城南コベッツ綾瀬中央教室

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2022.10.19

2022共通テスト、リーディングの第5問です。

第1問から第4問は以下のリンクから。
第1問
第2問
第3問
第4問


■第5問
ある人物(Philo Taylor Fransworth)について書かれた文章に答える問題です。
共通テストが始まる前に入試センターから提示されていた試行問題に沿った形式の問題でしたので、解きやすかった問題ではあったと思います。

プレゼンの形式に沿った表をまとめる問題です。

●問1
プレゼンのタイトルにふさわしいものを選ぶ問題です。
選択肢1は「大企業と戦った若い開発者」、2は「高校の先生から開発者として成功するまで」、3は「電気を作る、尽きない情熱」、4は「テレビの未来」
です。
全体の内容は、Fransworthがテレビの技術を考えたものの企業と特許について争って最終的にFransworthが勝利した話ですので、1が正解です。

選択肢2の「高校の先生」は確かに文章中に登場しますが、Fransworthの高校の先生は別人です。選択肢3の「電気を作る」というのは、Fransworthが引っ越した際にgeneratorがあり、それを直す、などの話はありますが、Fransworth自体が電気を発明した話ではありません。選択肢4については特に関連した内容は記載されていません。

●問2
プレゼンの項目「Early Days」を埋める問題です。Fransworthが若いころに何をしたか、何があったかということになります。

選択肢1は「generatorを買った」ですが、generatorは引っ越した先についていたので不正解。
選択肢2は「log cabinを建てた」ですが、log cabinは登場するものの、建てたという記載はありません。
選択肢3は「学校ですべての教科の本を読んで楽しんだ」ですが、これについての記載はありません。
選択肢4は「家族のために家庭の器具を修理・改良をした」で、これは第2段落に記載があり正解。
選択肢5は「畑で働いているときに、電子テレビのシステムを思いついた」で、本文第3段落にジャガイモ畑の様子から電子のイメージについておもいついた記載がありますので、これも正解です。

ということで正解は4,5です。

●問3
出来事を順に並べる問題です。表には、6項目あり、そのうちの4つを答えます。3番目と6番目を答える問題ですので、ある程度本文と比べやすくなっています。

5択あり、1つは本文に記載はありますが、6つ目の項目より後の話ですので、この点に気を付けたいところです。とはいえ、6個目の項目は「RCAがFransworthを訴えた」で、選択肢3は「RCAが第1段階で勝利した」ですので、この選択肢は初めに消去できます。

残り4つを「本文記載順」にならべると、
2「Fransworthが高校の先生とアイディアを共有した」4「アメリカ政府がFransworthに特許を与えた」5「Zworykinが特許を与えられた」6「FransworthがRCAの要求を断った」となります。
ところが、本文をよく読むと、Fransworthが1930年、Zworykinが1923年にそれぞれ特許を得ていますので、選択肢4、5は反対になります。

ということで、2,5,4,1の順が正解です。

【ここに注意】
解説にも書きましたが、出来事を順に並べる問題は、必ずしも本文記載順とは限りません。今回のように時系列が逆転するというケースは十分考えられますので、この点を意識して問題を解くことが大切です。

●問4
プレゼンの項目「Outcome」(結果)について答える問題です。最終的になぜFransworthが勝てたかという問題になります。

本文第6段落に、高校の先生がFransworthが黒板に書いたアイディアを残しておいたことが記載されています。これが選択肢3に一致します。

他の選択肢については本文中に記載がありません。それぞれ、本文中に同様の単語を使った記載もありませんが、使われいてる単語がやや難しいという点が誤答につながるかもしれません。

選択肢1「the acceptance of his rival's technological inferiority」
acceptanceはaccept(受け入れる)の名詞形、inferiorityはinferior(劣っている)の名詞形ですので、「相手企業が劣っていることを受け入れること」のようになります。
選択肢2は「the financial assistance provided by Tolman」
financialは「財政の」です。「Tolmanからの財政的な援助」のように訳すことになります。
選択肢4は「the withdrawal of RCA from the battle」
withdrawalはwithdraw(撤退する)の名詞形ですので、「RCAのバトル(裁判)からの撤退」となります。

