城南コベッツ藤沢駅前教室

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2022.08.05

学校でも塾でも、学習は基本的に「教科別」に行います。
ただし、実際には教科ごとに学ぶ内容がリンクされている場合も多いのです。

例えば国語の評論文は、1つのテーマについて論じられますが、
そのテーマの大半は社会科の授業で学ぶことができます。

評論文には「近代」批判のものが多く出題されます。
この「近代」がどういう時代なのかは、歴史を学ぶことで見えてきます。
歴史をしっかり勉強できていれば、一気に文章が読みやすくなります。

こうして国語の演習を積むと、読解力がついてきます。
この力はそのまま英語の長文読解に活かせます。
英語の長文問題とは、その殆どが英語で書かれた「現代文」だからです。
評論であれば論理展開を追う力が、物語であれば場面展開を追う力が、
今度は英語の文法と単語の土台の上で、試されているのです。

社会で身に着けた知識が国語の読解に活き、
国語で演習を積んだ読解力が英語において役に立つ。
実際はこのように、教科ごとに重なりながら学習を進めていくのです。

その他、国語の文章においては理系知識が問われるものもありますし、
数学の知識はそのまま物理・化学に活きてきます。

それぞれ無関係な科目と思わずに、
ぜひ科目を「横断」するつもりで取り組んでみてください。
意外な繋がりが見つかって、皆さんの力になってくれるかもしれません。

2022.08.02

前回の記事の続きです。

総合型選抜における志望理由書では、
「熱意」と「妥当性」が大事であるといったお話をしました。

今回は、「妥当性」についてです。では、妥当性とは何でしょうか?
「妥当」について辞書を引くと、
「実情によくあてはまっていること。適切であること。」とあります。
まだよくわかりませんね。少し例を出しましょう。

Aさんは、将来弁護士になりたいと言いました。
理由を聞くと、「貧困で困っている家庭を救いたい」からだそうです。
さて、この話は妥当性があると言えるでしょうか?

当然ながら、妥当性に欠けています。
Aさんの頭の中では、もしかすると次のように考えているのかもしれません。
「貧困で困っている家庭は、弁護士への相談費用や雇用費用を満足に支払う事が
難しく、法争において不利になりやすい。だから弁護士費用に囚われない仕組みを
考えて、全員が気軽に弁護士に頼ることのできるようにしたい」

この考えの是非については置いておきますが、仮にそう考えていたとしても、
最初の例は明らかに「妥当性に欠ける」ものであると言えます。
妥当性とは、客観的に担保されるものでなければなりません。
客観的に見た場合、最初の例では明らかに理由と弁護士になりたいという結論に
乖離があります。

どれだけ心の内に熱い思いがあったとしても、ダメなのです。
なぜなら、志望理由書は書類のみで判断がなされるものだからです。

今回の例は大げさに作っていますが、大なり小なりこの例のような志望理由書を
書いてしまうお子さんはたくさんいます。
おそらく、「社会問題・社会貢献」と「なりたい職業」をバラバラに
考えているからなんですね。是非、「ストーリー」をしっかりと組み立て、
「妥当性」のチェックを怠らないようにしましょう。

お話しした2点、どちらも志望理由書において、とても大切な事柄です。
ただし、お子様が一人でこの観点を潰しながら志望理由書を作るのは
至難の業です。
城南コベッツでは志望書添削も行っています。
是非お気軽にご相談ください。

2022.07.29

毎年この時期は、総合型選抜(旧AO)や学校型選抜の生徒が、
提出書類に追われる時期です。
私自身も、毎年たくさんの生徒の志望理由書などの書類をチェックしています。

志望理由書において、個人的に大事にしているのは、「熱意」と「妥当性」です。
所謂推薦入試は、自己をアピールするものなので、当然ながら「熱意」は必要です。
では、この「熱意」は何に対しての熱意であるか、考えた事はあるでしょうか?

