2025.07.26
「授業が難しい」と言う前に
――学びが成立する、たったひとつの条件
(こちらの続きです→2025年夏!順天高1生に数学を教えてきました~!)
順天高校の2日間の夏の講習を終えた長谷先生の話を聞いて、深くうなずかされることがありました。
一つの授業に参加しているのは、高校1年生の80名。
学校のテストで90点を取るような生徒から、20点台の生徒まで幅広い層がいます。
そんな中で授業を行うとなると、どうしてもすでに学校で習った範囲を丁寧に、1からやり直すことはできません。
でも当然、できる子だけを相手にしているわけでもありません。
そこで長谷先生は、次のような方針で授業を組み立てているそうです。
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公式はすべて確認する
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計算は一切省略せず、どんなに数学が苦手でも追えるようにする
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けれど、時間を無駄にせず、テンポは保つ
つまり、「わかるように教える」と「無駄を省く」のギリギリのバランスを取って、毎回本気で授業をしているというわけです。
前回のブログで私が書いたように、「わかりやすい!」「数学で感動した!」という声があると同時に、それとは別のこんな声もあったそうです。
「授業の内容が難しかった」
「スピードが速かった」
それを見たとき、長谷先生はこんなふうに言いました。
「いや、それって授業の問題じゃなくて、
"わかろうと本気で聞いていなかった自分の責任"じゃない?」
その言葉に、私はハッとしました。
「難しい」の正体は"他人任せ"の気持ち
たとえば、英単語を覚えるとき。
「覚えよう」と思って取り組まない限り、どれだけ長い時間を単語帳に費やしても、頭には入りませんよね。
ただ眺めているだけ。
何となく目で追ってるだけ。
そんな状態では、何十回見ても覚えられない。
それと同じで、
「なんか難しそう」
「最初からわからない気がする」
「まあ、いいか」と思いながら授業を受けていれば、
そりゃあ、わかるわけがないんです。
なぜなら、それは"学ぶつもりで聞いていない"から。
授業って、デートみたいなもの?
この話の中で、長谷先生がポロッとこぼした言葉が、私は妙に心に残っています。
「授業って、デートみたいなものなんだよね。
片方が「楽しませよう」「楽しもう」と頑張っていても、もう一方がスマホばかり見て楽しむ気が全くなければ、デートは成り立ちません。
同様に、講師が"楽しませたい""わかってほしい"と思っていても、
相手に"その気"がなかったら、絶対に成立しない」
言われてみれば、たしかにその通りです。
講師が一生懸命伝えようとしても、
生徒が「どうせわからないし」とか「ちょっと寝ててもバレないし」と思っていたら、
その授業はどこまでも一方通行のまま、終わってしまう。
「わかってもらいたい」と思って話す人と、
「わかりたい」と思って聞く人がいて、
はじめて"学び"は成立するのだと、改めて感じさせられました。
学びを"他人まかせ"にしないでほしい
もちろん、わかりやすく伝えるのは講師の仕事です。
でも、いくら伝える側が丁寧に、誠実に、分かりやすく教えても、
受け手に「受け取ろう」という気持ちがなければ、意味はないんです。
授業とは、受け身で成立するものではありません。
「わかろう」とする意志があってはじめて、わかるようになる。
それが、教育の現場に長くいる私たちが実感として持っている真実です。
わかりたいから、聞く。
わかってほしいから、話す。
教えることと学ぶことは、いつだって共同作業。
その「両想い」を、ひとつでも多くの授業で実現したい。
今日の話を聞いて、そんな気持ちになりました。
次回は、こんな思いを抱えた長谷先生が、2日目の授業で生徒に何を語ったのか...について書きます。
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