東船橋教室のメッセージ
中学受験 合格事例① 「これって・・・学校補習用のテキストですよ」からのスタート
2026.02.13

今日は中学受験合格事例を紹介します。少々物語っぽく書きますが実話です。
K君のお母様がいらしたのは、2024年8月、真夏のお盆前でした。小学生の場合は、学校補習か中学受験かを最初に伺うようにしており、K君は中学受験目的とのことでした。
お話しを伺うとすでに他の塾に通われていたということで、最初にどの程度まで中学受験対策が進行しているのか、どのぐらいの学習時間をこなされているのか、どんなテキストを使って学習されているのか、など色々とお話しさせていただきました。
一番驚いたのは、使用テキストです。
お持ち頂き拝見したテキストは、すべて学校補習用のテキストでした・・・。
「お、お母様、これって・・・学校補習用のテキストですよ」
この衝撃が、まだK君と出会う前の衝撃の一幕でした。
正直狼狽えたのがお母様にもわかったのではないか、、、というぐらい私自身驚いてしまい、思わず口に出た言葉です。
基本、大原則として、他塾の悪口は絶対に言わないようにしています。スタッフにもそれは徹底しております。
そのように他を下げて、自分たちを浮き上がらせるやり方は他から見て非常に醜いと思うからです。
しかし、そのときはさすがに私も
「え、ええええ」となってしまったわけです。
無理やり、おそらく〇〇塾さんも何かしら考えがあったのことだと思いますがと、フォローを入れましたが、それが本心からじゃないことはお母様にも見破られていたと思います。
というわけで、
最初、
なぜこのテキストは中学受験対策に不向きなのか・・・というところからの説明でした。
もう、一言で言えば、
中学受験の算数は、補習型テキストの学習にはほとんど登場しないからです。
中学受験の算数は、小学校の教科書レベルを遥かに超えた「パズル的思考」や「特殊な解法」が必要な世界になります。
大きく分けると「数と計算」「割合・速さ」「平面図形」「立体図形」「場合の数・論理」の5つのジャンルに分類されます。
では、ここに紹介しますと・・・・
1. 文章題(特殊算)
中学受験の代名詞とも言える「〇〇算」と呼ばれるグループです。
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和差算:2つの数字の和と差から、それぞれの値を求める。
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つるかめ算:足の数や単価の違いから個数を求める。
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差集め算・過不足算:配る数の違いによる「余り」や「不足」から全体量を出す。
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分配算・消去算:代入法や加減法(連立方程式に近い考え方)を線分図で解く。
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平均算:面積図を使って平均の変化を捉える。
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年齢算:時間の経過とともに変化する年齢の関係を解く。
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植木算:間の数と物の数の関係(両端を含むか、円形かなど)。
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周期算:規則的に並ぶ数字のグループを見つける。
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ニュートン算:入ってくる量と出ていく量が同時に存在する問題(行列の待ち時間など)。
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仕事算・のべ算:全体の仕事量を「1」や「最小公倍数」とおいて解く。
2. 割合と速さ
ここが合否の分かれ目になる、最も差がつく分野です。
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相当算:全体を「1」としたときの割合から実際の数値を出す。
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売買損益算:原価、定価、割引、利益の関係。
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食塩水(濃度):面積図や天秤法を使って混ぜ合わせを計算する。
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旅人算:出会いと追いかけ。
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通過算:電車の長さ(身の長さ)を考慮する速さの問題。
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流水算:川の流れの速さと静水時の速さの関係。
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時計算:時計の長針と短針が作る角度や重なる時刻。
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比の利用:速さの比と時間の逆比の関係など。
3. 平面・立体図形
公式を覚えるだけでなく、補助線を引くセンスや空間認識力が問われます。
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角度と面積:多角形の内角や、三角形の面積比。
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相似と比:ピラミッド型や砂時計型(リボン型)の相似。
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円と扇形:円周率3.14の計算。
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図形の移動・転がり:円や多角形が移動したあとの面積(軌跡)。
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図形の折り返し:折った部分の角度や重なりの面積。
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切断:立方体を斜めに切った時の断面の形(五角形や六角形になることも)。
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水深の変化:容器の中に重りを入れたり、傾けたりした時の水位。
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回転体:平面図形を軸を中心に1回転させた時の体積
4. 数の性質・場合の数
思考力と粘り強さが必要なパズル的な分野です。
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約数・倍数:最大公約数や最小公倍数の応用。
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余りの分類:特定の数で割った時の余りに注目する。
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N進法:2進法や5進法などの考え方。
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場合の数:並び方(順列)と選び方(組合せ)。
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道順の問題:最短ルートの数を数え上げる。
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魔法陣・数論パズル:条件に合う数字の配置。
これだけあります。
いかがでしょうか?
