東船橋教室のメッセージ
英語がやばい!?全国的に中学1年生の英語力が危惧されています。小中ギャップの影響も!
2025.06.19

おはようございます。
英語教育にもガッツリ力を入れている城南コベッツ東船橋教室です。
本日も宜しくお願いします。
英語がやばい!全国的に中学1年生の英語力が危惧されている
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「え、これ本当に中学校で習う英語?」
「小学校の英語とは全然違う!」
全国各地で、多くの中学1年生が初めての中間テストを経験し、その内容に戸惑いを隠せないでいます。
以前の学習指導要領と比較しても、現在の英語の難易度は明らかに上昇しており、保護者や教育関係者の間では「中学1年生の英語力が危惧されている」という声が日増しに高まっています。
一体何が起こっているのでしょうか?その背景と現状、そして「小中ギャップの英語」とは何かについて深く掘り下げていきます。
小学校から中学校への劇的な変化:中間テストで突きつけられる現実
かつての小学校英語は、歌やゲームを通じて英語に慣れ親しむ「外国語活動」が中心でした。
高学年で「外国語」として教科化されたとはいえ、その内容は聞く・話すことに重点が置かれ、文字の読み書きや文法事項を本格的に学ぶことはありませんでした。
しかし、中学校に入学し、初めて行われる中間テストで生徒たちが直面するのは、これまでとは全く異なる「英語」です。
教科書の本文は長く、聞き慣れない単語が羅列され、不規則動詞の活用、be動詞と一般動詞の使い分け、さらには疑問文や否定文の作り方など、具体的な文法事項が次々と登場します。
「I am a student.」といった基本的な文から始まり、あっという間に「Do you like apples?」や「He doesn't play soccer.」といった表現へと進みます。
さらに、単語テストではスペルまで完璧に覚えなければならず、小学校で「英語って楽しい!」と感じていた生徒でさえ、「英語って難しい...」と一気に苦手意識を持ってしまうケースが後を絶ちません。
この急激な難易度の上昇こそが、現在の「中学1年生の英語がやばい」と言われる所以の一つです。
なぜ今、中学1年生の英語力が危惧されているのか?その背景にある「教育改革」
この英語力の危惧には、いくつかの複雑な背景が絡み合っています。
最も大きな要因は、2021年度から全面実施された新しい学習指導要領、特に小学校での「外国語活動」の早期化と「外国語」の教科化、そしてそれを受けた中学校での英語教育の変化です。
1. 小学校英語の「教科化」と「早期化」
2011年度から小学5・6年生で「外国語活動」が必修化され、2020年度からは小学3・4年生でも「外国語活動」が導入されました。
そして、2021年度からは小学5・6年生の「外国語活動」が「外国語」として「教科化」されました。
この教科化により、小学校高学年では、聞く・話すだけでなく、文字の読み書き、簡単な文の構成といった要素も含まれるようになりました。
しかし、これは「本格的な読み書き」を意味するものではありません。あくまで「聞く・話す活動を基盤に、語彙や表現に慣れ親しみ、文字の読み書きにも触れる」というレベルに留まっています。
2. 中学校英語の「前倒し」と「高度化」
小学校での英語教育の充実を受け、中学校では、これまで中学2年生や3年生で扱っていた内容の一部が中学1年生に「前倒し」される形になりました。
例えば、現在完了形や受動態といった文法事項も、以前より早い段階で導入される傾向にあります。
これは、「小学校で基礎を身につけてきたのだから、中学校ではより高度な内容に進める」という教育課程全体の狙いによるものです。
しかし、この「前倒し」と「高度化」が、小学校と中学校の接続において大きな課題を生み出しています。
3. 「CAN-DOリスト」と英語4技能の重視
現在の英語教育は、文部科学省が策定した「CAN-DOリスト」を基盤とし、英語の4技能(聞く・話す・読む・書く)をバランス良く育成することを目指しています。
これは、実際のコミュニケーションで英語を使える力を養うという点で非常に重要な視点です。
しかし、テストとなると依然として文法や語彙、読解が中心となりがちです。
小学校で「楽しむ英語」に慣れてきた生徒が、中学校で突然「文法的に正しい英語」「スペルが完璧な英語」を求められることに、戸惑いと挫折感を覚えているのが現状です。
「小中ギャップの英語」とは?
