に来て過去問、模試の過去問に、非受験生の子は学校のテスト範囲にあたるプリントを解いてもらいます!
受験生も非受験生もテスト間近です。最後の大詰めを一緒に頑張っていきましょう!

2022年1月2月イベント (2).jpg

2022.01.31

城南コベッツ都賀駅前教室です。

今日は新学習指導要領の数学編です。

まず、現行と改訂後の教科編成を見てみましょう。

旧課程→新課程(括弧内の数字は単位数)

数学Ⅰ (3)→数学Ⅰ (3)
数学Ⅱ (4)→数学Ⅱ (4)
数学Ⅲ (5)→数学Ⅲ (3)
数学A (2)→数学A (2)
数学B (2)→数学B (2)
数学活用 (2)→数学C (2)

数学活用が廃止され、代わりに数学C2012年度以来10年ぶりに再度新設されます。
数学活用の内容はそれぞれ数学A、B、Cに振り分けられたようです。

続いて、各科目で扱う内容を大まかに見ていきましょう。

数学Ⅰで取り扱う内容
 ① 数と式 ② 図形と計量 ③ 二次関数 ④ データの分析

数学Ⅱで取り扱う内容
 ① いろいろな式(三次の乗法公式、因数分解の公式、二項定理)
 ② 図形と方程式  ③ 指数関数・対数関数
 ④ 三角関数    ⑤ 微分・積分の考え 

数学Ⅲで取り扱う内容
 ① 極限    ② 微分法   ③ 積分法

数学Aで取り扱う内容
 ① 図形の性質   ② 場合の数と確率{期待値(平均値)}   
 ③ 数学と人間の活動(整数の約数や倍数、ユークリッドの互除法、二進法,平面や空間において点の位置を表す座標の考え方)

数学Bで取り扱う内容
 ① 数列   ② 統計的な推測(区間推定及び仮説検定)   
 ③ 数学と社会生活

数学Cで取り扱う内容
 ① ベクトル   ② 平面上の曲線と複素数平面   ③ 数学的な表現の工夫(工夫された統計グラフや離散グラフ、行列など)

現行の数学Bにおける「ベクトル」と数学Ⅲにおける平面上の曲線と複素数平面」が数学Cに移行となり、数学Cはそれ以外では「工夫された統計グラフや離散グラフ、行列などを取り扱う」とされています。(行列懐かしいですね!)

また、統計分野において、数学Bにおいて仮説検定を、その前の数学Ⅰにおいて「仮説検定の考え方」を新たに取り扱うようです。

仮説検定がそれぞれ数学ⅠとBで扱うことについては下記の様に記載されています。

『「データの分析」では,四分位数など(箱ひげ図を含む。)を中学校に移行して,「仮
説検定の考え方」を取り扱うこととした。仮説検定については「数学 B」の「統計的な
推測」で取り扱うが,この科目の履修だけで高等学校数学の履修を終える生徒もいるこ
とから,実際的な場面を考慮し,具体例を通して「仮説検定の考え方」を直観的に捉え
させるようにした。』(【数学編 理数編】高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 p11)

仮説検定とはどういうものか?ということについては下記の内容を参考に見てみましょう。

『一般に,仮説検定は次のような手順で行われる。
 1)ある事象 E が起こった状況や原因を推測し,仮説を立てる。
 2)その仮説を数学的に記述することで,統計的に実証したい仮説 H1(対立仮説)を立
て,その否定命題としての帰無仮説 H0 を考える。
 3)帰無仮説 H0 が真であると仮定した場合に事象 E が起こる確率 p を求める。
 4)実験などを行う前に決めておいた「滅多に起こらないと判断する基準(確率の値)」
(有意水準)と p とを比較して,帰無仮説 H0 が真であると考えることを否定できるか
どうかを判断し,仮説の妥当性を判断する。

