城南コベッツ玉川学園教室

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2025.06.13

大学の芽6月号
城南進学研究社 教育事業本部発行(5月28日)

「トップランナーとの対話で「学び」考える 高校生の「未来トーク」」

2024年5月8日、高校生が「学び」について主体的に考えるきっかけを提供するイベント「未来トーク COLLEGE」が、参議院議員会館で開催された。
教育のトップランナーである大学教授や教育実践者らが登壇し、首都圏の高校生約50人が対話やパネルディスカッションを通して学びの意味を深めた。

パネリストには、日本大学の末冨芳教授、フリースクール主宰の井本陽久氏、企業取締役の竹中紳治氏らが登壇。
彼らはそれぞれの高校時代や学びの経験を語りながら、
高校生に向けて「悩みながら学ぶ時間の価値」「アウトプットから逆算した学びの重要性」「正解のない社会を生き抜くための自分自身への問い」などの視点を伝えた。

イベント後半では小グループでの対話が行われ、生徒たちが「どんな学びの仕組みが必要か」「どうやって学びたいことを見つけるか」など率直な質問を投げかけた。

参加した高校生からは、「進路選択の本質に気づいた」「自分のワクワクを信じて将来に希望が持てるようになった」といった前向きな感想が寄せられ、学びへの意識の変化が見られた。
 (「教育新聞」2025年5月9日号掲載記事参考)

<編集後記>
 社会の第一線で活躍している人のアドバイスは役に立つだけでなく、モチベーションの向上にもつながりますので、こうした催しはとても有意義なものです。一方で、このように現状である程度自分のビジョンを持っている生徒だけでなく、「将来のビジョンがない」「やってみたいことが見つからない状態」の生徒も多いはず。そんな生徒にお勧めなのがこの夏、各大学で行われるオープンキャンパスです。知っている大学、憧れの大学へ2,3校参加してみると良いでしょう。

======[村上の雑感]======

「高校生に社会で活躍している人の話を聞いてもらった」というニュースですが、ここには
・高大接続
・学校授業の「総合的な学習」「探求」
・大学の推薦入試
というテーマが隠れているように感じました。

高大接続は、大学での学びへの移行をスムーズにするために取り組まれており、
小学校で「総合的な学習」が開始され、高校では「探求」という授業が開始されています。

一方、現在の大学中退率は年間2%程度。
4年通うと8~10%程度の中退者がいます。
その理由としては「やりたい事とのミスマッチ」が多くなっています。
(学業不振や起業、進路変更など様々な「やりたい事とのミスマッチ」があると捉えています)

せっかく入った大学(仕事)と合わないという事がないよう、
一般入試より入学者が多くなった推薦入試では志望理由が重視されています。

授業内容は学校、学年、先生によって変わることもありますが、
今後、やりたいことを見つけるための「探求」の授業はより重視されていくと私は感じております。

「総合的な学習」「探求」がどのように重視されていくか、今後も流れを見ていきたいと思います。

2025.06.01

高校Wacth6月号
城南進学研究社 教育事業本部発行(5月28日)

「公立高校入試の併願制/専門高校への影響など課題と文科相」

2024年4月25日、阿部俊子文部科学大臣は、
石破茂首相が指示したデジタル技術を活用した公立高校の入試における併願制導入について、
課題とメリットを整理し、自治体や高校関係者の意見を聞きながら検討を進める考えを示した。
併願制導入にあたっては、専門高校への影響や学校の特色・魅力が損なわれないか、
個性と能力が十分に評価されるかなどの課題が懸念されている。

一方、阿部大臣は入試の出願方法のデジタル化を進めることの重要性を強調し、
利便性向上や教職員の負担軽減につながるとして「積極的に進めていくべき」と述べた。
公立高校の入試は現在、単願制(1校のみ志望)のため、
デジタル技術を使った併願制導入は受験生にとって新たな選択肢を提供する可能性がある。
「単願制についても、これまでも受験機会の複数化、選抜方法の多様化の配慮を各教育委員会に求めてきたところだが、地域の実情に応じてさまざまなメリットや課題があると考えている」と述べた。
(「教育新聞」2025年4月25日掲載記事参考)

