東船橋教室のメッセージ
英語が得意な子は点数が取れるが、数学が得意な子は点数が取れるとは限らない入試の真実
2025.11.08
おはようございます!
東船橋の寿司がすしです。

今日は特に「英語」と「数学」の入試の真実についてです。大学入試っぽい内容ですが、高校入試も中学受験も一緒ですので参考にされてみてください。
さて、それではよろしくお願いいたします。
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大学入試において、
「英語が得意な生徒は安定して高得点を取るが、数学が得意な生徒でも必ずしも高得点が得られるわけではない」
という現象は、多くの受験生や教育関係者が肌で感じている事実です。
特に難関大学の入試問題になると、この傾向は顕著になります。この違いは、単なる科目間の性質の違いだけでなく、入試問題の設計思想や、求められる能力の質に深く根ざしています。
実はこの現象、高校受験(公立・私立)や中学受験でも同様なのです。
英語が得意な生徒・・・たくさんいます。
算数、数学が得意な生徒・・・たくさんいます。
しかし、その「得意レベル」というのは、学校のテストでは!ということです。
英語:努力と積み重ねが報われやすい「測りやすい学力」
英語は、知識の積み重ねと習熟度が比較的ストレートに点数に反映されやすい科目です。
語彙、文法、構文といった「知識」のインプットと、それらを使いこなす「技能」(リーディング、リスニング、ライティング)のアウトプットは、時間をかけて系統的に学習することで、着実に向上します。
入試問題は、一般的に広範な知識と、それを応用した読解・記述能力を問います。例えば、難解な長文であっても、知らない単語が少なければ、文脈から意味を推測する力や、論理構成を把握する力によって、正答にたどり着く確率は高まります。
つまり、「努力して積み上げた知識量と、その運用能力」が、そのまま点数となって現れやすいのです。
もちろん、ハイレベルな問題では速読力や高度な論理的思考力も必要ですが、
その土台にある「英語の基盤」がしっかりしていれば、「得意」という状態は「高得点」に直結しやすいと言えます。
数学:思考力とひらめきが試される「点数が不安定な学力」
一方、
数学は、基本原理や公式といった「知識」の習得だけでは、高得点を保証できません。
特に大学入試の難問では、既知の知識をただ適用するだけでなく、「問題の構造を瞬時に把握する力」、「複数の解法を柔軟に組み合わせる思考力」、そして「発想の転換(ひらめき)」が決定的に重要になります。
数学が得意な生徒は、この基礎となる知識と論理構成力を持っています。しかし、入試問題は、既存のパターンに当てはまらない、「初めて見るタイプの問題」や、一見簡単な設問に巧妙なトラップが仕掛けられているケースが少なくありません。
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不安定さの要因1: 思考の「詰まり」。解法へのアプローチが一歩間違えると、どれだけ時間をかけても袋小路に入り、全く点数が取れない「完答かゼロか」に近い状況になりやすい。
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不安定さの要因2: 時間制約。膨大な計算量や深い考察を、限られた時間内で正確にやり遂げる**「処理能力」**も求められ、得意であっても本番で焦ると失点につながる。
つまり、
数学が得意であっても、その日のコンディションや、出題者の意図する「ひらめき」にたどり着けるかどうかの「運」や「瞬発力」の要素が、英語に比べて格段に大きいのです。
入試問題の「配点」と「求められる資質」の比較
この違いは、大学側が受験生に「何を求めているか」の表れでもあります。
| 比較項目 | 英語 | 数学(難関大) |
| 主な能力 | 知識の量、積み重ね、情報処理、実用性 | 論理的思考力、問題解決能力、発想力 |
| 高得点の安定性 | 比較的高い(努力が報われやすい) | 低い(思考の深さと瞬発力に左右される) |
| 入試での役割 | 基礎学力・国際的資質の証明 | 潜在的な論理的才能・思考の限界点の評価 |
多くの文系学部で英語の配点が非常に高いのは、大学生活やその後の社会で必須となる「実用的なコミュニケーション能力と情報収集能力」を重視しているためです。この能力は、努力と時間で安定的に向上させることが可能です。
一方で、
難関理系学部で出される数学の問題は、単に「数学の知識があるか」ではなく、「未知の課題に対し、論理を組み立てて解決する、将来の研究者・技術者としての素養」を見極めるフィルターとして機能しています。
そのため、極端な話、
数学が得意でも、その問題特有の「鍵」となる解法に気づけなければ、得点は伸び悩むことになります。
共通テスト 2年目の波紋
「問題文が長い!」数学に悲鳴 2回目の共通テストどうだった? 数学教育の専門家らに聞く
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こちら朝日新聞の記事です。
共通テスト、大学入試の本番のとき、受験生たちの学力は通常、最高潮状態です。
その受験生たちが「絶対合格するぞ!」という強い気持ちで迎えた試験当日、絶望の声が全国に鳴り響いたのです。
数学で、思い切り学習してきた受験生たち、高卒生たちが、本気の本気で取り組んできた受験勉強の集大成が、「悲鳴」ですよ。
これで、よくご理解いただけたと思いますが、
英語が得意でっす!!
数学が得意でっす!!
この言葉は四方八方から聞きますが、後者の「数学が得意でっす!!」のほうは、話半分以下に聞いておかなくてはいけない!!!!
ということなのです。
受験戦略への示唆
この構造的な違いは、受験戦略に重要な示唆を与えます。
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英語は「得点源の柱」にせよ: 英語は、努力と時間を費やせば、安定して高得点を期待できる科目です。苦手意識がある人も、最後まで諦めずに知識を積み重ねることで、合格への「土台」を築くことができます。
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数学は「満点狙い」ではなく「得点最大化」を: 数学が得意な生徒も、全問完答にこだわらず、確実に解ける問題を見極めて得点を積み重ねる戦略が重要です。難問に時間をかけすぎて、簡単な問題を取りこぼす「時間切れ失点」を防ぐことが、高得点への鍵となります。
結局のところ、入試問題における英語と数学の点数の違いは、「再現性の高い学力」と「閃きと深さで差がつく学力」という、求められる資質の根本的な違いに由来していると言えるでしょう。