●問5
プレゼンの項目「Achievements and Recognition」の3つ目の項目を答える問題です。

本文最終段落に、月面着陸をテレビで見た記載があります(Fransworthと妻がこれを見て振り返っています)。これが選択肢3「私たちに歴史的出来事を生で見ることを可能にした」に一致します。



◆重要単語・熟語・表現

・while ~ing「~している間」
本文第3段落のはじめに記載があります。気を付けたいのは、これは熟語としてとらえるのでなく、正しい使い方を知っておく必要があります。

そもそもwhileは接続詞ですので、いつでも後ろに直接ingを置いていいわけではありません(前置詞の後ろは動名詞ですが、これとは違うということになります)。

一般的に接続詞の後ろの主語+be動詞は省略されることがありますが、これは主節の主語と一致する場合です。具体的にみると、
While working in his father's potato field, he looked ~
とあります。この文の主節はhe looked ですので、whileの後ろはhe was が省略されているということになります。

そう考えるとwhileのうしろのingは動名詞でなく、現在分詞です。

英作文・ライティングで使う際には、気を付けて使いましょう。


・occur to 人 「考えがよぎった」
この表現はもう少し広げて、次の形で使えるようにしましょう。
 It occur to 人 that~
 It occur to 人 to~
It never occured to me.などというと、「思いもしなかった」というようになりますので、このまま覚えておくとよいでしょう。


・patent「特許」
今回のこの文章では、この単語の意味を取れるか取れないかで、内容の理解が変わったのではないでしょうか。この「特許」をめぐっての裁判になっていたので、Fransworthの高校の先生のスケッチが何の意味を持っているかが、「特許」に関連しているとわからないと、高校の先生のスケッチのおかげで(問4)ということも理解しにくいものになったかもしれません。


・provide 人 with もの「人にものを提供する」
このprovideという動詞は使い方が辞書によっても様々表記があるのでまとめてみます。
基本的に正式なのは、
provide 人 with もの
provide もの for 人
です。人と物が入れ替わった時に使う前置詞が異なります。

考え方としては(これは個人的なものですが)、provideはgiveのような第4文型にするのでなく、人・もの、の間にwithがいるというものです。さらに人・ものの入れ替えは、第4文型から第3文型への変換の際のtoかforの主に2択になりますが(askのofは除いて)、このときにforを原則とる、ということになります。

これが原則なのですが、上記にも触れたように、辞書によっては、
・forまたはto
・provide O O (Oは目的語、使える場面があるようですが)
という記載もあります。

ですが、例文として載っているのは、人withもの、ものfor人がほとんどな上、例外を載せていない辞書もありますので、基本的にはこのふたつで覚えておくのがよいと思われます。

個人的な意見では、長文内で見る頻度でいえば、人withもの、を一番多く見かけます。




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2022.10.18

塾を利用して成績を上げるというのはみなさんがご期待いただくことですが、その過程ではやはり「宿題」が非常に大切です。この宿題をどのようにやるのか、というのは正直大きな意味を持つと思っています。

たとえば、宿題をやるタイミングです。英単語30個の暗記の宿題を出したとして、これをいつやるのかで、覚えられる量が変わるのは言うまでもないことです。英単語の宿題であればやはり日々触れないといけないでしょう。

また、英単語にかかわらず、問題演習の宿題があったとして、これを宿題が出された一週間後、次の授業の直前にやったのでは、すでに内容を忘れてしまっている可能性があり、効果的ではありません。基本的には宿題はまず一度、学習したその日か翌日にやってしまうのが効果的と考えます。ある程度覚えているうちにやることで、きちんと問題を解くこともできますし、記憶の定着につながります。逆に上記のように、次の授業の直前にやろうとすると忘れてしまっており、結局「できなかった」「わからなかった」となり、悪循環を生みます。ギリギリにならないと宿題をやれない、という話はよく聞きますが、これは宿題を「出す」ことだけに意味を置いているからです。きちんと「できるように」という目的で宿題をやることを考え、一度早めにやり、あらためて次の授業の前日などに間違えたところをやり直す、などとすることが大切です。


