赤羽南教室のメッセージ
【りんご塾赤羽南】「できないから、やらない」と泣いていた小学1年生の女の子に、ちょっと厳しいと思われても伝えたかった
2026.07.24
むかし私のところに通っていた、小学1年生の女の子がいました。
まだりんご塾を始める前のことです。
とても明るくて、よく笑う子です。
ただ、一つ、私たちがずっと気になっていたことがありました。
とにかく、よく泣くのです。
しかも、たまにではありません。
授業に来るたびに、何度も泣いていました。
もちろん、小学1年生です。
問題が分からなくて泣くこともあります。
一生懸命考えたのにできなくて、悔しくて涙が出てしまうこともあります。
それは、私はまったく悪いことだと思っていません。
むしろ、本気で取り組んでいるからこそ、悔しくて泣いてしまうことだってあります。
泣きながらでも、
「もう一回やる」
と問題に向かうのであれば、それでいいと思っています。
でも、彼女の場合は少し違いました。
「できない」
「だから、やらない」
そう言って、大きな声で泣きわめく。
まだ問題をしっかり読んでいない段階でも、難しそうだと思った途端に泣いてしまうことも多々ありました。
そして、それが毎回、何度も繰り返されていました。
私たちも、ずっと何とかしようとしていました
もちろん、その子にだけ無理に難問ばかりを与えていたわけではありません。
むしろ逆です。
担当する講師たちは、本当にいろいろな方法を試していました。
少し簡単なところから始めてみる。
一緒に考えてみる。
ヒントを出してみる。
できたところをたくさん褒める。
気持ちを切り替えられるように笑わせてみる。
「ここまでやってみよう」と小さな目標を作る。
その子が少しでも前向きに問題に向かえるように、どの講師も毎回、本当に一生懸命でした。
それでも、泣く。
「できないから、やらない、もうやりたくない」
と言って、また泣く。
その状態が続いていました。
そして、もう一つ考えなければならなかったのが、周りの子どもたちのことでした。
教室には、同じくらいの年齢の子どもたちもいます。
みんな、それぞれ自分の問題に一生懸命取り組んでいます。
そんな中で、毎回何度も大きな泣き声が聞こえてくる。
最初は心配していた子どもたちも、だんだん、
「また泣いてる......」
という反応をするようになっていました。
私は、それを見ていて思いました。
そろそろ、このままにしてはいけない。
泣くことを怒ったわけではありません
あるとき、私は彼女に初めて、強めの口調で話しました。
伝えたことは、とてもシンプルです。
「泣くことには怒らない」
「分からないことにも怒らない」
でも、
「やらないと言って、大きな声で泣き続けるのは違う」
ということでした。
そして、最後にはかなり厳しく、
「やらないで大声で泣き続けるなら、周りのみんなにも迷惑だから、今日は帰って」
と伝えました。
小学1年生の子に、ここまで言うべきなのか。
もちろん、私自身にも迷いはありました。
できれば、こんなことは言いたくありません。
怒るというのは、怒る側にもかなりのエネルギーが必要です。
そして怒られた相手の心境を考えるので、こちらも傷つきます。
まして、普段から笑ったり、頑張っている姿を見ている子です。
嫌いだから怒るわけではありません。
言うことを聞かせたいからでもありません。
むしろ逆です。
この子は、このままではずっと変われない。
いずれは、自分の居場所がなくなる。
そう思ったからこそ、言いました。
困ったときに泣けば、誰かが何とかしてくれる。
難しそうなら、やらなくても済む。
もし本人がそんな経験を積み重ねてしまったら、この先、本人が一番困ることになります。
そしてもう一つ、心配していたことがありました。
それは、周りの子どもたちとの関係です。
子どもの世界は、大人が思っている以上に正直です。
毎回大きな声で泣き、周りがそのたびに我慢する状態が続けば、
「あの子と一緒だと嫌だ」と思われるようになるかもしれない。
私は、それが一番心配でした。
だから、どこかで誰かが伝えなければいけない。
「泣いてもいい。でも、泣けば何でも通るわけではないよ」と。
それも教育の一つだと、私は思っています。
ところが、その直後でした
私が厳しく話したあと、彼女は「やる」と言って、席に戻りました。
そして、問題に向かい始めました。
すると、驚くほど集中して取り組み始めたのです。
いつもなら、
「できない」「やらない」
となっていたところでも、手を動かす。考える。
分からなければ、落ち着いて講師の説明を聞く。
またやってみる。
気がつけば、その日はこれまでになかったくらいテキストが進んでいました。
しかも、ずっと沈んでいたわけではありません。
途中からはいつもの笑顔も戻っていました。
私はその姿を見ながら、
「ああ、この子は一歩成長したなぁ」
と思いました。
できなかったのではない。
やる力がなかったのでもない。
どこかで、「できないと思ったら泣く」という行動が先に出てしまっていただけなのかもしれません。
その日の授業が終わるころ。
彼女は、とても明るい顔でこんなことを言いました。
「うち、怒られたあと、めっちゃ進んだ~!」
思わず笑っちゃいました。
本当に明るくていい子です。
私は、この言葉がとても印象に残りました。
怒られたことだけを引きずっているわけではない。
自分がそのあと頑張れたことを、本人自身がちゃんと分かっていたのです。
そして何より、
「自分はやればできる」
という感覚を、少しだけつかめたように見えました。
私は、それがとても嬉しかった。
子どもは、きっかけ一つで大きく変わります
子どもへの教育は、優しくすればいいわけでも、厳しくすればいいわけでもないと思っています。
優しく背中を押した方がいいときもあります。
黙って待った方がいいときもあります。
一緒に笑った方がいいときもあります。
そして、ときには、
誰かが本気で「それは違う」と伝えなければならないときもあります。
大切なのは、怒るか、怒らないかではありません。
その子が次の一歩を踏み出すために、今、何が必要なのか。
そこを大人が本気で考えることだと思います。
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