夏休みの学習応援シリーズ⑯
中学3年生の理科・社会、「覚えたつもり」を減らすには?
夏に試したい復習方法
中学3年生の夏休みは、英語や数学だけでなく、理科・社会の復習にも取り組みたい時期です。
ところが、理科・社会を勉強していると、「教科書を読んだときはわかったのに、問題になると答えが出てこない」「昨日覚えたはずなのに忘れている」ということがあります。
これは、見ればわかる状態と、自分の力で思い出せる状態に違いがあるためです。 今回は、理科・社会の「覚えたつもり」を減らし、夏休みの復習を次の学習につなげる方法をご紹介します。
「見ればわかる」と「自分で答えられる」は違います
教科書やノートを読んでいると、内容を理解できたように感じることがあります。
しかし、テストや模試では、答えが見えない状態で必要な知識を思い出さなければなりません。
理科・社会の復習で大切なこと
「もう一度読む」だけでなく、「何も見ずに思い出してみる」時間を入れましょう。 思い出せなかったところが、その日の復習ポイントになります。
まずは範囲を広げすぎないこと
中学3年生になると、中学1・2年生の内容も含めて復習したい範囲が多くなります。
そのため、「今日は理科を全部復習する」「社会を一気に覚える」と考えると、何から始めればよいかわからなくなりやすくなります。
復習範囲を小さくする例
- 理科:植物のつくりとはたらき
- 理科:化学変化と原子・分子
- 理科:電流と回路
- 社会:日本の地形と気候
- 社会:江戸時代の政治
- 社会:日本国憲法の基本原則
「理科」「社会」という教科単位ではなく、単元ごとに区切ると、何を覚え直すかが見えやすくなります。
ステップ① まず何も見ずに答えてみる
復習を始めるときは、最初から教科書を読み直すのではなく、まず問題を解いたり、一問一答形式で思い出したりしてみましょう。
最初の確認方法
- 問題を読む
- 教科書や答えを見ずに考える
- 自信がなくても一度答える
- 答え合わせをする
- 思い出せなかったものに印をつける
最初にできなかった問題があっても大丈夫です。 むしろ、思い出せなかったところが見つかることで、復習する内容がはっきりします。
ステップ② 間違えた問題だけ、教科書へ戻る
答え合わせの後は、すべてのページを読み直すのではなく、間違えた問題に関係する部分を教科書や資料集で確認します。
確認するときのポイント
- 用語の意味を説明できるか
- 似た言葉との違いがわかるか
- 図や資料と結びつけられるか
- 原因と結果の関係がわかるか
- いつ・どこで・何が起こったのか整理できるか
答えだけを覚えるのではなく、その言葉が何を表しているのかまで確認すると、似た問題にも対応しやすくなります。
ステップ③ 数日後にもう一度「思い出す」
その日に覚え直した内容も、時間がたつと忘れることがあります。
そこで、翌日や数日後にもう一度、答えを見ずに確認しましょう。
復習の流れ
- 1回目:何も見ずに問題を解く
- 間違えたところを教科書で確認する
- その日の最後にもう一度答える
- 翌日または数日後に再確認する
- まだ間違える問題だけを残す
一度で完璧に覚えることよりも、何度か思い出す機会をつくることが大切です。
理科は「用語」だけでなく「仕組み」まで確認しましょう
理科では、用語を覚えていても、実験やグラフ、計算問題になると解けないことがあります。
そのため、言葉だけを暗記するのではなく、現象や仕組みと結びつけて復習しましょう。
理科で確認したいこと
- その用語は何を表しているのか
- どのような実験で確かめられるのか
- 結果から何がわかるのか
- グラフや表から何を読み取るのか
- 公式をどの場面で使うのか
たとえば電流の単元なら、公式だけを覚えるのではなく、回路図を見てどの値を求めるのかまで確認してみましょう。
理科の計算問題は、公式を書いてから代入しましょう
理科では、電流・電圧・抵抗、密度、圧力など、計算を使う問題もあります。
数字だけを見て計算を始めると、どの公式を使ったのかわからなくなることがあります。
まず公式を書き、問題文の数字を当てはめてから計算する習慣をつけると、考え方を整理しやすくなります。
理科の図・表・グラフは「説明できるか」を確認しましょう
入試や模試では、図や表、グラフを使った問題が出てくることがあります。
図を見ただけで終わらず、「この部分は何を表しているか」「なぜこの変化になるのか」を言葉で説明してみましょう。
図・表・グラフを見るときの確認
- 縦軸と横軸は何を表しているか
- 数値が増えているところはどこか
- 変化が止まっているところはどこか
- その変化が起こる理由は何か
- 実験結果とどのようにつながるか
社会は「言葉だけ」で覚えないようにしましょう
社会では、多くの用語や人名、出来事を覚える必要があります。
ただ、単語だけをばらばらに暗記すると、問題文の聞かれ方が変わったときに答えにくくなることがあります。
社会で意識したい「つながり」
- いつ起こったのか
- どこで起こったのか
- 誰が関わったのか
- なぜ起こったのか
- その後、何が変わったのか
一つの出来事を、前後の流れと一緒に整理すると覚えやすくなります。
歴史は「流れ」をつくって覚えましょう
歴史では、年号や人物名だけを覚えようとすると、出来事の順番が混ざりやすくなります。
「なぜその出来事が起こったのか」「その後どうなったのか」をつなげてみましょう。
