東船橋教室のメッセージ
日本人が英語を苦手とする背景:アジアおよび世界における状況
2025.12.06
おはようございます!
12月の第一週が終わろうとしています。さすが師走!ですね。
本日も東船橋の空の下からお送りいたします。

テーマは、「英語が苦手な日本人」です。
日本人が一般的に英語を苦手とすると言われる背景には、教育制度、言語学的要因、そして社会文化的な側面が複雑に絡み合っています。
アジア諸国や世界的な水準と比較した際に、日本における英語力の課題はしばしば指摘されます。
まず初めに、少し前に書いた記事を是非ご一読ください。
読むのが面倒な方は、記事内の画像だけでも一瞬見てもらえたらありがたいです。
◆◆日本の英語力がヤバいぐらい下がっている(しかし、私はチャンスだと思っています)
1. 教育制度と学習環境の特性
日本の英語教育は、長年にわたり「読み書き」中心で、「文法訳読方式」が主流でした。
これは、大学入試などの試験で高得点を取ることを目的とした構造であり、実践的なコミュニケーション能力の育成が二の次になりがちでした。
コミュニケーション能力の軽視
授業時間の多くが文法規則の暗記や難解な文章の読解に費やされ、「話す」「聞く」といった技能の練習量が圧倒的に不足しています。多くの生徒が、正確な文法知識は持っていても、いざ外国人を前にすると口から言葉が出てこないという状況に陥ります。これは、外国語を学ぶ真の目的である「意思疎通」に焦点を当ててこなかった教育体制の限界を示しています。
アウトプット機会の不足
アジアの他国、特に公用語または準公用語として英語が使われている国々(シンガポール、フィリピンなど)や、早期から実践的な英語教育を取り入れている国々(韓国、台湾など)と比較して、日本国内では日常生活で英語を使う機会が非常に限られています。国内で完結する社会構造は、英語学習への強い動機付けや必要性を生み出しにくくしています。
2. 言語学的な隔たり(日本語と英語の構造的差異)
日本語と英語は、言語学的に大きな隔たりがあり、これもまた学習の難易度を高める要因となっています。
発音と音韻構造の違い
日本語は母音中心の言語であり、子音単独の音やリエゾン(音の連結)が少なく、音節の構造がシンプルです。
一方、
英語は多様な子音と母音、ストレス(強勢)、イントネーションが重要であり、日本語の音に慣れた学習者にとって、英語の聞き取り(リスニング)と発音(スピーキング)の習得は極めて困難です。
特に、日本語には存在しないlとr、あるいはbとvなどの音の区別は、慣れるまでに時間を要します。
文法と語順の違い
日本語はSOV(主語・目的語・動詞)の語順を持つ膠着語であるのに対し、英語はSVO(主語・動詞・目的語)の孤立語です。文の構造や修飾の仕方が根本的に異なるため、日本語話者は英語を話す際に、頭の中で語順を組み替えるという負担が生じます。
3. 社会文化的な要因と意識
英語に対する国民の意識や文化的な側面も、苦手意識を助長しています。
失敗を恐れる文化
日本社会には、人前で間違いを犯すことを極度に恐れる文化的な傾向があります。
英語を話す際、文法的な間違いや発音の間違いを指摘されることへの不安から、沈黙を選ぶ、あるいは積極的に話すことを避ける人が多く見られます。
これは、コミュニケーションにおいて流暢さよりも正確さを過度に重視する教育の影響とも言えます。
英語の必要性に対する意識
他の多くの国々、特にヨーロッパやアジアの多言語国家では、
英語は国際共通語としての認識が強く、職業上の成功や学術的な交流に不可欠なツールと見なされています。
しかし、島国である日本は、単一言語での社会生活が十分に可能であるため、国民全体としての英語への切迫した「必要性」を感じる度合いが相対的に低い傾向にあります。
まとめ
日本人が英語を苦手とする理由は、実用性よりも試験対策に偏重した教育、日本語と英語の構造的な隔たり、そして間違いを恐れる社会文化が複合的に作用しているためです。
これらの課題を克服するには、教育現場での「アウトプット中心」へのシフトと、社会全体での「失敗を恐れず、伝わることを重視する」意識改革が求められます。






