2026.10.06
「本記事では、夏期講習における戦略チューター(教室長)としての実際の指導をもとに、生徒と深く向き合う中で生まれた「変化」についてご紹介します。」
中学3年生のAさんは、夏期講習前、受験に向けていくつもの不安を抱えていました。
英語への苦手意識が強く、学習そのものを避けてしまうことが多く、TANRENの時間も得意な数学ばかりに取り組んでいました。進路についても「なんでもよい」「どうせ無理」といった言葉が先に出てしまい、自分の未来を自分事として考えることが難しい状態でした。
さらに、周囲には城南コベッツ以外の塾も含め多くの大人が関わっており、保護者も熱心に学校見学などに足を運ばれていましたが、そのぶん生徒本人は「誰の意見を信じてよいのか」が分からなくなり、混乱している様子が見られました。
---
### Before|夏期講習前のAさん
学習面では、英語が大きな課題でした。
英単語や重要表現、文法に対する苦手意識が根強く、TANRENの時間を得意な数学に費やしてしまうことで、英語の学習時間がどんどん減っていました。
進路面では、週次面談で志望校や志望校選びの基準を尋ねても、「なんでもよい」「その学校はどうせ無理」「一般受験なんてできるはずがない」といった消極的な発言が多く、「こうしたい」「こんな学校生活を送りたい」という前向きな気持ちが見えにくい状態でした。
保護者は、生徒の進路に非常に熱心に向き合われており、高校見学にも積極的に足を運ばれる方でした。一方で、生徒の気持ちや適性、実現可能性などを十分に整理しきれないまま、さまざまな意見が生徒に伝わることで、生徒自身がさらに迷いを深めてしまう側面もありました。
---
### 教室長の工夫
夏期講習では、まず英語学習の時間を確保することから取り組みました。
TANRENの時間配分を大幅に変更し、英語の単語暗記や重要表現の暗記、授業の復習が必ずできるように週次面談で計画を立て直しました。楽な数学に戻ってしまわないよう、担当講師だけでなくTANREN担当の講師にも状況を共有し、教室全体で英語学習への取り組みを支える体制を整えました。
また、らくプリを活用し、間違えたら何度でも取り組み、満点を目指す形で小さな成功体験を積み重ね、英語への苦手意識を少しずつ薄めていく工夫をしました。
進路については、週次面談の中で講師自身の実体験を交えながら、高校とはどんな場所か、将来のためにどうして必要なのかを具体的に伝えました。
一緒にパソコンやタブレットを開いて学校のホームページや入試案内を見ながら、部活動の実績、大学進学率、通学のしやすさなど、生徒に合った観点を整理し、毎週少しずつ学校調べを進めました。生徒の表情や反応の変化を細かくキャッチしながら、どのような学校に興味を持っているのかを一緒に確認していきました。
さらに、多くの大人の意見に振り回されがちな状況を踏まえ、「自分はどうしたいのか」「NOを言っても良い」というメッセージを繰り返し伝えました。判断に迷ったときには必ず「○○くんはどうしたい?」と問いかけ、「どうしてそう思ったかな?」と理由まで整理することで、自分の判断軸や価値観を言葉にできるよう支援しました。
---
### 夏期講習での取り組み
夏期講習では、中3プライムコースの個別32コマ(国語10コマ・数学12コマ・英語10コマ)に加え、マスターテストゼミ各種、TANREN39デイズ、理科・社会の夏期講習にも取り組みました。
英語では、TANRENの時間に単語・重要表現の暗記や授業内容の復習を優先し、らくプリでの反復演習を通じて、できる問題を増やしていくサイクルを作りました。
進路面では、面談のたびに高校の情報を確認しながら、「部活はどうか」「進学実績はどうか」など、生徒自身が納得できる条件を少しずつ整理していきました。学校のホームページを自分で見る習慣をつくり、気になった学校について感想を共有してもらうことで、「高校選び=自分のこと」として考える時間を増やしました。
---
### After|夏期講習後に見られた変化
夏期講習が終わる頃には、Aさんの行動と意識に明らかな変化が見られました。
英語については、学習時間が大幅に増加しました。TANRENの時間だけでなく、先生が見ていない場面でも自分から英語の自習に取り組む姿が見られるようになり、「英語を避ける」行動が減っていきました。
進路については、他人事だった志望校選びが、自分の言葉で条件を絞れる段階に変わりました。自分からインターネットで部活動体験に申し込み、練習に参加したうえで、部活や学校の雰囲気について話してくれるようになりました。
「この高校めっちゃいい」「ここは部活楽しそう」といった前向きな言葉が増え、他の高校との比較検討もできるようになり、夏期講習の終盤には、自分から数校の候補を挙げてくれるまでになりました。
最終的には、自分の意志で、理由を持って志望校・受験形式を決めることができました。
定期テストの成績こそ伸び悩んでいたものの、学校での過ごし方や授業態度は良好であったことから、「私立単願推薦が自分に合っている」と判断しました。中学での反省を踏まえ、高校では早めに勉強へ意識を向け、大学進学を目指したいという希望も語り、成績によって進級時にコース変更が可能な高校に魅力を感じるようになりました。自己分析を行い、自分なりの理由を持って進路を選べたことは、大きな成長です。
---
### 教室長からのメッセージ
Aさんは、毎日欠かさず来校し、努力を積み重ねてきました。
これからも、自分自身を信じ、応援してくれている周りの方を信じて、後悔のないように全力で挑んでほしいと考えています。
この夏に育った「自分の意志で選ぶ」という感覚を大切にしながら、高校入学後も学びを重ね、自分の進路を主体的に切り開いていけるよう、教室として引き続き伴走していきます。