直しやその練習も重要です。何かをできるようにするためにはきちんと繰り返し練習をすることが必要です。そのためにはきちんと採点をし、間違えたものはできるようになるまで練習したいところです。例えば計算問題であれば、ただ単にできるというだけでなく、スムーズにできるようになるかが大切です。他の人が30秒で解ける問題を自分は2分かかっているのではテストではおそらく解くことはできないでしょう。何度も練習して短時間で解けるようにする、という意識を持つことが大切です。


過程も重要です。特に数学では必要な途中式というものが多くの問題に伴いますが、最低限必要なものまで省略して解いてしまうケースが見られます。正直これは、数学の苦手な人に特に良く見られます。記憶が鮮明のうちは、ある意味できて当然なので、そこからさっそく省略して問題を解くことで、正しいやり方を覚えないことにつながり、次第に忘れていってしまうというのがその理由です。ですから、始めは徹底的に同じことを繰り返し、テストなどでも点を取れるようになれば、多少自分なりの書き方ややり方をしてもよいと思います。多くの場合、省略してしまうのは「面倒だから」が圧倒的に多い理由なので、この点は授業でも生徒さんたちに気を付けるように伝える機会が多いです。


このように宿題をやれるとはじめて「ちゃんと」宿題をやった、と言えるのだと思いますが、これが生徒さんたちにはやはり難しいことです。

当教室は個別指導塾ですが、学習内容をどう教えるか、だけでなく、どのように学習すべきか、ということも生徒さんたちに伝えていくのが私たちの役割だと思っております。

2022.10.11

2022年の共通テスト英語、第4問になります。

第1問から第3問については以下のリンクから。

第1問
第2問
第3問

■第4問

2人の書いたブログからの問題です。ここから、複数文書の照らし合わせが必要になります。これまでの設問以上に、どこに何が書いてあったかを覚えていられるかがカギとなります。

●問1

Lenが中古品を買うことを勧めている理由を選びます

選択肢1は「大学を助ける」ですが、「助ける」に関連して記載があるのは、地元の企業を助けるということですが、これそのものは中古品を買うことの理由にはなっていません。

選択肢2は「ほとんどの品が環境に良い」です。本文最終段落に、「中古品を買うこと(自体)がeco-friendly」とあるだけで、品物が環境に良いとは言っていません。

選択肢3は「中古品は学生が買うことができる」で、本文1段落目の最終行に、「ほとんどの品がリーズナブル」とあるため、これが正解です。

選択肢4は「急ぎ(hurry)で必要なものがみつかる」ですが、hurryに関しては、「在庫が限られているので、急いで!」という記載があるのみで、これも不正解です。

改めて正解は3です。

●問2

Cindyが買い物に関して何を勧めているか、という問題です。

選択肢1は「時間を省けるので大きいチェーン店で買う」ですが、「チェーン店」の話はCindyのブログの2段落目の最後のあたりに登場しますが、これは、「中古品がすぐ壊れたので、大きいチェーン店で買いなおした」という流れで登場し、チェーン店で買うこと自体を勧めているわけではないので不正解。
選択肢2は「一番いい値段で買えるのでホームページで買い物をする」ということです。値段の比較はしていますが、ホームページで買う、ということが当てはまりません。
選択肢3は「取り換えの保証のある新しいものを買う」ということで、Cindyは「中古品はすぐ壊れる」ということや値段の比較表はすべて新品であること、本文後半にすべて品に保証がついていることが記されており、これが正解です。
選択肢4は「新しい品物より安いので中古品を買う」というものですが、これも上記までの理由で不正解です。

正解は3です。

●問3

LenとCindyのどちらもが勧めていることを選びます。選択肢2「できるだけすぐ買う」のみ両方に記載がありますので、これが正解です。Lenは本文の絵が記載されている直前に、「stock is limited, so hurry!」とあり、Cindyは本文最終行で「Things go fast! Don't wait or you'll miss out!」とあります。

【ここに注意】
Cindyの「Things go fast! Don't wait or you'll miss out!」の記載は最終段落に1行だけあるものです。こういったところは見逃しがちですので、きちんと最後まで読み切りましょう。なお、ここでは違いますが、表などを含む問題の場合、1行程度で書かれている「注意がき」がヒントになることもあります。こういったことを知っておくと本番で訳に立つこともあります。

