城南コベッツ初石教室

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2023.08.10

現在(8/10現在)生徒の皆さんは一年で最も長いお休み、夏休みの真っただ中だと思います。

もちろん、我々城南コベッツとしては生徒さんの夏休みこそ夏期講習期間中であり、「夏休みは目一杯遊んでください!」というよりも、「夏休みは目一杯勉強しましょう!!」という立場です。

しかし、そんな生徒の皆さんに酷なことを言う学習塾も、8/11(金)~8/16(水)まではお休みを頂いています。いわゆるお盆休みというやつですね。今度こそ言えます。「お盆休みは目一杯遊びましょう!」

さて、夏休み中の生徒さんはもちろん、大人の大半さえも(もちろんお盆中働いてくださっている方々もいらっしゃることでしょう)休むことができてしまう「お盆」とは、一体なんなのでしょうか?

お盆とは、ちょうど夏のこの期間、毎年ご先祖様の御霊があの世から帰ってくるため、そのお迎えを行い、またあの世へ戻るために送り返す、という一連の宗教儀式を指します。

具体的にどんな儀式で迎えるか、送るのか、という儀式の内容については、各地方によって異なってくるため、割愛させて頂きますが、大体この「あの世」であったり「ご先祖様」であったり、といったキーワードが出てくることがほとんどです。

 中国などにも「盂蘭盆会(うらぼんえ)」という仏教行事があり、お盆のルーツの一つではありますが、いつごろから日本にお盆の風習があったのかは明確にはわからないそうです。ただ、8世紀ごろ(700年代ですから、奈良時代ですね!)には、夏に祖先の供養を行う風習があったと考えられているようです。

 と、言っても、令和の現在、それも東京のベッドタウンである流山で、厳格に宗教的な意味でお盆を全うしている人は多くないかもしれません。もちろん、これを書いている筆者もそうです。そんな現代人にとっては、お盆とは上記の「いわゆるお盆休み」でしかありません。ただ、宗教的意味合いは薄れても、せめてお盆の間はふるさとに帰る――いわゆる帰省シーズンとしてのお盆は、まだ残っているのではないでしょうか?

 帰省ラッシュというやつですね。2023年は、ここ数年コロナ禍で規制がままならなかった方も多いとみえて、大規模な帰省ラッシュが予想されています。8/10現在、数十キロの渋滞が首都圏で発生していますので、予想というか、実際にラッシュは起こっていますね。10日夜にはさらに渋滞は伸び、下りの渋滞ピークは明日11日になるとのことです。

ドライバーのみなさん、安全運転で無事帰省なさってください。また、お盆をおじいちゃん、おばあちゃんの家で過ごす生徒のみなさん。是非ゆっくり羽を伸ばしてください。

17日木曜日からは夏期講習後半戦が始まります。スタッフ一同、生徒さんの愉快なお土産話を楽しみにしています。

2023.07.21

 714日、映画「君たちはどう生きるか」が封切りとなりました。世界中にファンがいる巨匠、宮崎駿監督の、10年ぶりとなる長編アニメーション映画です。

 今日本でもっとも有名な映画監督である宮崎駿氏の10年ぶりの新作映画。さぞ多額の予算を掛けて大規模な宣伝、プロモーションが展開される......と思いきや、この映画は、「ほとんど宣伝、告知を行わない」という、従来の宣伝方法を逆手に取った大胆な戦略をとりました。結果、初週の興行収入で、同じく宮崎駿監督による大ヒット作、「千と千尋の神隠し」を超えたと、メディアが報じています。

 そんな「君たちはどう生きるか」。筆者も観てきました。率直な感想を言うなら「凄く面白かった!」です。主人公の葛藤はすぐに感情移入できましたし、奇妙で不思議なこの世とずれた世界での冒険は大変ワクワクしました。スタジオジブリが今まで創り上げてきた気持ちの良いアニメーションシークエンスをふんだんに再利用していて、「あ、ここはラピュタのアレだ」とか「あ、ここはハウルのアレだ」なんて感想が浮かんできたりして、嬉しかったりもしました。少年の葛藤と成長、ヒロインの持つ大いなる母性――といった、ストーリーのテーマも、宮崎駿監督作品としては王道といえるもので、わかりやすかったです。

