2025.12.15
おはようございます。
12月15日 月曜日の朝を迎えました。本日も宜しくお願いいたします!
本日のテーマは、
『激変する高校入試! 2026年、全国の中学校で「内申点対策」としての定期テストの重要性が高まる理由』です。

2026年、日本の高校入試のは、大きな変革期を迎えることになります。
その中心にあるのが、「私立高校授業料の実質無償化」と、それに伴う中学校における「内申点(調査書点)」の重要性の爆発的な高まりです。
今後、全国の中学校で「内申点対策」としての定期テストへの取り組みが、受験戦略の核になると予測されます。
1. 「私立高校無償化」が引き起こす高校入試の地殻変動
政府の少子化対策の一環として、私立高校の授業料に対する支援制度が拡充され、「実質的な無償化」が進んでいます。これは、これまで経済的な理由から公立高校を選択せざるを得なかった層にとって、私立高校がより身近な選択肢になることを意味します。
公立高校と私立高校の学費の差が縮小することで、保護者は「公立か私立か」の選択を、学費ではなく「教育の質」「通学の利便性」「学校の特色」といった要素で純粋に比較検討できるようになります。
これにより、私立高校の人気と受験者数は間違いなく増加します。特に、独自のカリキュラムや進学実績を持つ人気私立高校への志願者集中は必至であり、結果として、競争は激化します。
2. 私立高校入試における「推薦入試」と「内申点」の決定的な役割
私立高校の生徒募集において、「推薦入試」は極めて重要な役割を果たします。
特に競争率の高い私立高校ほど、学力試験一本勝負の「一般入試」よりも、中学校からの推薦に基づく「推薦入試」で多くの生徒を確保する傾向があります。
そして、この推薦入試の合否を決定づける最重要ファクターこそが「内申点」、
すなわち中学校3年間(あるいは3年生の成績)の各教科の成績を5段階などで評価した調査書点です。千葉県においては、ほとんどが3年生の前期の成績が基準とされていますが、もしかすると公立高校のように、中学3年間の内申点を求められる可能性も今後出てくることでしょう。
なぜなら、今までは、どちらかというと、私立よりも公立を選択する人たちが多かったため、私立は生徒集めという部分でそれなりに苦労してきました。
ところが、今は無償化となることから、私立人気が否応なしに高まるのは自明の理ですので、生徒集めを積極展開しなくても自然増が間違いなくあることが読めるわけです。
そうしたら、基準を厳しくしたり、基準の範囲を拡大するなどの措置をとって、より優秀な生徒を獲得できる可能性が増すのですから、私立の独断場になるかもしれません。
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確約・優遇制度の基準: 多くの私立高校では、推薦入試だけでなく、実質的な「確約」や「優遇」を行う一般入試の併願優遇制度においても、「〇科の合計が△以上」といった具体的な内申点の基準を設けています。
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学力の担保と生徒募集: 私立高校にとって、内申点は生徒の「日々の学習態度」「基礎学力の定着度」「真面目さ」を客観的に示す信頼性の高い指標です。内申点が高い生徒を確保することは、学校運営の安定化、そして進学実績の維持・向上に直結します。
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青田買い競争の激化: 無償化によって志願者が増える中で、私立高校間の優秀な生徒の「青田買い」競争はさらに加速します。その際の判断材料として、入試本番の一発勝負ではない、確実性の高い内申点の価値は相対的に高まります。
3. 中学校で起こる変化:定期テストが「入試対策」そのものになる
私立高校の推薦・優遇制度が内申点に大きく依存している以上、無償化後の入試では、「高い内申点を取るための戦略」が、高校受験戦略の最上位に来ることになります。
3.1. 「定期テスト」の持つ意味の再定義
内申点を構成する要素は、「定期テストの点数」と「提出物・授業への取り組み(意欲・関心・態度)」の2つが主です。このうち、客観的かつ点数として現れる「定期テスト」のウェイトは、依然として最大級です。
2026年以降、多くの中学校で、生徒や保護者、そして教師の意識の中で、定期テストはもはや単なる「学習の到達度チェック」ではなく、「私立高校への切符を獲得するための決定的なイベント」へとその役割が変わります。
3.2. 求められる具体的な対策
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全科目での高得点志向: 従来の「主要5教科(国数英理社)だけ頑張る」という考え方は通用しなくなります。内申点は9科目全てが評価対象であり、特に私立高校が提示する基準には「9科目合計」を用いるケースも多いため、副教科(音楽・美術・保健体育・技術家庭)の定期テストや実技評価への真剣な取り組みが必須となります。
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提出物・授業態度の徹底: 定期テストで高得点を取っても、提出物が未提出だったり、授業態度が不真面目だったりすれば、内申点(特に観点別評価の「主体的に学習に取り組む態度」)は容易に下がります。「テスト対策」と「日々の学習習慣」が、これまで以上に一体として評価されるようになります。
結論:受験は中1から始まる「内申点マラソン」へ
私立高校無償化は、単なる経済支援策ではなく、高校入試の構造そのものを変えるほどのインパクトを持ちます。
「行きたい私立高校があるなら、中3の秋に慌てるのではなく、中1の1学期中間テストから最高の内申点を取りに行く」
これが、2026年以降の高校受験の新たな常識となるでしょう。
※現時点は、中3前期(または2学期中間まで)の定期テストの出来次第だったものは、いずれ早晩、1年から3年のすべてという見方がされるはずです。
付け焼刃ではなく、しっかりとした学力形成を目指していきましょう。
中学校は、生徒に対して「なぜ定期テストが重要なのか」をより明確に伝え、保護者は「中1からの内申点対策」を最重要視する。全国の中学校で、定期テストの価値と緊張感は、かつてないほど高まると断言できます。










