2024.10.09
意外な区切り方
日本語には様々なカタカナの固有名詞がありますが、日本語の語幹とは異なる区切り方をする単語があります。例えば、「ヘリコプター」「キリマンジャロ」「コレステロール」「コエンザイム」などは意味的にはどこで区切るのが正しいでしょうか?正解を表にまとめると、下記のようになります。
出典:現代ビジネス_マネー現代 クイズ部_2021.09.19
由来を見てみると、何となく理解できますが、「ドンキホーテ」や「ヘリコプター」は、略称でも「ドンキ」や「ヘリ」という言葉を使うので余計に混乱しそうです。
これらの単語は、あくまで「意味的に区切る」と、というもので、必ずしもその場所で「・(中黒)」を打つ必要はありません。他にも、「意外な区切り」になっているカタカナ語はたくさんあるので、由来を調べてみるとイメージがつきやすくなるかもしれません。
四字熟語
「四字熟語」は4つの漢字から成る熟語で、スポーツクラブやチーム、個人の「座右の銘」として使われることも多いです。「座右の銘」とは、自分にとって身近で、日ごろから心に留めている言葉を指します。この「四字熟語」は、大相撲の力士が昇進時の口上に入れる「馴染みのない言葉」としてもよく知られています。
過去には、「一意専心(いちいせんしん)」「不惜身命(ふしゃくしんみょう)「勇往邁進(ゆうおうまいしん)」「力戦奮闘(りきせんふんとう)」「万里一空(ばんりいっくう)」などの「四字熟語」が使われていました。
出典:座右の銘にしたい四字熟語
「四字熟語」は、前の2文字、後ろの2文字で区切ることが多いですが、意味的には「意外な区切り方」をする言葉もあります。
例えば、「五里霧中(ごりむちゅう)」ですが、漢字は「五里夢中」ではなく「五里霧中」と書きます。「五里霧中」は、五里にもわたる深い霧の中にいる意味から「物事の様子や手掛かりがつかめず、方針や見込みが立たず困ること」を言います。「五里霧」は五里四方に立ち込める深い霧なので、「五里」と「霧中」は切れません。本来は「五里霧・中(ごりむ・ちゅう)」なので、意味的には「五里霧+中」と切れます。ですが、発音する時は「ごり、むちゅう」となります。
出典:goo辞書
同様に、「一衣帯水」という言葉があります。「衣帯」は衣服の帯、「水」は川や海なので、「一筋の帯のように、細く長い川や海峡泉」という意味になります。転じて「両者の間に一筋の細い川ほどの狭い隔たりがあるだけで、きわめて近接していることの例え」として使われます。これも本来は「一衣帯・水(いちいたい・すい)」なので、意味的には「一衣帯+水」と切れます。ですが、発音する時は「いちい、たいすい」となります。
出典:コトバンク_デジタル大辞泉
日本語の難しさ
日本語は、世界から見ても難しい言語のひとつと言われています。その理由はいくつかありますが、代表的なものを下記に紹介します。① 日本語には、「ひらがな、カタカナ、漢字、アルファベット 」があり、文字の種類が多い
② 漢字の読み方(音読み、訓読み、特殊な読み、難読地名、など)が多い
③ あいまいな表現を使い、相手に明確に伝えない
④ 主語・目的語が省略されやすい
⑤ 敬語の使い分けが複雑
② 漢字の読み方(音読み、訓読み、特殊な読み、難読地名、など)が多い
③ あいまいな表現を使い、相手に明確に伝えない
④ 主語・目的語が省略されやすい
⑤ 敬語の使い分けが複雑
文字の種類が多いのは想像できると思いますが、「難読地名」や「あいまいな表現」なども日本語の特徴です。例えば、大阪の「放出(はなてん)」「喜連瓜破(きれうりわり)」など関西出身でなければ読むのが難しいと思います。また、「知らんけど」(責任回避)、「考えておく」(断り文句)なども外国人には難しい表現です。
国語の文章問題は、大きく分けて「論理的文章」と「文学的文章」の2つのジャンルがあります。
「論理的文章」には「論説文」「説明文」「随筆文」などがあり、「文学的文章」には「小説文」「物語文」「詩・短歌・俳句」などがあります。
高等学校では、2022年度から「現代文」という1つの科目で扱ってきた評論と文学を、「論理国語」「文学国語」という2つの科目で学ぶことになっています。さらに、令和7年度以降の大学入学共通テストは、国語の試験時間が10分延び、90分となります。また、近代以降の文章が1問増えて3問(計110点)に、古文・漢文が各45点(計90点)になる予定です。
近年のテスト・入試では、国語以外の教科でも長文や図表の読解が多く出題されています。もはや、「国語は日本語だから何とかなる」とは言っていられない状況です。
当教室の「国語力養成講座」では、「読解力育成」に焦点を絞り、「語彙力」「文法力」「論理力」をそれぞれ鍛えます。
また、AI教材「atama+(アタマプラス)」の国語では、語彙や短文読解を織り交ぜながら、徐々に難易度の高い長文読解にステップアップしていきます。
参考:atama+教科ガイド_中学国語
国語力を伸ばすには、ある程度の期間が必要です。「いずれ」や「そのうち」ではなく、気づいた時が学習を始めるチャンスです。