城南コベッツ赤羽南教室

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赤羽南教室のメッセージ

【赤羽南教室】大学受験とやりたいことの話

2025.11.21

大学受験で「やりたいこと」を優先しすぎていませんか?

最近、大学受験における「やりたいこと」の扱い方が、少し極端になってきていると感じています。
もちろん、本当に心の底からその分野が好きで、日常が全てその興味で満たされている――例えば、幼い頃から魚のことばかり考えてきたさかなクンのようなケースなら、志望理由として何の疑いもありません。

しかし現実には、多くの高校生が口にする「やりたいこと」は、そこまで強固なものではありません。大人なら誰しも、自分が高校生だった頃を思い返せばわかるはずです。


「やりたいこと」より「ラクをしたい」が勝っていないか

今日、ある高校3年生が私にこう言いました。

「総合型選抜(推薦)の滑り止めが受かったので、あとは第一志望の私立一校だけを受けます」

私ははっきりと「もっと上のレベルの大学も受けるべきだ」と伝えました。
しかし生徒は頑なに拒みます。

「自分のやりたいことができる学部がここだけなんです」
「他の大学を受けるつもりはありません」

そこで詳しく聞いてみると――

  • 「機械・システム系に興味がある」

  • しかし 志望校のキャンパスに行ったことはない

  • 他大学のカリキュラムもほとんど調べていない

...という状態でした。

これは本当に「やりたいこと」で大学を選んでいると言えるのでしょうか。
私には、「受験校を増やすのは大変だから、できるだけラクをしたい」という本音を"やりたいこと"で包んでいるようにしか見えませんでした。


理系志望なら特に知ってほしい「偏差値の現実」

理系に進む高校生は、ぜひ覚えておいてほしいことがあります。
大学の偏差値が低いほど、学生が研究に割ける裁量も、学べる内容の深さも制限されやすいということです。

極端に言えば、

  • 偏差値40台
    大学に入ってから分数・小数の計算を基礎から教え直す授業があるほど、学力の幅が広い世界です。
    実験でも"計算の仕方"から指導される場合があります。

  • 偏差値50台
    専門分野に触れ始めるものの、実験・研究の自由度はまだ限られています。
    「大学でしかできない経験」を十分に得るには物足りないケースも多い。

  • 偏差値60台以上
    ようやく"研究する側"に回れる環境が整います。
    指導教官のレベル、周囲の学生の意欲・基礎学力も高く、学びの密度が全く違います。

偏差値が違えば、スタートラインも、周りの雰囲気も、得られる刺激も全然違うのです。
学びに対する意識の高い環境に身を置いた方が、大学生活そのものが豊かになります。


今日の生徒は、最終的にこう言いました

「志望校について、もう一度考えてみます」

今の時代は、大人が志望校について踏み込んだ話をするとクレームになります。

例えばある大学について「そんな大学...」とか「レベルの低い大学...」というハッキリとした伝え方ができないのです。

これにより、「もっとレベルの高い大学を目指そうよ!」といった鼓舞ができません...。

しかし、大人の多くが社会に出てから「学歴によって判断される場面」に一度は直面してきたのも事実です。

時代がどう変わろうと、高い偏差値の大学に挑戦できるチャンスがあるなら、挑戦しておくべきだと私は強く思います。
その挑戦が、将来の選択肢を広げ、社会に出てからの武器にもなります。


「やりたいこと」を優先しすぎていませんか?

大人はみんな知っています。
高校生が言う「やりたいこと」が、そのまま生涯の仕事になる確率は決して高くないことを。
だからこそ、今この瞬間だけの"気分"や"ラクさ"で進路を狭めてしまうのは、あまりにももったいないのです。


若い人が「ここでいいや」と言うたびに、胸が痛くなる

私が一番強く伝えたいのはここです。

最近、「そこそこでいい」「このくらいが自分に合ってる」という言葉を、若い人から聞く機会があまりに多い。


大学受験も、就職活動も、人生の大きな岐路も、すべてにおいて――
自分で限界を決めてしまう。
まだ挑戦できるのに、見切りをつけてしまう。

その姿を見るたびに、本当に胸が痛みます。

なぜそんなにも早く、自分に天井を作ってしまうのでしょうか。
なぜ、やってもいないうちから「どうせ無理だ」「ここで十分」と決めてしまうのでしょうか。

可能性を閉ざすのは、いつだって他人ではなく"自分自身"です。


大学受験は、人生に一度しかありません

だからこそ私は強く言いたいのです。

大学受験くらい、人生で一度の挑戦くらい、思い切り自分の限界を超えて頑張ってみませんか。

どれだけ時代が変わろうと、
どれだけ学歴への価値観が揺らごうと、
"挑戦しなかった後悔"は必ず残ります。

「できるところまでやった」
「自分の限界を超えようとした」
この経験は、大学に入っても、社会に出ても、人生のあらゆる場面で必ずあなたの支えになります。


教育に携わる者として、ここだけはどうしても譲れません

私は教育者として、
生徒が自分の可能性を狭める瞬間を黙って見ていることはできません。

挑戦できるなら挑戦すべき。
行ける場所が上にあるなら、手を伸ばすべき。

「ここでいいや」で人生を選ぶのではなく、
「ここまで行きたい」と未来に向かって進んでほしい。

せっかくの大学受験です。
自分の人生に、自分で限界をつくらないでください。


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