●問4

新品を買う際に、一番いい値段で買うならどうすべきか、という設問です。

新品についての問題ですので、Cindyが関係する選択肢から選ぶことになります。この時点で選択肢1,3ですが、これはここまでの流れで比較的すぐ選べる問題になると思います。正解は1になります。

●問5

一番安い電子レンジと5年保証がついているテレビがどこで売っているかを、2人の記事から探す問題です。

まず電子レンジですが、Lenのブログから、「Second Hand」では85ドルで、Cindyのブログから、「Cut Price」で88ドル、「Great Buy」で90ドル、「Value Saver」で95ドルでそれぞれ買えることがわかります。
しかし、Cindyのブログ第4段落に、Great Buyでは学生証の提示で10%の割引があることが書かれています。90ドルの10%引きは81ドルですので、これが最安値ということになります。

次にテレビですが、保証がついているのは新品の方なので、Cindyのブログで確認すればよいことになります。まず表から「Cut Price」で300ドル、「Great Buy」で295ドル、「Value Saver」で305ドルですが、同じく本文から保証についての説明を確認すると、
「Cut Price」は10ドルを払って5年保証を得られますので310ドルです。「Great Buy」は5年保証の記載がありません。「Value Saver」は基本1年保証が付きますが、300ドルを超えている商品は、保証が4年延び、5年保証という価値です。保証が有料という記載はありませんので305ドルということになります。

ということで、正解は電子レンジは選択肢2、テレビは選択肢4となります。

【ここに注意】
解説にも書きましたが、表のみで判断すると誤答につながります。時間のない中で、あわてると本文の確認を忘れることがあります。特に今回の問題は条件が別々に記載されていますので、落ち着いて処理することが大切です。
繰り返しになりますが、2つの文章を読むことになりますので、本文を読む際にどこに何が書いてあるかをよく覚えておくことが大切です。共通テストでは線をひく、などのことは可能ですので、読みながら後で問われそうなところに印をつけておくとよいでしょう。


◇重要単語・熟語・表現

・I wish I had~ 「~したらよかった」(仮定法)
この本文でのhadは完了形のhadで、仮定法過去完了です。
I wish I had been able to compare~ とつづき、「比べることができたらよかった」と言っています。本文の中にこういった文法が登場したときに、これをしっかり意識して読むことができるようにしておきましょう。

・straightfoward「簡単な」「複雑でない」
 
・enrollment「入学」
enroll「入学する・登録する」の名詞形です。
本文では「proof of enrollment at a school」とあり、直訳すると「学校に入っていることの証明」ですので、上記解説では「学生証」としました。



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2022.10.08

中3生はいよいよ志望校が固まってきていますでしょうか。それによって当然目標点が変わってくると思いますが、神奈川県の入試では多くの場合、数学と国語の点数がカギとなります。

国語は他教科に比べて難易度が安定しており、毎年の平均点(合格者平均)は60点~70点となっています。5年に1度程度難易度が上がることもありますが、およそ国語でまずこの平均をしっかり確保したいところです。

そして、数学ですが、こちらは全体の難易度こそ変動はしますが、およそ50~60点分は毎年ほぼ同様の問題が出題されるので、まずはこの点を目指して勉強するというのが基本的な考え方です。

この国語と数学を最低限100点~120点取ることを目指して、他の教科で目標点を決めるというのが多くのケースです。

そこで今回は数学で、50点取るためにすべきこと、さらに、50点~80点のためのすべきこと、そして80点以上を取るためにすべきこと、をそれぞれご紹介してまいります。皆さんの目標点や受験校に合わせてご参考にしていただければと思います。

■50点を目標とする場合

すでに述べたように、神奈川県の数学の問題は約5割~6割程度、毎年同様の問題が出題されており、50点を目標とするのであれば、これらを重点的に練習することになります。では、どのような問題が出題されるか見ていきましょう。