指導に当たっては,生徒の特性等に応じて適切な具体例を取り上げ,仮説検定の方法を
理解できるようにすることが大切である。例えば,次のような場面を考える。

 あるコインにはどちらかの面が出やすくなるよう細工がされているという噂がある。
そこで,実際にそのコインを投げる実験を行ったところ,100 回投げて,表が 61 回出た。
このとき,このコインには細工がされていると主張してよいだろうか。』(【数学編 理数編】高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 p109)

『例えば,「ある新素材の枕を使用した 30 人のうち 80%にあたる 24 人が以前よりよく眠
れたと回答した」という結果に対して,新素材の枕を使用するとよく眠ることができると
判断できるか,という問題に取り組ませることを考える。
この問題を解決するために,この結果が偶然に起こりえた可能性はどのくらいあるのかを,コイン等を使った実験を多数回繰り返して考察する。』(【数学編 理数編】高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 p 48)


続いて、「現行学習指導要領の成果と課題」の内容に触れていきます。

『現行の学習指導要領により,PISA2015 では,数学的リテラシーの平均得点は国
際的に見ると高く,引き続き上位グループに位置しているなどの成果が見られるが,
学力の上位層の割合はトップレベルの国・地域よりも低い結果となっている。

~中学生は数学を学ぶ楽しさや,実社会との関連に対して肯定的な回答をする割合も改善が見られる一方で,いまだ諸外国と比べると低い状況にあるなど学習意欲面で課題がある
さらに,小学校と中学校の間で算数・数学の勉強に対する意識に差があり,小学校から中学校に移行すると,数学の学習に対し肯定的な回答をする生徒の割合が低下する傾向にある

さらに,全国学力・学習状況調査等の結果からは,
小学校では,「基準量,比較量,割合の関係を正しく捉えること」や「事柄が成り立つことを図形の性質に関連付けること」,
中学校では,「数学的な表現を用いた理由の説明」に課題が見られた。
また,高等学校では,「数学の学習に対する意欲が高くないこと」や「事象を式で数学的に表現したり論理的に説明したりすること」が課題として指摘されている。』

小学校での課題にある「基準量、比較量、割合の関係を正しく捉えること」の問題は、
例えば「2つのテープの長さの関係を表す式を答える」問題だったり、
事柄が成り立つことを図形の性質に関連付けること」は例えば「
図形(円など)を敷き詰めた周囲の長さはいくらになるか」といった問題です。
中学校の「数学的な表現を用いた理由の説明」は証明ですね。
高校での内容も概ね中学校と同じです。

実際、共通テストでも観察に関連付けた問題や、データに基づく統計問題、与えられた条件などを性質を利用して解く問題などが出題されていました。

これまで小学校、中学校で先にあった新学習指導要領の内容は、高校、大学で学ぶ内容へ向けてのもので、無関係ではありません。
今回の高校での変更内容は、高校に上がってからでの変化だけではなく、これから高校で学習する内容のために小学校、中学校で新たに増やされたりより深く取り扱われる内容もあります。
つまり、今小学校、中学校の生徒さんで苦手になっている分野は、新しく重視されて以降の学年でより深く扱われる内容だったり、課題として指摘されていて改善に努めるべき内容だったりするかもしれません。

今小学生や中学生でも、高校で扱われる内容については「こういうものがあるんだ」というくらいでも先に目を通して、いずれこういった内容が出てくるとなった時に戦えるように、今から今の弱点を克服することは重要です。

2022.01.29

城南コベッツ都賀駅前教室です。

今日は4月から始まる高校生の新学習指導要領の公民(公共)について確認していきましょう。

参考:前回記事

(国語編)2022年4月からの高校における新学習指導要領について

これまでの高校での公民は
現代社会倫理政治経済でした。
その中で、「現代社会」または「倫理政治経済」のどちらかが必修でした。

これからの高校での公民は、
公共倫理政治経済となります。
そして、いずれの生徒も「公共」が必修となり、「倫理」、「政治経済」は選択科目となります。

また、新学習指導要領では『「公共」を原則として入学年次及びその次の年次の2か年のうちに全ての生徒に履修させることとし,その履修の後に選択科目である「倫理」及び「政治・経済」を履修できることとし』たとあります。(【公民編】高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 p26)

