東船橋教室のメッセージ
苦手な教科に「集中する」という難題 やりたくない勉強と上手に向き合うための現実的なアプローチ
2026.05.19
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集中力を保つというのは、本当に難しいことですよね。
ましてや、それが「勉強」となれば、なおさらその難しさを実感される方が多いのでは
ないでしょうか。
得意な教科であれば、それほど苦にはならないかもしれません。
最初からある程度理解できていますし、問題が解ける楽しさもあるからです。
本当に頭を悩ませるのは、やはり「苦手な教科」です。
苦手であるということは、それを理解するまでにどうしても時間がかかってしまうということです。
そのため、否が応にも多くの時間を費やさなければならなくなります。
それにもかかわらず、教科書を開いた瞬間に、どうしても強い拒絶反応が生まれてしまうものです。
「もっと集中して勉強しなさい」
学校や家庭で、このような言葉をかけられた経験はどなたにもあるかと思います。
しかし、「どのようにすれば集中できるのか」という具体的な方法まで、
正しく把握できている方は少ないのではないでしょうか。
インターネットや本で解決策を探してみると、よく次のようなアドバイスを目にします。
「タイマーを使って時間を区切って勉強しよう」
「まずは机の上を綺麗に片付けて、環境を整えよう」
「スマートフォンを目の届かない場所に置こう」
確かに、これらはどれも大切なことです。
しかし、私たちが直面している問題の本質は、少し違うところにある気がします。
環境をいくら綺麗に整えたとしても、目の前にある「やりたくない」という気持ちそのものが
消えるわけではないからです。
私たちが本当に知りたいのは、もっと根本的な部分です。
「そもそも、やりたくないことに対して、集中することなどできるのだろうか」
という疑問です。
結論からお伝えすると、やりたくないことに対して、好きなことをしているときのような
「自然で高い集中力」を発揮するのは、脳の仕組みから考えても非常に困難なことです。
好きなことに没頭しているときは、脳内で心地よさを感じる物質が分泌され、がんばらなくても自然と
集中状態に入ることができます。
一方で、苦手な勉強は脳にとって「ストレス」として捉えられがちです。
そのため、脳は自分を守ろうとして、無意識に他のものへ注意を逸らそうとします。
やりたくないことに集中しようとするのは、本能に逆らうようなものであり、
不快感を伴うのはごく自然なことなのです。
では、
よく耳にする「目的を持てばがんばれる」という意見はどうでしょうか。
「行きたい志望校を決める」
「将来の夢を描く」
といった明確な目標があれば、苦手なことにも耐えられるという考え方です。
しかし、これも現実にはなかなか難しい場合があります。
なぜなら、苦手なものに対しては、具体的な目的を見出しにくいからです。
たとえば、数学がどうしても苦手な方に「数学を学ぶ目的を決めましょう」と伝えても、
「受験に必要だから」という理由以上のものを見つけるのは簡単ではありません。
それでは、
「モチベーションを高く保つ」というのはどうでしょうか。
これについても、「では、どうやって保てばいいのだろう」という疑問が残ります。
成績が上がればやる気も湧いてくるかもしれませんが、
そのためにはまず勉強を始めなければなりません。
「勉強するためのやる気が出ない」と悩んでいるときに、「やる気を出しなさい」と言われても、
具体的な一歩にはつながりにくいものです。
やりたくないことに集中するのは心地よくない。
目的を決めるのも難しい。
モチベーションを保つ方法もわからない。
このような状況の中で、私たちは一体どのように対処していけばいいのでしょうか。
ここからは、私たちが実践できる「現実的なアプローチ」について考えてみたいと思います。
必要なのは、気持ちの持ち方を変えることではなく、
脳に負担をかけずに自然と行動を起こせるような「仕組み」を作ることです。
◆「最初から集中しようとしない」◆
私たちはよく「集中力が高まったら勉強を始めよう」と考えがちですが、
実際は逆であることが多いと言われています。
人間の脳は、「実際に行動を始めることで、後から少しずつ集中力が湧いてくる」という性質を
持っています。
そのため、「とりあえず5分だけ教科書を眺めてみよう」「計算問題を1問だけ解いてみよう」と、
最初のハードルを驚くほど小さくしてみるのがおすすめです。
始めることへの心理的な抵抗を減らし、まずは動いてみることで、
脳のエンジンが静かに回り始めます。
◆「無理にその場で理解しようとしない」◆
苦手教科に取り組む際、最も負担になるのは「わからない状態のまま、ずっと悩み続けること」です。
そこで、苦手な教科を勉強するときは「5分考えてわからなければ、すぐに解説を見る」という
ルールを作ってみてはいかがでしょうか。
場合によっては、最初から答えを読みながら、それをノートに写していくところから始めても
構いません。
「自力で解く」という難易度の高い作業を一度横に置いて、「真似をして書いてみる」という
作業に変えることで、勉強への拒絶反応を大きく和らげることができます。
◆「気分に頼らず、スケジュールに組み込んでしまう」◆
「やる気があるからやる、出ないからやらない」という基準で進めていると、苦手な教科は
どうしても後回しになってしまいます。
大切なのは、毎日の歯磨きのように、生活の一部として仕組み化してしまうことです。
「毎週〇曜日の〇時からは、このテキストを開く」というように、時間と行動をセットにして
習慣にしてしまいます。
そこに「やりたいか、やりたくないか」という感情を挟まないようにすることで、
気がつけば机に向かっているという状態を作ることができます。
私たちは、勉強に対して少し理想的なイメージを持ちすぎているのかもしれません。
「高い志を持ち、やる気に満ちあふれ、時間を忘れて没頭する」
もちろんそれは素晴らしい姿ですが、全ての教科でそれを実現するのは至難の業です。
苦手なものは苦手、やりたくないものはやりたくない。
まずはその気持ちを、そのまま受け止めてみてください。
脳の仕組みを理解し、できるだけ負担の少ない小さな作業から始め、
感情を挟まずに淡々と進めていく。
根気や気合で解決しようとするのではなく、
ほんの少しの「仕組み」に変えて、一歩を踏み出してみませんか。






