東船橋教室のメッセージ
大学入試の「ゆとり」と「反動」:総合型・推薦依存型入試の行方
2025.09.29

今回の記事内容は、あくまで予想ですが、
色々な課題噴出状態から考慮して、きっとこうなるだろうという当たる予想です。
かつて、日本の教育界は「ゆとり教育」が提唱されました。
今から思えば、円周率3.14なのに・・・・うにゃららとか、「ええ~?どうしてそんな方針になった?誰が決めた?」というぐらいの、非常にヤバい時代でした。
そして多くの人々は気づいたのです。
この・・・ゆとり教育って かなりヤバくないか??
ということで、
学力低下への懸念から「脱ゆとり」へと舵を切ったのです。
それが今です。
ところがその脱ゆとりで、ようやく教育が真面目にまともになりつつある中、今度は制度が色々変更されました。特に入試制度です。その中でも「大学入試」です。
さすれば、現在の大学入試における総合型選抜や学校推薦型選抜(推薦入試)への過度な依存傾向もまた、いずれ早晩、大きな見直しを迫られるだろうな・・・そう考えているのは、きっと私だけではないでしょう。
何故なら・・・すでに大学の多くがちょっと
受け入れ企業側の多くが
「あのさ、この総合型とか推薦で入った子たち、ちょっとヤバいんじゃない?」
まぁ、言葉はこのとおりではないでしょうけれど、そんな内容の記事を探せば唸るほど多くありますので、検索されてみてください。
大学が困っている理由は、学力が低いじゃないか!という理由みたいです。
企業が困っている理由は、え、すぐ辞めちゃうじゃないか!レポート力、コミュ力が・・・・そんな理由が多いみたいです。
これは、教育の理念と実態が乖離したとき、社会からの「反動回帰」が避けられないという歴史的な教訓に基づいています。
「ゆとり教育」と「反動回帰」の教訓
「ゆとり教育」は、「詰め込み教育」の弊害(受験競争の過熱、知識偏重)を是正し、子どもたちの「生きる力」や主体性を育むという崇高な理想から始まりました。
しかし、
授業時間と学習内容の大幅削減が、「学力低下」という批判を招き、国際的な学力調査の結果も相まって、最終的には学習指導要領の改訂(脱ゆとり)という強い反動を引き起こしました。
この歴史から学べるのは、
理念先行型の改革は、その実効性や公平性が伴わなければ、必ず揺り戻しが生じるということです。
↑
これ、超重要ですし、
実際様々な世界の摂理的に起こっています。
特に、国民の関心が高い「学力」や「将来の機会」に関わる問題であれば、その反動はより顕著になります。
「反動」という言葉は
もっとわかりやすく言うと、「しっぺ返し」です。
けっこうあるんですよ。
そのときは良くても後が大変だよね・・・という事態が。
皆さんの周りにもありますよね。
私がよくこのブログで歌う歌は・・・「蛍の歌」です。
ほ、ほ、ほ~~~たる こい
こっちのみ~~~ずはあ~~~~まいぞ~~~~~~~~
この歌、うしろの正面だ~~~~れぇえぇ
の歌より私は怖いっす。
実際、私立高校とかに推薦で入った生徒は、この教室でも関連教室でも今まで500人以上はいますが、(公立高校入学のほうが圧倒的に多い)
私、必ず
「入ったはいいけれど、私立の場合は入ってからが大変な場合が多いからよく考えて選択してくださいね」という一言を入れるようにしています。
しかし、学校から推薦だ!校長推薦だ!私立高校だ!推薦だ!