歴史を整理する順番
- 出来事の前にどのような状況だったか
- 何がきっかけで変化したか
- 誰がどのような行動をしたか
- その結果、社会がどう変わったか
教科書の見開きや年表を見ながら、自分で短く説明してみるのもよい方法です。
地理は地図・統計資料と一緒に確認しましょう
地理では、都道府県名や国名だけでなく、地形、気候、産業、人口などを結びつけて考える問題があります。
地理で確認したいこと
- 場所を地図で示せるか
- 気候の特徴を説明できるか
- 主な産業とその理由がわかるか
- グラフや統計資料を読み取れるか
- 地域どうしの違いを説明できるか
用語集だけでなく、地図帳や資料集を開きながら確認すると、知識がつながりやすくなります。
公民は「身近な例」と結びつけてみましょう
学校の進度によっては、公民分野を学習している場合もあります。
憲法、国会、内閣、裁判所、地方自治などは、用語だけではイメージしにくいことがあります。
公民は「誰が何をする仕組みなのか」を整理しましょう
たとえば国会・内閣・裁判所について、それぞれの役割を比べながら整理すると、違いが見えやすくなります。
一問一答だけで終わらせないようにしましょう
一問一答は、用語を覚えているか確認するのに便利です。
ただし、一問一答だけでは、資料問題や記述問題への対応が難しいことがあります。
一問一答の次に行いたいこと
- 用語を答える
- その用語の意味を説明する
- 関連する出来事や仕組みを確認する
- 資料問題や記述問題を一問解く
「答えられる」だけでなく、「説明できる」状態を目指してみましょう。
間違えた問題だけを集めておきましょう
理科・社会を復習するときに、毎回すべての問題を最初から解く必要はありません。
間違えた問題や迷った問題に印をつけて、自分が確認したい問題を残しておきましょう。
印のつけ方の例
- ○:すぐに答えられた
- △:思い出すまで時間がかかった
- ×:答えられなかった
次の復習では、×から始め、その後に△を確認します。
短い時間でも毎日触れる方が続けやすくなります
理科・社会を一日に何時間もまとめて勉強しようとすると、負担が大きくなることがあります。
英語や数学の学習と組み合わせながら、短時間で続ける方法もおすすめです。
1週間の復習例
- 1日目:理科の一単元を問題で確認する
- 2日目:社会の一単元を問題で確認する
- 3日目:1日目に間違えた理科を解き直す
- 4日目:2日目に間違えた社会を解き直す
- 5日目:理科の別単元を確認する
- 6日目:社会の別単元を確認する
- 7日目:今週の×・△だけをもう一度確認する
学習量は、ほかの教科や予定に合わせて調整してください。
「ノートをきれいにまとめる」だけにならないようにしましょう
理科・社会の復習で、教科書を見ながらノートを丁寧にまとめることがあります。
内容を整理するためには役立ちますが、書き写すだけで時間が終わってしまうと、自分で思い出す練習が少なくなります。
ノートを作った後は、一度閉じて、「何が書いてあったか」を自分で説明してみましょう。 まとめる時間と、思い出す時間の両方をつくることが大切です。
答えを声に出して説明する方法もあります
頭の中ではわかったつもりでも、説明しようとすると言葉が出てこないことがあります。
そのようなときは、家で短く声に出して説明してみましょう。
説明してみたいこと
- この実験では何を調べているのか
- なぜこの現象が起こるのか
- この歴史上の出来事が起こった理由
- この地域でこの産業が盛んな理由
- この制度にはどのような役割があるのか
うまく説明できなかったところは、教科書へ戻って確認すれば大丈夫です。
わからない問題は、質問できる形にしておきましょう
解説を読んでも理解できない問題は、問題番号に印をつけて残しておきましょう。
「答えがわからない」だけでなく、「用語はわかるけれど、なぜこの答えになるのかわからない」など、困っている部分を短くメモしておくと質問しやすくなります。
わからないことをそのままにしないために
理科・社会は、一つの疑問が次の単元につながることがあります。 わからない問題をため込まず、学校や塾で確認できるよう整理しておきましょう。
保護者の方は「何時間やった?」より「何を思い出せた?」を
受験学年になると、学習時間が気になることもあると思います。
理科・社会については、時間だけでなく、どの単元を確認し、何ができるようになったかを聞いてみるのもおすすめです。
こんな声かけがおすすめです
「今日はどの単元を確認した?」
「前に間違えた問題、答えられるようになった?」
「まだ覚えにくいところはどこ?」
「一つ説明してみてもらってもいい?」
点数や学習時間だけではなく、小さな変化を確認することで、復習を続けやすくなります。
夏休みは「覚え直す」だけでなく「思い出す練習」を
中学3年生の理科・社会は、覚える内容が多いため、全部を一度で完成させようとすると負担が大きくなります。
まずは一つの単元を選び、何も見ずに答えるところから始めてみましょう。
思い出せなかったところを確認し、数日後にもう一度答えてみる。 この繰り返しが、「見ればわかる」から「自分で答えられる」へ近づく学習になります。
理科・社会の苦手も、一緒に整理していきます
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