<編集後記>
 併願制は受験生にとってはメリットのほうが大きいものかと思いますが、各都道府県には長年で築き上げられた「文化」というレベルの入試制度がありますので、一気に変えるのはなかなか難しく、時間をかけてしっかりと準備をしないと混乱を起こすでしょう。
そこにデジタル出願も合わせると大きな変更になります。
高校受験が大学受験のように「情報戦」「テクニック勝負」になるリスクも考える必要があるでしょう。今後に注目です。

======[村上の雑感]======
公立高校入試の併願制が検討されているというニュースですが、これは併願になったら良い/悪いではなく、
・私立無償化と都立高校倍率
・学校の統廃合
についてのテーマであると感じました。

私立無償化の影響も受け、24年度は都立高校の25%が定員割れをしています。
コロナ以降この%は止まっているように思えますが、
23年度から24年度にかけ、中3生数は416人増加した中、都立全日制高校の募集人員は395人削減。
25年度は206人減少で募集数は320人削減しました。
しかし、実質倍率は1.27倍。
併願制を検討するのはこういった事からではないかと考えてしまいます。

また、2036年度には公立中学3年生が現在より約1万3,000人減少すると予想されています。
少子化を受け、首都圏でも前倒しで学校の統廃合が進む中、
小・中学校の統廃合は利便性などの問題が出ますが、
高校が統廃合されていくと、進路選択がより難しくなっていくように感じます。

神奈川では対象学年が減少する2年前から定員削減や統廃合を進めているので、
対象学年でないからと言って安心できるものではありません。

まだ先の話になるかとは思いますが、
個人的には「大学の芽(6月号)」で書いた「探求」の授業が、今後の高校選択のポイントになっていくような気がしております。

2025.05.15

"大学最前線vol.49"・城南進学研究社発行

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======[村上の雑感]======
資料下部では「国際化を進める現状の流れ」とありますが、
コロナ以降、国際系の人気が落ち着いたという現状もあります。

確かに、コロナ以前(予備校責任者をやっていた頃)と比べ、
大学卒業後の進路を聞くと出てくる、「国際的な」「海外で」という生徒が減ってきたように感じています。

また、国公立大学が多くTOP100に入っていますが、
巷で聞く、私立大学におけるグループで注目をしました。

早慶上理、GMARCHは全てTOP100に入っていますが、
明成成国武では武蔵大学のみ
日東駒専では東洋大学のみがTOP100に入りました。

このランキングが人気(=倍率)に直結するとは考えませんが、
この先、国際化を全面に出すのか、
その大学の推薦入試の割合がどう変えていくのかといった、
大学側の戦略に違いは出て来るかも知れません。

2025.05.01

大学の芽5月号
城南進学研究社 教育事業本部発行(4月28日)

「総合型選抜や英語民間試験の活用進む(24年の大学入試実態調査)」

文部科学省が2024年4月に公表した調査によると、
2024年度大学入試では国立大学を中心に総合型選抜の割合が増加し、
英語資格・検定試験の活用も進んでいることが明らかになった。
調査は全国の全大学・短大(計1069校)を対象に行われ、回答率は100%だった。

大学全体で見ると、
一般選抜は47.1%に減少し、総合型選抜が22.2%学校推薦型選抜が30.7%となった。
特に国立大学では一般選抜の割合が減少し、総合型・推薦型の導入が進んでいる傾向が見られる。

また、英語力評価の多様化が進み、
英語資格・検定試験を活用する大学の割合も増加。
一般選抜で28.1%、総合型で34.1%、推薦型で27.1%が活用しており、
特に私立大学では一般選抜での利用が3割超と高い。
一方、国公立では英語資格試験の活用が限定的である。

共通テストの利用状況では
、**国立大学96.2%、公立大学98.5%**と微増したが、私立大学では44.5%とやや減少。
科目数では、国公立が7科目、私立は2~3科目の利用が多い。

文科省は、急激な制度変更は見られないが、
「学力だけでなく多面的な評価」を重視する流れが進んでいると分析。
英語資格試験の活用は、受験生が英語力を示す機会を広げる利点もあると評価している。
 (「教育新聞」2025年4月1日号掲載記事参考)

<編集後記>
 総合型選抜(旧AO入試)の増加はもう10年以上続いていますが、
今年度からは「基礎学力テスト」という新たな入試が中堅レベルまでの私立大学で一気に導入されると思われます。
(総合型選抜に組み込まれるものと思われます)
この入試は英検®など英語の外部検定を取得していると非常に有利になることから、
早期からの対策が大学受験の結果を左右することになるはずです。