大学入学への熱意...と思われるかもしれませんが、実は違います。

この熱意は、「社会」に対してあるべきです。
将来どんな職業に就きたいのか、
その上で何を達成して、社会にどう貢献したいのか...。
これらが具体的にイメージできていないといけません。

何故なら、審査する側である大学は、「大学を好きで居てくれる人」ではなく
大学を卒業した後どのように活躍できるか」を見ているからですね。

ですので、「あなたの大学に入りたいんです」という熱意だけを伝えるのではなく、
「社会で貢献したい想い」を中心に据えながら、
なぜその大学で学ぶ必要があるのかについて伝えられるようにしましょう。

次回は、もう1つの要素である「妥当性」についてお話します。

2022.07.26

高校において、2022年度より新指導要領が年度実施されています。
数学については学習内容の移動・変更が大きいのですが、
よくわからない方も多いと思いますので、まとめてみます。

ちなみに、大学入学共通テストでは、
「数学Ⅰ」または「数学Ⅰ、数学A」
「数学Ⅱ、数学B、数学C」
の試験範囲となります。
数Cが含まれる事から、実質的に「ベクトル」または「複素数平面」は
国公立文系においても学習の必要がある、という事は頭に入れておきましょう。

【数学Ⅰ】
ほとんど現行と変わりません。
「循環小数」が数Aから数Ⅰに移行していますが、
現行でも2重で扱うような状態でしたのでさほど影響はないでしょう。
データ分野では「はずれ値」や「仮説検定」を扱うようになります。
データは苦手とする生徒が多い事から、注意が必要でしょう。

【数学A】
「整数の性質」が「数学と人間の活動」の中に格納される形となり、
「ユークリッドの互除法」などが重視されなくなる可能性があります。
また、「作図」「オイラーの多面体定理」についても重視されない可能性が高く、
反面「チェバ・メネラウスの定理」はやや応用的な要素も含まれるようになります。

【数学Ⅱ】
殆ど変化はありません。

【数学B】
「ベクトル」が数Cへ移行され、「数学と社会生活」が新設されます。
このことにより、従来は「ベクトル」「数列」が選択される事が多かったものが、
「数列」「統計的な推測」を学習する可能性が高まりました。
「両側検定」や「標本調査」のより詳しい内容も新しく学習内容に盛り込まれる
見込みです。実質的な「統計分野」の強化と見てよいでしょう。

【数学Ⅲ】
「平面上の曲線と複素数平面」が数Cへ移行となります。

【数学C】
「ベクトル」「平面上の曲線と複素数平面」「数学的な表現の工夫」から
構成され、「数学的な表現の工夫」では「行列」も扱います。
「ベクトル」「平面上の曲線と複素数平面」を学習する事が多いと予想されます。
物理との接続を考えて、低学年時から学習する可能性もあります。


いかがでしょうか。できるだけ簡潔にしてみましたが、
それでもややこしいですね...。
それだけ、今回の学習内容の変化は大きなものですので、
ご不安のある方はお気軽にご相談ください。

2022.07.22

2021年より、中学校では新指導要領が実施されており、
高校入試においても、順次新しい学習内容を含めた試験内容に変化しています。

そのため、過去問では登場しないが、今後の試験では登場する範囲が存在します。
特に注意が必要なのが、数学・理科です。

数学は、主にデータ分野の学習内容に変化があります。
特に、新しく中学生が学習することになった
「累積度数・累積相対度数(中1)」「箱ひげ図・四分位範囲(中2)」は
注意が必要です。
なぜなら、これらは過去問には一切登場しない概念だからです。
近年のデータ教育の重視傾向からしても、
これらの新しい学習単元が出題される可能性は大いにありえます。
学校で習ったけれど「よくわからなかったな...」という人は、
必ず復習しておきましょう。

理科は、大きな単元が増えるというよりは、
単元内の学習事項が増える傾向にあります。
主に「放射線」「災害系統」の指導内容が増えています。
(他にも「2力のつり合い」「動物の仲間」といった事項も増えています)
そのため、引き続き教科書内容の知識を網羅的に確認する事が必要です。

学習内容は年々変化していますので、常に最新の情報を還元できればと思います。