つまり、必修である公共は高校1,2年のうちに必ず履修し、かつ公共の履修後にのみ倫理及び政治経済が履修できることとなります。
高校3年生で「公共」の履修、または「公共」より先に「倫理」「政治経済」の履修はないというわけですね。

現代社会との比較を中心に、共通テストのサンプル問題とねらいと照らし合わせながら見ていきましょう。

令和7年度以降の試験に向けた検討について
(共通テストサンプル問題、ねらい)


・「現代社会」と「公共」の違いとは?

「現代社会」が「公共」と改められるにあたって、
現行の学習指導要領における課題点を見ていきましょう。

「...一方で,主体的に社会の形成に参画しようとする態度や,資料から読み取った情報を基にして社会的事象の特色や意味などについて比較したり関連付けたり多面的・多角的に考察したりして表現する力の育成が不十分であることが指摘されている。
また,社会的な見方や考え方については,その全体像が不明確であり,それを養うための具体策が定着するには至っていないことや,近現代に関する学習の定着状況が低い傾向にあること,課題を追究したり解決したりする活動を取り入れた授業が十分に行われていないこと等も指摘されている。」(【公民編】高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 p6)

そこから、今回の改訂にあたり目標とされている点として、下記のような要素が挙げられています。

現代の諸課題を捉え考察し,選択・判断するための手掛かりとなる概念や理論につい
て理解する
諸資料から,倫理的主体などとして活動するために必要となる情報を適切かつ効果的
に調べまとめる技能を身に付ける
現実社会の諸課題の解決に向けて、...事実を基に多面的・多角的に考察し公正に判
断する力や、合意形成や社会参画を視野に入れながら構想したことを議論する力を養うを養う
よりよい社会の実現を視野に,現代の諸課題を主体的に解決しようとする態度を養う

つまり、先で挙げられた課題点の改善のためこれまで以上に生徒の主体的な取り組みと社会の主体たる自覚の養成が重視されています。

また、「現代の諸課題を追究したり解決したりする活動を重視」ともあります。

これは4月から18歳が「成人」となり、有権者として選挙を通して政治参加することは今回の変更に無関係ではないでしょう。
特に高校3年生での選挙参加に向けての政治参加意欲や司法参加意識を高めることは今回の変更において少なからず織り込まれているはずです。

共通テストのサンプル問題でも疑似国会、模擬裁判に関連した問題が出題されています。

疑似国会、疑似裁判などはテスト上だけの問題ではなく、実際の高校での授業でも、疑似国会や模擬裁判といった取り組みを通して、制度などの知識を覚えるだけでなく実際の体験と併せて体系的に身に付け、その上でこの場合はどのように考えるべきか?この問題はどのように解決すべきか?という主体を持って考察、解決する必要性は指導側、生徒側双方に求められるのではないでしょうか。

すなわち、
1.現代の諸課題を捉え考察、手掛かりとなる概念や理論について理解し、
2.必要となる情報を適切かつ効果的に調べまとめて、
3.現代の諸課題を主体的に解決しようとする

そういった要素が学校でも、試験でも問われる内容となってくる点となると思われます。

2022.01.26

城南コベッツ都賀駅前教室です。

前回(地理総合・歴史総合編)4月からの高校における新学習指導要領と2025年度以降共通テストについて)に引き続き、今回は新高校1年生の新学習指導要領における「国語」について取り扱っていきます。

まず、現行の国語の教科、科目です。(横の数字は単位数、★印は必修)
「国語総合」4★
「国語表現」3
「現代文A」2
「現代文B」4
「古典A」2
「古典B」4

続いて改訂後の国語の教科、科目を見ていきましょう。
「現代の国語」2★
「言語文化」2★
「論理国語」4
「文学国語」4
「国語表現」4
「古典探求」4

これまで高1生で必修が「国語総合」のみだったのに対し、改訂後は「現代の国語」「言語文化」の2つに分かれます。
ただし、単位数が「国語総合」がに対し、「現代の国語」と「言語文化」がそれぞれとなっているので、実際の「国語」の授業数自体は変わらずのはずです。

では、これまでの「国語総合」から置き換わる「現代の国語」と「言語文化」とは一体どんな教科なのでしょうか?