 ところが今作は、現在、観た人によって賛否両論が渦巻いています。筆者のように「面白かった」という人々がいる一方、「意味がわからなかった」「展開について行けなかった」という感想もネットでは多く見受けられます。実際、作品完成後の試写会では、「おそらく、訳が分からなかったことでしょう。私自身、訳が分からないところがありました」という宮﨑駿監督のコメントが読み上げられました。作った本人さえ訳がわからないという作品。観た人が「意味が分からなかった」と思うのも無理はないのです。

 筆者は、「意味が分からない」という気持ちも理解できます。実際、観終わっても、「なんでなんだろう?」と頭を捻るような演出、表現もたくさんありました。しかし、それでも胸を張って「面白かった」ということができます。それは、「意味が分かる必要なんて必ずしもないのだ」と感じたからです。

 「君たちはどう生きるか」で描かれるのは、この世とは異なる、幻想的な世界での冒険です。そう、本作品は「ファンタジー」なのです。実際、先程触れたように広告も打たず、プロモーションも展開しなかった本作では、公開前にはほとんど情報は流されていませんでした。ただ、作品のジャンルが「冒険活劇ファンタジー」であるということだけは明かされていました。

 ファンタジー。本来の意味は「(自由奔放な)想像、空想、幻想、気まぐれ、酔狂、空想の産物、奇抜な考え、空想文学作品、ファンタジー、白日夢(weblio和英辞典)」という英単語です。ところが、(あくまで私の考えでは)、TVゲーム「ドラゴンクエスト」そして「ファイナルファンタジー」が空前の大ヒットを飛ばしたあたりから、その意味合いが変わってきたと思っています。

すなわちドラクエ、FFのような、中世ヨーロッパ的な世界を有する、剣と魔法の世界。TVゲームや、アニメーションにおいて、「ファンタジー」といえば、この狭義のファンタジーのことを指すことがほとんどになりました。

 

 その狭義のファンタジーを想像して「君たちはどう生きるか」を観ると、あまりに奇抜で、意味不明で、さらにその意味不明な数々に対して、映画内に答えもヒントも存在しておらず、途方に暮れてしまう。ということもあったのではないかと思います。

 しかし、上記の辞書どおりの「ファンタジー」を想像して本作品を観ると、自由奔放で、酔狂で、奇抜な、想像の産物――まさにピッタリ言葉どおりのファンタジーであった、と感じるでしょう。

 近年の日本の他の「ファンタジー」なアニメ作品と比べると、「君たちはどう生きるか」は、意味不明な作品といえます。しかし、「不思議の国のアリス」など、本来の意味のファンタジー作品と比べると、「君たちはどう生きるか」は、それらに勝るとも劣らない奇抜で奔放な発想で創られたファンタジーである。といえると思います。どちらの「ファンタジー」と捉えて鑑賞に臨むか。考えてから映画館に足を運んでみてはいかがでしょうか。

2023.07.04

74日。この日が何の日か知っていますか?

日本では祝日でも何でもないので、ピンとこない方もいらっしゃるかもしれません。

もし、「7(な)4(し)」だから梨の日では? と思われた方は、一応、その通りです。

ちなみに、現在梨の品種として有名な二十世紀梨は、明治のころ、松戸市に住むの松戸 覚之助さん(当時13歳)が親類のゴミ捨て場で見つけた苗を父子で育ててみたことが始まりだそうです。

そこから10年もの歳月をかけて、梨の栽培に成功。当時外務大臣や首相を歴任していた大隈重信も、この梨を食した際に「大変甘美で至極美味」と太鼓判を押したのだとか。

松戸覚之助親子は、その梨の苗木を、成功する農家に快く分けていきました。やがて、1900年代つまり二十世紀に入り、苗を譲り受けた農家のひとりが、新世紀を代表する品種となるように、と、この梨を「二十世紀梨」と呼ぶようになったんだとか。

閑話休題。

はい。7月4日は、日本ではなく、アメリカ合衆国の祝日。「独立記念日」です。

簡単な解説を行うと、1700年代、16世紀半ばころまでには、北米新大陸の、大英帝国の13の植民地は、イギリス本国にばかり有利で、植民地には不利であるような一方的な法律や課税に対して不満を抱くようになっていました。しかし、英国議会には植民地代表の椅子は1席も存在せず、指をくわえてみているしかありませんでした。

やがて、北米植民地は「No Taxation Without Representation(代表なくして課税なし)」のスローガンの元、イギリス本国と対立するようになります。