●計算問題

毎年、計算問題が出題されますが、問1と問2に分かれることが多く、問1は順番に、

正負の数の計算(整数)、正負の数の計算(分数)、文字式の計算、平方根の計算、式の展開

およそこのようになります。年により問1の出題数が変わったりなどはありますが、出題される計算問題の種類は平成のころよりほぼ変わっていません。

問2は小問集合ですが、はじめの数問が計算問題です。ここで出題されるのが、

連立方程式、2次方程式

です。ここ近年はこのように7問出題され、すべて正解することで23点となります。

はじめに行う対策としては、この計算問題をすべて正解することです。このとき、これを1つでも落とさないようにという意識で普段の練習をすることが大切です。出題される問題がほぼわかっているので、これらを徹底的に練習します。問題自体の難易度は決して高くないため、毎日練習すれば多くの場合ここでの全問正解を実現することは可能です。県入試用の対策問題集を用いて計算問題の章を5周程度行えば、数学が苦手な生徒でも解けるようになるケースは多いです。

●小問対策

まず、神奈川県の数学の小問で非常に出題頻度の高い問題があります。それが、

・2次関数の変化の割合の問題
・2次関数の変域の問題

です。特に変化の割合の問題は数年連続で出題されることが多く、この問題が出題されないときに、変域の問題が出題されるということがあります。

あくまでイメージですが、およそ4年に3回変化の割合の問題、残りの1回で変域の問題、という具合です。

次に出題頻度の高い問題が

・平方根の根号を外すための最小の自然数nを求める問題

です。これは他の大問との融合をされることがありますが、比較的よく出題されます。この問題は主に3パターンほどありますので、それらすべてを練習しておきたいところです。

また近年では

・式の値

の問題がよく出題されます。これは基本的には計算問題ということになるので、計算問題とともに練習するのがよいと思います。

これらの小問は問2に出題されます。ここでこれらの小問2問正解できると8点になります。前述した計算問題と合わせると31点になります。

●2次関数の大問

毎年出題されるのが2次関数の大問ですが、ここでは小問が3問出題され、このうち2問は平成のころから同様の問題です。以下の二つです。

・y=ax^2のaを求める問題
・直線の式を求める問題

です。関数ということで、難易度は少し上がりますが、出題されることがほぼ確実な状況ですので、練習をすることで克服ができます。

まず上の比例定数aは基本的には放物線上を通る1点の座標を求めれば、それを代入して求められます。このとき、この座標をを求めるために、少し手間のかかる問題が出題されることがあります。多くのケースが座標平面内で比を使う問題で、この練習をが少し難しいことはありますが、ある程度練習すれば慣れることができます。ですので、この問題の正解率は毎年非常に高いです。

次の直線の式を求める問題ですが、これが少し手がかかります。年によっては分数を処理することになり、必要な情報(基本的にはこの直線を通る2点の座標)を求めるのに時間がかかることがあります(こういったときは本番ではいったん次の問題にとりかかることが大切です)。少なくとも2直線の交点を求めたり、代入等の処理を練習しておくことは欠かせません。

この2問が9点分になります。ここまでで累積すると40点ということになります。

●確率

神奈川県の確率の問題は多くの場合、2つのサイコロに関する問題です。ですので、最大でも36通りということになるので、極端に言えば36通り全て調べれば得点できるということになります。

この時に1つポイントがあります。別の項で後述しますが、基本的にはここはおよそ8分まで時間をかけていいのですが、50点目標の場合であれば、いわゆる難問は解く必要がありませんので、ここで8分よりも多くの時間を取ることができます。解くべき問題、解かない問題をしっかり決めて時間配分を考えることで、およそここでは10分程度までは時間を使えます。

ここで確率は2問出題されますが、できれば2問正解し、10点を取りたいところです。ですが、本番の緊張からか、2問正解はなかなか難しいため、1問正解でも十分です。これで5点獲得でき、ここまでで45点です。

●空間図形

ここでの小問は3問です。このうち比較的難易度が易し目なのが年によって1問ないし2問出題されます。

この時比較的よく出題されるのが、

・立体の体積

です。これは中学1年の学習内容となっており、毎年正解率が高いです。ここで1問正解できれば4点となります。

前述したすべての問題を正解すると49点ということになります(配点が年によって多少異なるため、前後することはあるかもしれません)。このように、50点目標の場合は、どの問題を正解すべきか、ということがすべて決まっているのが神奈川の入試です。ここに取り上げた問題をとにかく集中して練習することで目標点獲得を狙っていくことになります。

これに少し余裕をもって50点を目指すのであれば後述の中難度の問題を一部解くことになります。

すでに前述したように計算問題だけでも50点中およそ半分得点できることになるので、数学で10点台、20点台になるということは少ないです。従いまして、計算はある程度できるというケースの場合は、関数および確率を特にしっかり練習することが目標点到達のカギとなります。