「小中ギャップの英語」とは、まさに前述したような、小学校での英語学習と中学校での英語学習の間に存在する大きな断絶(ギャップ)を指す言葉です。
小学校では、教師の負担軽減や専門性の観点から、担任の先生が英語を教えることも多く、必ずしも英語専科の教員が配置されているわけではありません。
そのため、学校や先生によって英語指導の質や量が大きく異なり、生徒が小学校で習得する英語力にバラつきが生じやすいという問題があります。
例えば、ある小学校では積極的にALT(外国語指導助手)との交流があり、英語を話す機会に恵まれる一方で、別の小学校ではあまり英語を話す機会がなく、アルファベットの読み書きも十分に学習しないまま中学校に進学する生徒もいます。
このような状況で、中学校では「小学校でこれらの内容は学んできたはず」という前提で授業が進められるため、基礎が十分に身についていない生徒は、最初から「ついていけない」と感じてしまうのです。
具体的には、以下のような点でギャップが生じています。
- 学習内容のギャップ: 小学校は聞く・話すが中心で、文字の読み書きや文法は限定的。中学校では、文字の読み書きが本格化し、厳密な文法知識が求められる。
- 学習方法のギャップ: 小学校はゲームや歌など活動的で感覚的な学習が中心。中学校は座学が中心で、ノートに書く、覚えるといった学習が多くなる。
- 評価のギャップ: 小学校はパフォーマンス評価が中心で、正解・不正解を厳しく問われることは少ない。中学校では、定期テストで正確な知識が問われ、点数で評価される。
- 教員の専門性のギャップ: 小学校は担任が教えることが多く、英語専門ではない場合も。中学校は英語専門の教員が担当する。
これらのギャップが積み重なることで、中学1年生は英語学習に対して大きな負担を感じ、自信を失い、最終的には英語嫌いになってしまうリスクが高まっているのです。
今後の課題と対策
中学1年生の英語力危惧は、日本の英語教育全体にとって喫緊の課題です。この現状を改善するためには、多角的なアプローチが必要です。
- 小中連携の強化: 小学校と中学校の教員が密に連携し、小学校でどのような内容を、どの程度のレベルで学習しているのかを共有することが不可欠です。中学校側も、小学校での学習状況を丁寧に把握し、必要に応じてリメディアル教育(補充学習)を行うなどの配慮が求められます。
- 中学校の授業改善: 一方的な文法説明に終始するのではなく、中学校でも生徒が英語を「使う」活動を増やし、コミュニケーションの楽しさを実感できる授業を展開することが重要です。ICT教材の活用やグループワークの導入など、生徒の主体的な学びを促す工夫も必要です。
- 教員の専門性向上: 小学校教員に対する英語指導研修の充実や、中学校教員の指導力向上も不可欠です。英語教育を専門とする教員の増員も長期的な視点で検討されるべきでしょう。
- 保護者の理解と協力: 保護者もまた、英語教育の変化を理解し、家庭での学習環境を整えることや、子供の学習状況を把握し、早期に学校と連携することが求められます。
「英語がやばい!」という現状は、決して生徒個人の問題ではありません。
教育システム全体が抱える課題であり、社会全体で取り組むべき問題です。
中学1年生が英語学習でつまずくことなく、英語を「使える」喜びを感じられるよう、教育現場と社会が一体となって、より良い英語教育の実現に向けて努力していくことが求められています。
未来を担う子供たちの可能性を広げるためにも、この「英語力危惧」の状況を真摯に受け止め、具体的な対策を講じていく必要があります。