 1770年には、ボストンにおいて、植民地に住む市民集団の本国への抗議活動に対して、イギリス軍から発砲が行われ、5人の死者を含む死傷者が出てしまいます。

 また、同じくボストンで、3年後の1773年には、紅茶に関する植民地に不利な課税に憤った市民たちが、東インド会社の船に乗り込んで、積み荷の紅茶を港に投げ捨てる「ボストン茶会事件」が起こります。

 こういったことが引き金となって、1775年、イギリス本国と北米植民地は、戦争状態へと突入します。

そして、翌年の1776年7月4日、植民地の代表会議、大陸会議は2日前に作成された独立宣言を承認する議決を行い、ここに新独立国家、アメリカ合衆国が形成されたのです。

 だいぶ歴史の講義のようになってしまいましたが、アメリカでは現在でもこの7月4日を重要な記念日として、盛大に祝います。様々なイベントの他、軍隊のパレードや、花火大会が行われます。人々は祝日を楽しみ、合衆国国旗を振って、イベントに参加したりしています。試しに、SNSに# indipendence dayと入力して検索してみてください。花火の様子やイベントの様子を動画などで見ることができると思います。

現代の日本では、第二次世界大戦の際の全体主義の古傷から、国旗を振るほどの愛国心は眉を顰められることもあるかもしれません。一方で、星条旗の元、屈託なさげに独立記念日を謳歌するアメリカ国民の様子を、少し羨ましいかも、と感じた7月4日だったのでした。

2023.06.09

「近頃物騒になりましたから......」会話中にしばしば出てくる表現です。特に生徒さんの保護者の方には、お子さんへの心配と相まって、この台詞を実感されている方は多いのではないでしょうか。

 特に、マスコミ経由で流れてくる情報は、ロシアの戦争であったり、猟銃立てこもり事件などというショッキングなものであったり、SNSで若者に強盗を指示するような闇バイトであったり――。

「物騒だなあ」と感じるには枚挙に暇がありません。

 しかし、実は、警察庁が発表しているデータ上では、「近頃物騒になった」どころか、「戦後、日本の犯罪件数は減少し続けている」のです。(2022年は2021年に比べ微増だったようです。しかし、それでも2020以前より犯罪件数は減っています。)

つまり、「近頃物騒になった」というのは錯覚で、正しくは「日本に限って言えば、近頃平穏になっている」ということです。

にも関わらず、最初に書いたように、「近頃物騒になった」は、わりと実感のこもった常套句として、しばしば会話に登場するのです。

それは何故なのでしょう? 私見ですが、理由を考えてみました。

ひとつ目は、上記にもありますが、「マスコミの情報」です。マスコミは、当然ですが商売として、みんなが欲する情報を流します。「未曽有の凶悪犯罪」と、「うちの赤ちゃんが今日つかまり立ちをした!」というニュース。どちらが報道されるかは火を見るより明らかです。しかも、マスコミは次のショッキングなニュースが出るまで、同じニュースを掘り下げてこすり続けます。かくして、本来日本には、そこらじゅうで「赤ちゃんがはじめてつかまり立ちをした」というような明るいニュースで溢れているのに、マスコミは一件しか起こっていない「未曽有の凶悪犯罪」を流し続け、コメンテーターも「未曽有の凶悪犯罪」だけを見て社会の現状を語るのです。これでは「近頃物騒になった」と考えるのは、至極当然と言えます。

ふたつ目なのですが、そもそも、冷静に考えれば、「"近頃"物騒になった」という台詞は、近頃のみならず、昔から言われていたと気づきます。

実際、明治時代の新聞の広告欄を見てみると、「この物騒な世の中でも、ピストルがあれば安心して居られます。」というキャッチコピーの、銃砲店の宣伝がありました。

どうも人は、いつの時代も「近頃物騒になった」と考えるようにできているようなのです。年齢を重ねるほど、現在よりも過去がまぶしく見えてしまう。これは、「近頃の若者はけしからん」という台詞と似たような考えなのかもしれません。ちなみに、「近頃の若者は――」という言葉、実は古代エジプトのピラミッド労働者が、壁に書いた落書きにも残っていたそうです。

つまり、「近頃物騒になった」という事実はなく、人類は文明の黎明期から「近頃物騒になった」と感じる生物なのかもしれません。

みなさんも次に「近頃物騒になったし、心配だなあ」と感じることがあったなら、そのまま世間に対してストレスを感じるより、この記事を思い出して、「物騒と感じるのは何千年も前からだし、よく見まわせばニュースにならないだけの明るい出来事はいっぱい起こっているわ」と、すこし息を抜いてみてはいかがでしょうか?