そしてこれらは、6年生になってから、中学受験のために追い上げて学習するのではありません。だいたい小4から積み上げていく内容です。
では、小4や小5の「学校で使っている算数の教科書」と中学受験用の小4、小5のテキストを見比べてみてください。
ほぼ・・・内容が被らないです。
どういうことかというと、小4や小5で習う学校レベルの算数の内容は、(すでに習得済だよね)というスタンスでテキスト構成されていますので、内容が被らないことが多いのです。
ある意味凄いです・・・。
この部分から今までの学習が無駄とは言いませんが、中学受験を目指すのであれば、中学受験用の学習にシフトされたほうが良いのではというお話をさせて頂きました。
そこから体験授業を経て、本格的に授業を開始しました。
受講は算数と国語をベースにしました。4科目受験を念頭に入れてのカリキュラムを作成しましたが、理科や社会については、最初は講習で補うような形でまずは「算数」「国語」の土台をきっちりと固めていきたいと思いました。
しかしながら、ずっと学校補習型テキストで学習されていましたので、いきなり5年の内容では少々キツイだろうと判断し、やはりオーソドックスに4年のテキストから入るようにしました。
5年生だけれど、4年のテキストからという部分に関しては、時に生徒さんによってはプライドの面で嫌がるケースもありますが、K君は大丈夫でした。
★なぜ、4年内容からしっかりと詰めていく必要があるのかという大人の内容をK君自身もしっかりと理解してくれたからです。
当初からK君は小学5年生にしては、理路整然と物事を考えて、それを言葉に表すことができる少年だなと思っていました。
とても頭の回転が早い子で、私たち大人を相手にした会話でも「言われ負け」することがありません。少々負けず嫌いなところがあるのでしょうか。
物おじせずしっかりと自分の主張を述べることができる、そんな印象でした。
5年生の10月から私たちの教室で授業開始となりましたが、9月終わりに首都模試を受けられていました。
この段階での志望校合格可能性判定は、第5志望と第6志望の学校で30%未満、他第1志望から第4志望までは判定不可状態、つまり・・・%であらわすことができない状態でした。
ここからK君の怒涛の戦いが始まりました。
5年生の秋、そして冬と、この時期は長時間の学習にも耐性を持ってもらうための我慢強さと、目的意識をしっかりと持ってもらうための 「中学受験する意義とは何か」という、どちらかというとメンタル面、心の持ちようなどをしっかりとサポートしていこうと心に決めていました。
5年生、まだ遊びたいさかりです。
一時は、
教室に来るたびごとに、どころか、教室の入口から入ってすぐのところで「もう帰りたいです」という日々が何日も続きました。
とても真面目なK君で、塾にはしっかりと来てはくれるのですが、それは身体と心のバランスが上手く取れていない状態のように感じました。
塾には身体を向かわせる→しかし、こんなに長時間は勉強するのは嫌だ
という訴えでもあったかもしれません。
本来であれば、「もう帰りたい」発言があれば「ではもう帰ってよい」という選択肢もあったとは思います。
しかし、それはしませんでした。
何故なら、この言葉は本心ではなく、「やらなくちゃいけないのはわかっている」「けれど、一言愚痴をいいたい」というニュアンスがありありとわかったからです。
K君のことは、スタッフとも講師とも何度も打合せをしました。お母様にも今の状況を毎日のように報告を入れました。
時には、私のほうがお母様に「もう少し宿題を減らした方がいいかもしれません」とか「授業の曜日についても土曜日はなしにしたほうがいいかもしれません」など、K君の気持ちの代弁者のようにお伝えしたこともあります。