■50点~80点を目標とする場合

上記であげた49点以外に中難度の問題がもう少しあります。50点を必達とする場合~7割を確実にとるという場合に、これらの問題を解けるようにしていく必要があります。
それが以下の問題です。

1. 問2 文章題 
2. 問3 証明問題  
3. 問3 資料の整理 
4. 問5ーイ 確率 
5. 問6-イ 図形 

これらを含めて、平均して7割を取るためには以下のように点数を取ることが必要となります。

問1 全問 15点
問2 全問 20点
問3 約15点
問4ーア・イ 9点
問5 全問 10点
問6-ア・イ 9点
合計 78点

基本的に8割程度は標準問題が出題される、というのが教育委員会から提示されていることですので、これらを取れるようにしていくというのが基本的なことになります。

追加の中難度の問題について少し細かく見ていきます。

1. 問2文章題
ここ数年よく見かけるもので、中1の1次方程式の文章題が出題されることが多いです。基本的に1次方程式の文章題は、
個数・代金、過不足、速さ
の問題が定番です。まずはこれらをしっかりと練習しておくことが大切です。
なお、以前は文章題が問3に出題されることがありました。本来は定番の問題でしたが、有名な解き方とは違う解き方をさせる問題でしたので、苦戦を強いられた人は多かったようです。

2. 証明問題
近年は穴埋め問題になっており、比較的正解しやすい問題になっています。証明の基本を練習しておけば対応できます。すべてを自分で書けるようにする練習もしておくと本番では取り組みやすいでしょう。
なお、証明問題の続きで角度問題などの小問が一緒に出題されることがあります。基本的には円の問題になりますので、円周角などを利用する問題の練習が必要です。

3. 資料の整理
中1で学習する度数分布表などの問題です。中央値、最頻値などの用語や求め方を確認しておきましょう。
なお、今後は中2で学習する「箱ひげ図」などが出題されるかもしれません。

4. 確率
50点目標の際に述べたものです。7割・8割を取る場合はここの確率は確実に2問正解が必要です。

5. 空間図形
多くの場合、空間内の長さや面積を求める問題です。三平方の定理を使うことになりますが、比較的定番問題が出題されることが多いです。補助線の引き方などをしっかりと練習しましょう。


これらがしっかりと得点できれば7割を超えることができます。最近の数学の問題では7割を超えるのは比較的難しくなっていますが、この場合でも最難関の問題の問題は本番で解く必要はありません。解かなければいけない問題に集中した対策に専念することが大切です。


■80点以上を目標とする場合

これはとにかく広く練習する、ということにつきますが、気を付けなければいけないのは、まずはここまでに書いたおよそ8割の標準問題を確実に正解できるようにすることです。入試というプレッシャーのかかる中、標準問題をそれぞれの決められた時間で、正確に解くかという「得点力」を鍛えることは欠かせません。

そこでまず時間配分を確認しましょう。各大問にかける時間は以下の通りです。

問1・問2 あわせて8分
問3 8分
問4 8分
問5 8分
問6 8分
計 40分(試験時間:50分)

10分残りますので、難問を含む問3、問4、問6にかけることにはなりますが、見直しの時間も必要です。こういった時間配分もしっかり意識して、過去問や模試であらかじめ決めた時間配分に解けるか、ということを練習していきましょう。

得点力という点でもう一つ重要なのは、わからない問題が出てきたときの対応です。比較的早い段階で難問に出会うことがありますが、この時に必要以上に時間を取られると、そのあとの易しい問題を落としてしまい、全体的に大失点につながることがあります。これは絶対に防がなければいけません。わからない問題は●分で一度抜ける、というようにきちんと自分でルールを決めて、問題を解くようにしましょう。


さて、ここで、難問の対策をどうするか考えます。基本的には以下の3問が難問の出題箇所です。

・問3の図形問題
・問4の関数の最後の問題
・問6の空間図形の最後の問題

です。年によっては正解率が2%台となるなど、非常に難しいものになっています。県立最難関高を受験する場合にはこれらも正解できるように対策をしていく必要があります。

ところでこれらの問題は、高校受験数学全体を考えれば、超難問というものが出題されるわけではありません。たしかに公立高校の入試問題(全員が同じテストを受けるという意味で)という観点では難しいものですが、難関私立・国立高校を含めた数学の問題全体でいえば、比較的定番問題であることが多いです。