・・・っていう風に舞い上がりすぎてしまうのは、本当にリスク高いです。
何故なら、想像で申し上げているのではなく、特進などに入ろうものなら、本気で特進で勉強三昧しなければ落ちこぼれますからね。
そういう実際の本当に、リアルな事例を目の前で見ていますので、だれから何を言われても反論できます。
また、有名な私立高校へ入りました!公立じゃなくて有名の私立へ入学です!となったとしても、マジで努力しなければ有名私立へ行きました=東大、旧帝大、国立大では決してありません。
そのあたりの生々しい事情を是非、ネットからの情報ではなく、本当の情報を得てください。
さて、本論です。
総合型・推薦依存型入試が抱える構造的な課題
現在の大学入試制度は、従来の一般選抜(学力試験中心)に加え、総合型選抜(旧AO入試)や学校推薦型選抜が定員の約5割近く(私立大学ではさらに高い割合)を占める大学も多く、多様な学生を受け入れるという名目で大きく変化しました。
これらの入試方法は、「知識・技能」だけでなく「思考力・判断力・表現力」や「主体性・多様性・協働性」(学力の3要素)を多面的・総合的に評価することを目的としています。
しかし、その拡大と依存度の高まりは、以下のような構造的な課題を露呈し始めています。
1. 「学力担保」への疑問と公平性の欠如
総合型選抜や推薦入試は、一部の大学では大学入学共通テスト(共通テスト)の利用を必須化するなど、学力評価を強化する方向へ進んでいるものの、多くのケースで一般選抜ほどの厳密な学力試験は課されません。
その結果、入学後の基礎学力にばらつきが生じ、「学力担保」への懸念が払拭されていません。
また、これらの入試は、高校のブランドやカリキュラムの充実度、家庭の経済状況が有利に働く側面があります。
高校での課外活動やボランティア、資格取得、留学経験などが評価される一方で、そうした機会に恵まれない環境の生徒にとっては、むしろ不公平感を増幅させる要因になりかねません。
これは、入試が能力の公平な測定という本来の役割を果たせなくなることを意味します。
2. 「ポートフォリオ選抜」の実効性の曖昧さ
総合型選抜では、志望理由書、活動報告書、面接、小論文など、受験生がこれまでの学習や活動の成果をまとめたポートフォリオを重視します。
これは本来、生徒の主体的な学びを促す意図がありますが、現実には、「受験に有利な活動」を形式的にこなす傾向や、高校や予備校による過度な指導や「作文」の代行といった弊害を生み出しています。
「主体性」や「多様な経験」といった抽象的な評価基準は、客観性と透明性を欠きやすく、結果として、評価が「大学が求める学生像」という曖昧なフィルターに依存しがちになります。
これって、どうして大学側は早く脱却しようとしないのか不思議ですが・・・
ああ、やっぱり学生が入学してくれないと、私立大学も苦しいのでしょうね。
今、こうなっています。
↓ ↓ ↓
入試が「自分を良く見せる技術」の競争です。
これにになってしまえば、真に学問を志す能力や意欲を見抜くことは困難になるでしょう。
見直しの兆しと今後の予測
文部科学省もこれらの課題を認識し、2021年度の入試改革で「総合型選抜」と「学校推薦型選抜」に名称を変更し、全入試で学力の3要素を多面的に評価するという方針を打ち出しました。
これは、学力担保の必要性を再認識した、「脱ゆとり」的な要素を内包した動きと言えます。
今後、総合型・推薦依存型入試が早晩見直される流れは、以下の要因によって加速すると予測されます。
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入学後の学業不振者の増加と中退率の上昇: 基礎学力不足による大学側での学習支援コストの増加や、学業継続への意欲低下が問題視されるようになります。
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保護者・社会の不満の顕在化: 「一般入試で努力して入学した学生」と「非学力型入試で入学した学生」の間での能力差が顕著になった場合、入試の公平性に対する社会的な批判が強まります。
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大学のブランド価値の低下への懸念: 質の高い教育・研究を維持するためには、優秀な学生の確保が不可欠であり、入試制度の信頼性が大学のブランド価値を左右します。
「ゆとり教育」が「詰め込み」への反動として生まれ、その後「脱ゆとり」という揺り戻しを経験したように、
現在の「学力偏重の是正」という名の下に拡大した非学力型入試も、「基礎学力重視」と「公平性の確保」という名目のもとで、必ず見直しを迫られるでしょう。
確信しています。
求められるのは、一般選抜と総合型・推薦型選抜が極端な二極化をすることなく、
双方の利点を活かした「バランス」の取れた入試制度です。
具体的には、総合型選抜でも共通テストの必須化や、論理的思考力を厳密に測る試験の導入など、学力の客観的な評価を組み込むことで、「主体性」と「学力担保」の両立を目指す動きが主流となるはずです。
教育の歴史は、振り子の原理のように、極端な理念から実態への揺り戻しを繰り返してきました。今の入試制度もまた、その揺らぎの中にあり、次なる「反動回帰」の時を待っていると言えるでしょう。