5月号大学の芽.png5月号大学の芽.png

======[村上の雑感]======
東洋大学の公募制「学校推薦入試 基礎学力テスト型」は25年度入試の大きなトピックでした。
募集人員578人に対して約2万人が志願するという、とんでもないことがおきました。
(受験料3万5千円の2万人分は7億円と考えると規模や与えた影響の大きさが分かります)

また、「大学最前線」でも触れられていますが、今後の入試にも影響があると予想されます。
議論が巻き起こった東洋大の公募推薦(基礎学力テスト型)ですが、
高校と大学の関係者からなる「大学入学者選抜協議会」は
『面接や小論文など2種類以上の評価方法を組み合わせて丁寧に選抜』するようにとし、

年内の基礎学力試験を事実上認める方向となりました。

「大学の芽」の入学者における推薦入試の増加を考えると、
高1からの高校評定や、
基礎学力(高2までの学習が多くなる予想)が重視される風潮は強くなってくると思われます。

中学生は定期テストだけでなく、単元テストが導入され、日々の学習が重視されてきていますが、
高校生も高1生になった瞬間から日々の学習が大事になることがほぼ確定しています。
(高1,2生は部活頑張って、高3生は一般入試に向けて受験生モード!という時代ではないということ)

高校生になると、活動範囲も広がり、部活、バイト、遊びと幅が広がりますが、
受験情報から状況を読み取り対策をしていきましょう。

2025.05.01

高校Wacth5月号
城南進学研究社 教育事業本部発行(4月28日)

「辞書を使った学びの意義は? 辞典協会が教育関係者に調査」

ネット検索の普及により辞書の役割が見直される中、
辞典協会は教育関係者1万5008人を対象に、
辞書を使った学習の実態と効果について初めてアンケートを実施した。
結果、約7割の教員が紙や電子辞書の利用を子どもに勧めており、
9割近くが学力向上につながると考えていることが分かった。

特に小学校教員は紙の辞書を重視しており、
語彙指導において「紙とデジタルの併用」が最も支持された。
辞書を使うことで伸びる力としては「語彙力」が最多で、
次いで「情報収集力」「読解力」が挙げられた。
英語教員からは「表現力」を重視する声も多く、
話す・書く力の育成に辞書が有効とされている。

自由記述では、
「例文や語句の由来、同義語、対義語など一つの単語から背景や多くの情報が得られる」
「探す根気強さと見つけるまでの情報収集力、語彙力の増加は学力の向上につながると思うため」
「自分自身で調べた方が記憶に残り、理解が深まると思うから。また、関連する言葉などへ関心が広がると思うから」
などが辞書の意義として挙げられた。

(「教育新聞」2025年4月11日掲載記事参考)

<編集後記>
重くてかさばる紙の辞書よりも、スマホで調べるほうが手っ取り早さも含めて圧倒的に便利でしょう。
しかし、「学び」という点では「探す」過程から理解の道筋があるようにも思います。
「紙に書く」学習のほうが記憶に刻まれるという実証結果もあり、北欧ではタブレット学習から旧来の学習スタイルとの共存に移行する動きもあります。
効率的なことが必ずしも最善ではないというのも面白いところですね。

辞書グラフ.png

======[村上の雑感]======
辞書のメリットとして「探す根気強さ」が挙げられていますが、個人的には何かを調べることが、WEBで簡単になったことや、
画像や音声なども確認できることは学びの広がりとして良いことだと思っています。

一方で、「関連する言葉などへ関心」とありますが、私は「関連しない」「(その時に)興味のなかったもの」に触れられることが紙媒体の良い面だと感じています。

WEBではアルゴリズムによって興味のあるものばかりが提案されるようになりましたが、思いもよらないものに触れられることが紙媒体や実体験の良さであると思っています。

例えば、
・肉と野菜を買いにスーパーに行った際、香辛料のコーナーを見ることで粒胡椒を切らしてることを思い出したり
・文化面を見るつもりで新聞を広げた際に、政治・経済の記事に興味を持ったりと
自分の興味/関心のなかったところに触れるからこそ、幅が広がっていくのではないでしょうか。

是非、お子様と話すきっかけとしてお読みいただけると幸いです。