そのように考えると、実はある程度対策はしやすいものです。それぞれの単元の有名な応用問題を解く練習をしていくことが非常に有効です。公式やテクニックはもちろん、どういったときにどういう補助線を引くのか、というセオリーをしっかりと頭に入れておくと効果的です。慣れてくれば、入試でこれらの問題を見たときに、「あ、これね」となると思います。

ただし、とはいえ定期テストのレベルは十分に超えた内容になることが多いので、自分では対策しづらいものも多いと思います。こうした問題に精通している人に質問をするなども不可欠にはなるでしょう。

注意点としては、これらの問題は、これまでの傾向にはよらないということです。近年の神奈川県の数学では、これまでに出題されたことのないものも出題されていますので、傾向だけに頼らず、幅広く対策が必要です。



いかがでしたでしょうか。今後入試対策をする上で参考になることがあれば幸いです。
上記の内容についてさらに詳しくお聞きになりたい場合はご遠慮なく連絡ください。

なお、城南コベッツでは、これから受験対策のために通塾をしたい、という方もお受けしております。お子様の志望校に合わせて、学習内容をご提案しますので、ぜひご相談ください。


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2022.10.04

いきなりですが問題です。

「この国は訪れる価値がある」

これを日本語に訳した時に正しい英文はどちらでしょう。

1. This country is worth visiting.

2. This country is worth being visited.

選択問題のむずかしさは、あえて比べることで混乱して騙されるというのがありますが、
先に答えを書くと正解は1です。

ここでbe worth ingの意味を確認しておくと「~する価値がある」ということですので、
確かに1で正解ではあります。

ですがここで1つ疑問が残ります。そもそも「this country」は本来は「訪れる」でなく「訪れられる」ものですよね。とすると、「訪れられる価値がある」と考えて、2のように

worth being visited

とするべきではないのか、と思いませんか?
選択問題ですとこうしたことを考えてしまい、惑わされるケースも少なくないと思います。

実は、be worth ~ingのingには受動の意味が入っており、受動態にせずとも「される」の意味が入っています。

ですから、This country is worth visiting.は「この国は訪れられる価値がある」というのが「実は」正しい訳というわけです。

とすると、be worth ~ingは本来は「~される価値がある」と覚えるべきでないのかと思いますよね。多くの参考書には「~する価値がある」と書いてありますが、これはなぜでしょう。

よくよく考えるとこれは簡単です。どちらがより自然な日本語かといえば、やはり「~する価値がある」の方が実際に使う日本語だからかとおもいます。

それこそ、「この国は訪れられる価値がある」よりも「この国は訪れる価値がある」と言うでしょうし、
また、「この時計は買う価値がある」とはよく言うと思いますが、「この時計は買われる価値がある」とは言いませんよね。

ですから、be worth ~ingは「~する価値がある」というような訳で表記されているというわけです。

同じようにingに受動の意味が入るものとして、
need ~ing
want ~ing
があり、いずれも「~される必要がある」と訳しますが、これも自然な日本語にするなら「~する必要がある」ということです。とはいえこちらは多くの参考書では「~される必要がある」という記載が多いです。

これは、need to「~する必要がある」と区別する必要があるからかと思います。

この場合のto~に受動の意味はありませんので、
need toをつかって、「この部屋は掃除する必要がある」を訳すと、
This room needs to be cleaned.
のように、後ろは受動態にする必要があるわけです。

なお、もちろん、ingを使って、
This room needs cleaning.
も正解というわけです。

今回紹介した熟語は正しい使い方を把握していないと誤答につながりますので、この機会にぜひ整理しておきましょう。


こうした疑問は英作文やもっと長いライティングをやっているときに、いざ使う場面が来ると、ふと思ったりするものです。ですので、覚えたものを、実際に自分で使う機会を多くとるようにしてみましょう。その中で正しい使い方を学んでいってください。


ということで最後に、「この時計は買う価値がある」を英訳してみください。



This watch is worth buying.
が正解です。






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