「現代の国語」と「言語文化」は何をするのか

現代の国語」は「実社会における国語による諸活動に必要な資質・能力を育成する科」として、
言語文化」は「上代(万葉集の歌が詠まれた時代)から近現代に受け継がれてきた我が国の言語文化への理解を深める科目」として設定されています。

更に細部を見ていくと、「現代の国語」においては、

「内容の〔思考力,判断力,表現力等〕の「C読むこと」の教材は,現代の社会生活
に必要とされる論理的な文章及び実用的な文章とすること。
論理的な文章とは,説明文,論説文や解説文,評論文,意見文や批評文などのことであ
る。
(中略)一方,実用的な文章とは,一般的には,実社会において,具体的な何かの目的やねらいを達するために書かれた文章のことであり,新聞や広報誌など報道や広報の文章,案内,
紹介,連絡,依頼などの文章や手紙のほか,会議や裁判などの記録,報告書,説明書,企
画書,提案書などの実務的な文章,法令文,キャッチフレーズ,宣伝の文章などがある。
また,インターネット上の様々な文章や電子メールの多くも,実務的な文章の一種と考え
ることができる。
現代の社会生活における実用的な文章には,図表や写真などを伴う文章が多いことか
ら,指導のねらいに応じて,これらを教材として適宜取り上げることが必要である。」
(高等学校学習指導要領 解説国語編 p106より抜粋)

とあるように、「現代の国語」ではこれまでの「国語総合」や「現代文」で見られたような論理的な文章実用的な文章が中心として扱われます。
かつ、「現代の国語」(と選択科目の「国語表現」)では話し言葉と書き言葉、敬語を含めた言葉遣いについての学習も含まれているようです。

一方で「言語文化」においては出版社にもよりますが、
「羅生門」「山月記」のような小説随筆詩歌俳句に加え、
古典、特に伊勢物語の「芥川」「東下り」、徒然草、枕草子、故事成語(蛇足、臥薪嘗胆)や論語などの古文漢文が取り上げられ、先に述べたように受け継がれてきた言語文化への理解を深めることを重視しています。

そしてそのどちらにも「話すこと、聞くこと」「書くこと」「読むこと」の要素と、言語活動が重視されています(科目ごとによってその比重は異なります)。
言語活動とは言葉による記録、要約、説明、論述、話し合い等を通じて行われる活動です。
本文や資料の引用を通じて自分の意見や考えを述べること、または報告や連絡、案内などのために必要な事柄を話すことなどが求められます。

今年の4月からの新高1生から年次ごとに実施されていくため、高2生以降で実施される予定の「論理国語」「文学国語」「国語表現」「古典探究」の教科書はまだ出ていないようですが、

特に論理的文章(評論文、論説文)を扱う「論理国語」、
文学的文章(小説、随筆、詩歌俳句)などを扱う「文学国語」、
実社会において必要となる他者との伝え合う力(コミュニケーション)の育成を重視した「国語表現」、
古典を主体的に読み深める「古典探究」、

このいずれも、先に学習する「現代の国語」「言語文化」の内容をより細分化したものと言えるでしょう。

また、2025年(令和7年度)以降の共通テスト国語においても、
多様な文章を提示し,より思考力・判断力・表現力等を発揮して解くことが求められる問題を重視した出題を一層工夫していく観点から,問題量を増やす方向で問題作成の方向性や構成等を検討します。 」(令和7年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テストに関する検討状況について(令和3年12月更新)より引用)
とされています。

特に昨年度より実施された共通テスト以降の現代文の問題における「メモ」「ノート」に見られるような資料を整理する力、筋道立ててまとめる力が出題されていくことでしょう。