それぐらい、ある一定時期までは、不安定な状態が続きました。
ではその少々危なっかしい不安定な状態はいつまで続いたかと言うと・・・実は6年生の夏終わりまで続いたのです。
実際に、夏期講習もやりました。
しかし、保護者様を安心させるような偏差値、K君が満足する偏差値には届きませんでした。
首都模試は6年生の4月、7月、そして9月と受験しました。その推移は、ほんのちょっとずつ、一歩ずつと言っていいのでしょうか、上がってはいるのですが、9月終わった段階での第一志望校の合格可能性判定は、30%未満でした。
そして、第2志望も第3志望も30%未満、第4志望も30%未満・・・ということで、そこに書かれた数字の羅列は、情け容赦のないパンチのようにK君に響いたと思います。
夏の終わりの段階での偏差値から、私自身も焦りはありました。偏差値効果があらわれるのはだいたい3か月後だということをわかっていても やはり実際の数字を見ると焦りが生じるものです。
K君は大人の会話ができる少年。
ですから私は彼と話をしました。
嘘偽りのない初見を述べたのです。それまでの気持ちを持ち上げ、お母様に対してもK君のフォローを忘れずに対応してきた私は、そのとき少しだけ鬼になったのです。
「K君。これが合判模試の結果だよ。一緒に見ていこうか」
通常、そういう会話は保護者様同伴で保護者様向けにお話しをしていくことが多いのですが、そのときは、ご本人に話をしようと決めていました。
「今回の数字だとな・・・正直、結果が厳しいぞ・・・万が一受からなかった場合は、嫌かもしれないけれど、公立の中学へ行って学習することになるんだな。中学受験というは必ず合否が出るので、受かったらその学校に進学する。受からなかったら地域の学区として決められた中学へ通うことになるんだ」
というような話をしました。
その日、K君は授業もあったのですが、授業の最初も授業中もずっと落ち込んでいたようです。
K君は、学校の成績は誰も文句が言えないぐらいの優秀な成績です。その彼が中学受験という世界に挑戦している最中なのですが、どうあっても「勝ち」とは言えない結果が続き、
打ちひしがれてしまっているようです。
小学校の学校内で優秀であっても、中学受験という土俵に立てば、戦う相手が変わってきますし、問題も大きく変化します。
この「夏のあとの首都模試の結果」は私にとってもK君にとっても勝負どころだったのです。
そこから、K君は、まるで着火したようにドライブがかかってきました。それはそれは信じられないぐらいの追い上げです。
10月の模試 上昇!
11月の模試 上昇!
実に6年生最初の模試から、11月の模試では偏差値が10アップしたのです。
11月は、12月1日が本番でしたので、まさに本番一か月前に最終コーナーバックストレートで、大躍進となりました。
そして力を入れていた算数と国語の主要2教科では、9月模試からなんと13アップです。
結果は、
K君は、第一志望校に合格しました。
そして私の計算ではとんでもなく 余裕の合格です。コースも最上位コースを選択したとしても合格したことでしょう。
それぐらい 抜けた合格になったということです。
夏、相当頑張りました。
「がっつり勉強した成果はだいたい3か月遅れで効果が出てくるよ」
7月、8月の頑張りは、ちょうど3か月後の11月模試で、しっかりと形になってあらわれました。
この教室で、
中学受験は5年生からでも間に合う!といつでも豪語しておりますが、その感覚は今もずっと同じです。
長い期間ダラダラやるよりも 期間をしっかり決めてやるべきことをやれば偏差値は必ず上がるのです。






