城南コベッツ赤羽南教室

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赤羽南教室のメッセージ

【語彙なくして学力なしシリーズ|#4】読む力を「単漢字」から育てる

2025.06.06

読む力は「単漢字」から育てる

― 語彙不足の原因と、りんご塾の新たな取り組み ―




読むことを嫌がる子の「本当の原因」

子どもが算数の文章題を嫌がるんです。
いつも問題を読まななくて。
読解力が弱いみたいなんですが、何をしたらいいんでしょうか。

こうした相談をよくいただきます。


これまでのブログで、こうした読むことを嫌がる子どもたちの特徴や、その根本原因として「語彙力の不足」があることについてお伝えしてきました。

文章題だけを集めて特訓をしても、国語の読解問題をやることも、勉強嫌いの原因であり、有効な手立てだとは私は考えていません。

どうしたら「語彙力不足」を解消できるのでしょうか?


語彙の蓄積が進んでいない子どもたちを見ていると、ある共通点がある
ことに気づきました。
それは、「単漢字の意味やイメージが頭の中にできあがっていない」ということです。




単漢字のもつ意味のイメージ


単漢字とは、漢字ひとつのことです。

たとえば「交通」という言葉があります。
この熟語の意味を「車が通ること」と覚えている子がいました。

「交」は「まじわる」、「通」は「とおる」。
音読みの知識にとどまらず、それぞれの意味を日本語で言い換えられるくらいに理解していれば、「人が行き来すること」「信号機のある場所」など、もっと広い意味が自然と想像できます。


しかし、単漢字の意味を持たずに暗記していると、熟語が少しでも変化すると理解できなくなります。
「交差点」「交通費」など、文脈の違う言葉に触れたとき、「これは知らない」と拒絶してしまうのです。




大人の私たちが「これは子どもでも知っている言葉だよね」という前提は、実際の子どもたちには通じない場合は多々あります。

もう一つ例を上げます。
「花子さんは、一日に5ページ本を読みます。一週間では、何ページ読めますか」という試験の問題を、小学2年生が解けなくて驚いたという声を親御さんからいただいたことがあります。

「うちの子は、一週間が7日間だって知らなかったみたいで......」と言っていました。

そういうことはよくあるのです。
「月曜日の次が、火曜日」「火曜日の次が、水曜日」...「一週間は、7日間」こういう前提は、大人にとっては当たり前です。
でも、子どもが知らないまま、"これくらいは、わかっているだろう"という思い込みの上で、会話していることがあるということを、私たちは知っておくべきということです。





言葉を一対一で暗記しようとする高校生の例


りんご塾では、多くの子どもたちと日々接していますが、語彙力が不足している子ほど、熟語や問題文の意味を「一つずつ暗記」しようとします。

この状態は、私が教えている高校生と酷似しています。
英単語を、日本語の訳とだけ1対1で覚えようとする高校生。
そうした生徒は、単語テストの点数は取れても、長文読解が全くできません


「willing」という英単語を「いとわない」と覚えている生徒がいました。
たしかに「willing to do」で「~することを いとわない」という訳が作れます。

私はその生徒がいつもこの英単語を忘れるので、試しに「『いとわない』ってどういう意味?」ときいてみました。
生徒は「え...?」と言って固まってしまいました。




小学生にも「語彙の壁」は確実に存在する

りんご塾では、算数の先取り教育を行っています。
年中さんから小学生までが図形や数のセンスを伸ばしていく中で、一定数の生徒が、「学校で習うような文章の問題」を嫌がる傾向があります。

「先生が問題を読んでよ」
「えーやりたくない、読むのめんどくさい」
なんて言ったりする子が多いです。

子どもたちの「めんどくさい」は、『自信がないから、やりたくない』という気持ちの裏返しです。
やっぱり「読むこと」へのハードルが高いのです。



今こそ「単漢字」の意味に立ち返る


このような課題を解決するために、私はあえて「漢字を覚えはじめる時期」に立ち戻って、語彙力の土台を見直す必要があると感じました。


漢字を一文字ずつ意味から理解し、その漢字が使われている熟語のイメージを膨らませること。

これが「読む力」へとつながり、「考える力」の基礎になります。

「助ける」から「助言」「救助」
「助」の字を「助けること」だけで覚える子は、「助言=手伝う言葉」までは想像できても、「救助=命を助ける行為」という文脈の違いまでは理解できません。

しかし、「助」は「力を添える」「支える」という基本イメージを頭に持っていれば、文脈によって意味が広がっていくことが分かります。

このような語彙の柔軟性が、「読むことが面白い」「わかるって楽しい」につながっていくのです。





「漢字の読みトレーニング」を導入します

そこで当教室では、新たに「漢字の読みトレーニング」を導入する予定です。

年中や年長、小学校低学年の生徒に、「小学校6年生までの漢字」の「読みと意味」をどんどん身につけてもらいます。
書く練習は、小学校入学以降にたくさんやりますが、まずは「読めて理解できる」という段階を、先取りでクリアしていくのです。


ただ漢字を読めるようにするのではなく、「この漢字にはどういう意味があるのか」「どんな使われ方をするのか」を、子どもの頭の中で意味をイメージとして膨らませます。
例文を与えて、自分でも例文が作れるように、練習していきます。


自分ひとりの力で、新しい言葉や説明を理解できるよう、自分の言葉で考えられるようにすることが目標です。

このトレーニングを「ことばの学校」と並行して行うことで、読解・語彙・思考の三つの柱をすべて補強していきます。





まとめ:読む力は、考える力の土台です算数の先取りには


算数の先取りには、語彙力が欠かせないということを、私たちは訴え続けます。

「読むのが苦手」は「思考力がない」こととは違います。
しかし、「語彙がないまま」では、思考力を発揮することもできません。


読解力や語彙力を「あとまわし」にした先取り教育は、必ずどこかで頭打ちになります。
「語彙」という土台を鍛えながら、「思考する訓練」を積んでいくことこそが、本当の学力を育てるのです。





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りんご塾赤羽南教室(城南コベッツ赤羽南教室内)

~人間的成長なくして学力の成長なし~
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